【子育て応援メソッド】自由度の高いシフトでエステティシャンに返り咲き ポーラ ザ ビューティー ビューティーディレクター金子育代さん #1
美容業界で働くワーママ・ワーパパたち。子育てには目に見えない細かなお世話もあり、時間に追われている人も多いと思います。そんな多忙なママ・パパに、仕事と育児を両立させるためのコツをインタビューする「子育て応援メソッド」。
今回は、ポーラ ザ ビューティー センター北店 ビューティーディレクターの金子育代さんに伺いました。お子さんが小さいうちは夜遅いエステティシャンの仕事をあきらめていた金子さんですが、元夫との育児協力と、保育園の時間に合わせてシフトを組めるポーラで大好きなエステティシャンの仕事に返り咲くことができました。
自分の不得意分野は元夫がみてくれることに感謝
――ビューティーディレクターになられるきっかけを教えてください。
「もともとエステティックが大好きで、美容業界に長くいたのですが、子どもが小さいうちは、夜遅くなるエステティシャンを続けるのは無理かなとあきらめていて、エステティックサロンの副店長兼受付業務についていました。
技術向上の一環として、いろんなサロンのエステを体験するのですが、そこでポーラのトライアルエステを受けにきました。そのときに、こちらのオーナーに『お仕事に興味ないですか?』と誘っていただき、『実は同じ業界で興味はあるのですが、エステティシャンの仕事は遅い時間帯になるので今はできないと思います』とお返事しました。
そしたら、『ここは自分のできる時間にシフトを組めますよ』と教えてくださって、『それなら大好きなエステの仕事をもう一回できるかもしれない』と考え始めたのがきっかけです」
――おいくつのときですか?
「3年前なので、41才のときです。上の男の子がちょうど小学校に上がるときでした。いま上の子は小3に、下の女の子は保育園の年長になりました」
――社会人になられてからずっとエステ業界ですか?
「新卒で大手のエステティック会社に5年間勤務しました。いちばん長かったのは、15年間勤務した自然派化粧品の会社です。そちらでは、セラピストという呼び方でフェイシャル、ボディと販売も担当していました。一度、歯科助手をしたこともありますが、それ以外はずっとエステ業界にいます。トータルで約20年ですね」
――長いキャリアをお持ちなんですね。現在の金子さんの業務形態は?
「ポーラと委託関係を結んでいる個人事業主という形になります。わたしたちは、オーナーが経営するサロンとポーラの化粧品を使わせていただく権利をもらって、出来高制で営業させていただいています」
――個人事業主になるんですね。勤務時間はどれくらいですか?
「保育園の時間内でおさまるように9時~17時までにしていただいています。土日しか来られないお客様も多いので、土曜はほぼ出勤、日曜は半分くらいは出ています。だいたい週5で勤務しています」
――けっこうハードですね。
「1日3~4名くらいのお客様を担当させていただいています。エステティックが大好きなので、施術していたほうが自分も元気になれるんです」
――土日、お子さんの預け先はどちらに?
「4年前に離婚していて、子どもたちは、土日になると元夫の家に泊まりに行き、そちらで過ごしています」
――元ご主人が毎週末、お子さんの面倒をみてくれるパターンってあまりないのでは?
「アメリカ人みたいだねってよく言われます(笑)。離婚するときに、子育ては協力してほしいということを伝えて、それを守ってくれているので、いまはとても感謝しています。
元夫は実家住まいなので、子どもたちの食事はおばあちゃんが作ってくれています。子どもたちは、従妹に遊んでもらったりととてもよくしてもらっています。わたしと主人が別れたのでふたつのお家があるけれど、子どもたちにとってパパであることに変わりはない。子どもたちは、そんなふうに理解してくれているようです」
――お子さんは、パパとの時間が意外に多いですね。
「はい。子どもたちは週末、パパに会うことを楽しみにしています。わたしの家にはゲームを置いていないので、パパの家にしかないゲームを楽しんだり、自転車に乗る練習をしたりしているようです。元夫がわたしの不得意分野を見てくれているのでとても助かります」
子どもが素直になれないときは、ぎゅ~っとハグ
――1日のタイムスケジュールを簡単に教えてください。
「夜8時にはお風呂に入り、夜9時には寝るというルールを決めて、それに向かって動いています」
――すごくきちんと生活されているように感じます。帰宅後はけっこうバタバタですか?
「前の職場は都内にあり、夜9時まで勤務していたので、それに比べたら今はずっと楽ですね」
――子育てで大変なことは?
「長男に関しては、毎日同じことを注意し続けなくてはいけないことでしょうか。好きなことに対しては、すごく貪欲に知識を高めたりとか、どんどん上手になっていくのはすごいなと思うのですが…。あとは、親に言わないことがあったり、嘘ついてみたり。そういうときに困ったな、どうしたらいいんだろうと思うことがあります」
――そんなときはどうされていますか?
「妹の前では言えないこともあるので、まずはふたりの時間をつくって、ぎゅ~っとします。一旦、ぜんぜん違う話をすると子どもも落ち着いてきて、笑顔が見えるようになるんです。そしたら改めて、『ママはこう思うけど本当はどう思う?』と聞くと、素直になってくれることが多いですね」
――子育てがお上手ですね。
「どうしていいか分からないんですけどね。やっぱり愛情が伝わらないとダメかなと思うので、わたしとふたりだけの時間をもって、ぎゅ~っとするようにしています」
――女の子についてはいかがですか?
「妹はすごくしっかり者なんです。お兄ちゃんのこともよく見ているから、自分が怒られないように行動しています。それから、コミュニケーション能力が高いところは感心しますね。家に誰か来たときに気を遣えたりとか、自分をアピールできたりとかいうのは女の子のほうが得意かなと思います。
わたしが教えているわけではなく、持って生まれたものだと思います。かわいくなりたいみたいでいつも鏡を見ているような女の子です」
娘は「エステティシャンになりたい!」
――じゃあママのお仕事にも興味津々ですか?
「はい。お化粧品にも興味があって『これはどうやって使うの?』と聞いてきたり、自分でボディクリームを塗ったりしています。『エステティシャンになりたい』とも言っているんですよ。まだ小さいですが、娘が自分と同じ職業にないたいと言ってくれることは、とてもうれしいですね」
――それはうれしいですよね! お子さんたちにマッサージとかしてあげたりするんですか?
「子どもなので、本格的なマッサージというわけではありませんが、お風呂上りにオーガニックのボディオイルを使ってしっかり保湿するようにしています。くすぐったがるので、マッサージはしませんが、軽くクルクルしてあげると『気持ちいい』とうれしそうにしています。お兄ちゃんはもう恥ずかしがってやらせてくれませんけどね」
――男の子も恥ずかしい年齢を超えて、勉強が忙しくて肩こりなんて年齢になったら、よいコミュニケーションになりそうでうらやましいです。子育てで楽しいことや喜びは?
「すごくたくさんあります。子どもって、何日か前とは別人かと思うくらいいろんなことを覚えてきて、どんどん変化していくんですよね。その成長を間近で見られるのは喜びですね。
例えば、『きょうは、学童で包丁を使って○○○を作ったよ』と教えてくれたり、下の子はひらがなとカタカナの違いをちゃんと分かってお手紙を書けるようになっていたりとか。
わたしが教えていないことも、保育園や学童の方が教えてくださってできることが増えていくことには感謝しかないです。子どもたちの、吸収して自分のものにしていく力もすごいなと思います」
――お子さんたちにどんなふうに育ってほしいですか?
「好きなことを見つけて、それで食べていけるようになってほしいなと思います。好きなことなら、多少辛いことがあっても乗り越えられますから」
金子さんが仕事と育児を両立させるためのコツは
元ご主人と協力しながらふたりのお子さんの育児とエステティシャンの仕事を両立させている金子さん。そのためのコツは次の3つでした。
1.平日のシフトは保育園の時間内におさめる
2.育児は元夫と協力体制で
3.子どもとふたりきりの時間をつくって愛情を伝える
後編では、ご愛用の自社アイテム、これからどんなエステティシャンを目指していくのか、そのための工夫などをお伺いします。
▽後編はこちら▽
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撮影/古谷利幸
取材・文/永瀬紀子