宮村浩気 interview：「悔しい」という思いがあったからこそ、報われる「努力」がある

プレミアインタビュー2014年の締めくくりは『AFLOAT』代表の宮村浩気さん。取材に訪れたサロンは、開店前だというのにスタッフの熱気に満ちていました！　そんな超人気サロンを築いた宮村さんにも、美容学校時代、アシスタント時代がありました。悔しい思い、仕事にかける思い……宮村さんの愛がいっぱい詰まったメッセージをお届けします。

伸びていく人と器用な人は、同じじゃない

「スタッフ25人とともにafloat（アフロート）を立ち上げたのは13年前です。誰かのようになりたいという目標があったわけじゃない。美容師をして、ヘアメイクもして、売上も上げている人が他にいなかったんです。だから、自分がやろうと思いましたね。ここまで順調な時もあれば、もちろん順調じゃない時もありますよ。苦労をしたことは特に人の成長ですね。一人で稼ぐのなら問題ないのですが、会社として存続させるためには人を育てていかなくちゃならないですから。でも、人の成長は計画書通りにはいかないんです。僕もアシアシスタント時代があって、全然上達できなくて悔しい思いをした時期がもちろんあって。できなかったから、できるようになりたいと思って練習したんです。

でも、そうじゃない人もいるんですよね。美容師に必要な才能がなにかはわかりませんが、器用という人はいると思うんです。何でもすぐにできる人。でも、そういう人がみんな成功したかというと、そうではないんですね。伸びていく人と器用な人は同じじゃない。器用だから、才能があるというわけじゃないんです」

誰もいない朝５時からが練習時間

「僕は、学生時代もアシスタント時代も明確な目標はなかった。ただ美容師になりたいという漠然とした夢だけ。もともとすごく不器用で、人より本当に全然できなくて。だから、サロンに入社してからは誰も来ていないだろう朝５時を狙って出社、一人で練習していました。サロンの開店までの３時間～４時間が自分のための時間。だからこそ、最初に自分が入ったお客さまのことは今でも忘れられないです。劇団に所属して女優さんを目指していた女性でした。その女性は僕が担当したことで、二度とお店に来なくなったんです。僕の技術が未熟だったから。悔しかった。だから、やるんです。もっと上手くなりたいって練習するんです。その頃からの癖で、人の髪を見て、どうしたらこの人は今よりもっと魅力的になれるかを常に想像しています。服装や雰囲気を見ながら、もっと似合う髪型はないかって。電車の中、道行く人、カフェで座っている人、こうして取材を受けている時も、女性の髪を自分なりに空想の中で切っているんですよ（笑）。美容師はみんな、こういった努力を重ねているんじゃないかな。AFLOATのスタッフも、開店前の時間を、競って練習時間にあてています。ベテランだって同じ。みんな、もっと上手くなりたがっているんです」

好きという気持ちがすべて

「ヘアメイクでタレントさんや雑誌編集の方など、いろんな人と関わっていて感じるのは、プロと呼ばれる人は、みんな『好きで仕事をやっている』ということ。プロって、ものすごく仕事好きなんですよ。もちろん、人には言わない努力もしているんだと思います。努力している間に、ポコッと何か結果がでる瞬間が必ずあって、もっとやりたいなって思う嬉しい瞬間に出会えるんです。だから、また続けていく。例えば好きな人がいて、その人のためになにかしてあげたいと思う、それと一緒なんです。お客さまは彼女、その彼女のために、どうしたらキレイにできるかっていう単純な思いでいいと思うんです。リジョブの読者のなかには、美容師という仕事の良さを知らないまま辞めてしまった方もいると思います。もちろん大変な仕事なんですが、美容師の仕事って人生を変えていける感動があります。その面白さを知る前に辞めてしまうのはもったいないなって思うんですよ。好きだと思うことは続けてほしい。やり続けられることは、美容師に必要な才能のひとつかもしれないですね」

女性が変化していくこということ

「今、力を入れているのは、新美髪ブランドのセクシーエイジングケア『XY9 AFLOAT』です。女性は年齢を重ねることによって、より美しくなります。年齢を重ねたからこその美しさをもっと引き出せたらという思いで開発しました。僕、昨日この銀座サロンのヘッドスパを受けてきたんですが、ものすごく癒されました（笑）。なかにはキレイにお金をかけるより、モノに換えたほうがいいと思う人もいるかもしれませんね。でも人間って、褒められたら嬉しくないですか？ 　かわいいですねと言われただけでテンションがあがって、一日がとても気分よく過ごせるんです。同じ一日が、髪型やメイクを変えただけで、特別な一日に変えられる。もっと言えば人生が変わるんです。

僕が昔担当していたタレントさんは、最初はまったく売れていなかったんですが、彼女の専属になり、髪型を変えて、手入れの方法を変え、時間を増やしていくうちに、日本一のタレントさんになっていました。もちろん彼女自身の努力は言うまでもないのですが、髪型を変えるだけで、気持ちの持ちようが変わって、周りに与える印象が変化していった。最高に売れている人のオーラを目の当たりにして、僕たちは魔法使いじゃないけど、彼女がこれから見て行く風景を変えることができたって思いましたね」

AFLOATは世界ブランドになる

「なんだか不思議ですよね。長野から東京に出てきたときは、一日100円で過ごしたこともあったんですよ。早くスタリストになって稼ぎたいって思っていました。自分なりに努力していくうちに、かけがえのない人たちに出会って、今があるんですよね。人生で大切なものはなにかと聞かれたら、迷わず『人』と答えます。自分を支えてくれる人たちです。自分の技術だけで仕事をしていく人もいると思いますが、僕はいろんな人たちと関わり、みんなで一緒に仕事をするのが好きですね。一度の出会いをその場で終わらせないようにと、いつも思っています。自分が今、これだけ頑張れる原動力もスタッフがいるから。このブランドに期待をもって頑張っている彼らを、どうサポートできるか、いい環境をつくれるかが僕の仕事だし、やらなきゃいけないと思う。彼らがいっぱい夢をみられるようにするのが、僕の夢でもあるんです。

10年後、30年後のAFLOATの目標は、世界ブランドです。世界中の人たちが誰でも知っているような技術とおもてなしを極めたい。2020年のオリンピックのとき、日本の美容と言ったらAFLOATだよねと言われていたら嬉しいですね」

仕事に悩むリジョブ読者へ

「僕、簡単なことだと思うんですよ。仕事がうまくいくコツって、自分が好きなことを見つけることだと思うんです。例えば、株を買うときに、全然知らない株を買うより、自分が好きなゲーム会社の株を買ったほうが断然楽しい。恋愛をするような感覚で、好きか嫌いかっていう気持ちで会社を選んでもいいと思うんです。そうすれば仕事は楽しくなるし、頑張った分のお給料はもらえるし。僕もね、好きだから美容師を目指して……これって、ものすごく好きじゃなくて、このなかではどれが好きだろうというような感覚ですよ（笑）。それでも、ちょっとずつ自分が成長しているのを実感して、お客さまが名前を覚えてくれて、自分の技術で喜んでくれて。それが嬉しくて、この仕事が好きなんだって、あらためて思ったんです。好きで好きで始めたというより、続けていたことで、ものすごく好きになっていた。好きなことをもっと好きになるためには、見ているだけじゃだめなんです。好きなことに飛び込むことが必要。

とりあえず告白してみたらいいんです。好きなことに向かって動いてほしいと思います。そして、いつか仕事に恋をしてほしい」

Company

AFLOAT JAPAN

東京（青山・表参道・銀座）、名古屋（栄通り）から流行を発信し続ける美容室AFLOAT（アフロート）。外見だけでなく、内面もキレイにすることをコンセプトに、ライフスタイル、肌、洋服など、あらゆる面から美しさを引き出します。流行を生み出し続けるカリスマ美容師集団が、一人ひとりのお客様に合わせてキレイを提案します。

AFLOAT JAPAN
東京都中央区銀座2-5-14 銀座マロニエビル10Ｆ
TEL 03-5524-0701
直営店：東京・銀座・南青山・新宿・愛知・名古屋

http://www.afloat.co.jp/

Information

艶やかな髪で、大人の女性はもっと美しく輝く！『XY9 AFLOAT』

オリジナルクリームバス「Te gocoro」50％オフ体験キャンペーン 大人の女性のためのエイジングヘアケアブランドが誕生。ヘアスタイルを美しく演出するには髪本来の美しさが不可欠。｢XY9」は、９つの高補修補正成分を配合して、歳を重ねるほどに気になるパサつきや、広がりを抑え、うるおいと艶のある髪に仕上げます。
サロンは銀座店１店舗のみ。お客様一人ひとりとじっくり向きあい、担当スタイリストがカウンセリングから施術までを担当します。「XY9」を贅沢に使ったヘッドスパは極上の癒し。
シャンプー、トリートメント、ボディ＆ヘアオイル、バブルホイップシャンプーなど計４点。他にミニキットあり。

http://xy9afloat.salon.xstina.com/

この記事をシェアする