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コラム・特集 2014-12-16

九鬼良 interview:柔道整復師は「人の痛みがわかる」重要な仕事なんだ

美容・癒し・健康業界は独立開業をしやすい業界とも言われますが、残念ながら、すべてが順調に経営できているわけではありません。柔道整復師であり、経営プランナーも務める九鬼良さんは、技術者の視点と豊富な経験で、数多くの店の再生を担当してきました。その手腕と、経営成功のヒントに迫ってみました。

人生の転換期、自分が稼ぐという選択

九鬼 良さん

「2歳から水泳をはじめて、高校と大学では水泳のスポーツ推薦で進学し、将来はオリンピックを目指していました。引退するまで、学校を休んでも水泳は休まなかった(笑)。それが、大学1年のとき、突然、親からすぐ家に帰ってきてほしいと連絡があって。父が経営していた建設会社が倒産してしまったんです。たぶん高校のときからうまくいっていなかったんでしょうね。僕はそれを知らなかった。帰ったときには、母は精神的に不安定となり、自宅にはいられず、昼夜関係なく借金の取り立てがきている状態でした。何不自由なく愛情たっぷりに育ててもらって、大きい夢を見ながら生きてこられた環境が、一夜にして崩れたんです。すべて壊されたと思いましたね。

でも、父はギャンブルをしたわけでも、外に女性がいたわけでもない。まじめに仕事をして家庭を守って、尊敬すべき人でした。それでも、失敗した。だから、これからは自分が稼いで家族を養っていこうと決めたんです。父は、最後は後ろ指をさされて生きることになりましたが、自分が商売して成功すれば、父も救われると思ったんです」

仕事の原点は、心を溶かした言葉

「父の倒産後、大学を辞め、大手整骨院・リラクゼーショングループの秘書の仕事を始めました。主に店舗の立て直しですね。業績のあがらない店舗ばかりを任され、計1千万以上の赤字を数年かけて黒字にかえていきました。それでも、見習い期間は月給:65,000円、沢山の店舗を任されるようになった頃で、月収:17万円、休みは月に1回とれるかどうか。でも、辞めようとは思わなかったですね。スポーツをしてきたからかな。すべてが勉強だと思っていました。どんなことでも努力の仕方は一緒なんですよ。なにより、この仕事の意義を自分が身をもって感じていたからだと思いますね。2歳から21歳まで、ずっとスポーツ中心の生活をしていると、誰にも弱音が吐けなくなるんです。寮生活で同じ釜の飯を食べていても、水の中ではライバル。痛いときほど笑ってしまうクセがついたんですね。それが中学3年の時、腰の分離症となり、接骨院で『よくこんなんで水泳やっているね、しんどかったでしょ』と言われて。その言葉に心が溶けていくような感覚を味わいました。身体をだましだまし使っている間に、心もだましてきたんですね。救われたなって思いました。このときの気持ち、それが仕事の原点なんです

経営プランナーは畑の土づくり

九鬼 良さん

「結局、独立するまで大手チェーンで100以上の店舗を見てきました。どこかで修行してもせいぜい2~3店舗しか経験できないわけです。それを考えると、いろんな引き出しをもらえたなと思うんです。その経験から、個人的に接骨院・リラクゼーションなどの経営アドバイスを依頼されるようになりました。それは『技術がいい先生ほど店をつぶしている』ということです。技術のある先生って最初に地域一番というようないい接骨院で勉強をさせてもらっているんですね。技術、接客、気の使い方、どれもレベルが高い。そうして、自信がついて独立。看板を出さなくても、技術一本で患者さんは来ると思っているんです。そういう自信ってすごく必要なんですよ。でも、それが経営を邪魔しているパターンが多いかなと思いますね。よく畑と種にたとえて話すんですが、技術や先生の魅力は種だと思うんです。

いい技術があればきれいな花が咲くはずなんです。でも、種を育てる畑がないんですよ。畑は店舗。畑の守り方が重要。店舗がなければ花は咲かないままなんです。」

お客様は“なんとなく”の直感を働かせている

「経営に、これをしたら絶対と言うセオリーはないと思いますよ。経営プランナーが魔法みたいに売上をあげてくれるわけじゃない。いわば、僕の仕事は交通整理ですね。基本的には、当たり前のことを当たり前にやっているかということを見ます。今人気の店も0歳のときがあるわけです。0歳から、他店を研究したり、チラシを配ったり、お客様に来ていただけるための努力をして店を育てたわけです。それは当たり前のこと。例えば、女性の患者さん、お客様を増やしたいという店が、スリッパやトイレが汚かったり、先生が休憩中にたばこを吸って、その匂いがしたり、掃除が行き届いていないというようなことが多々あるわけです。そんなお店が、会計上の数字をどんなにイジっても売上があがるわけがない。

実際にアドバイスをするとき、僕は『なんとなく』で見るんです。いい加減な意味じゃないですよ(笑)。『なんとなくいいな』と思う店は、人がつくり出した息吹を感じるんです。お客様の多くも、綿密なリサーチをして店を選ぶのではなく、直感的に『なんとなく、ここがいいな』と思って選び、通ってくださるわけです。そして、その『なんとなく』をつくるのが、当たり前のことを当たり前にしている、ということだと思うんです」

愛しているから、業界を変えたい

九鬼 良さん

「夢は、業界の改革です。東洋医学はこの手、この指一本で人を助け、笑顔にできる仕事です。東洋医学って西洋医学とは違って、明確でないからこそ、やれることがある。身体の不調って見えない部分が多いんです。不調はレントゲンに写らない。だから不調を感じているのに診断もなく、行き場を失う患者さんが多いんです。そんな不調を治せるよう、僕らは努力を積み重ねて行かなければならないんです。そういう意味で、この業界の意義を感じているし、愛しているんです(笑)。だから変えたいと思う。例えば、背中を見て技術を学ぶだけでなく、教育体制を確立していくことが必要なんじゃないかなと。そして、いい技術者の意見がちゃんと認められるそんな業界にしたいですね。業界で頑張ってこられた方からすれば、僕はまだまだ若手ですからね。だからこそ、この業界で影響を与えられるような人間になりたいと思っているんです。ビッグマウスで、叩かれてしまうかな(笑)。

そのために、一日沢山の患者さん・お客様が来る1店舗の経営よりも、いくつかの店舗を経営している経営者のほうが、現状、発言権を持っているので、まずは自社のグループ拡大と、ただ、大きくするのではなく、強いグループを作るための教育を確立し、進めています」

10年先の自分は成功している!

「今、技術者・経営者・教育者の3つの仕事をしていて、そのなかで、『九鬼さんじゃなきゃダメですね』と、初めて言われたときは嬉しかったです。もちろん今、言われてもやっぱり嬉しいんですよ(笑)。それを欲しいがために頑張ってしまう! これまで、裏切られることも、うまくいかないこともありましたが、挫折したことは一度もないですね。10年先のイメージがあれば、何が起こったとしても、最終的に成功が待っているんですよ。裏切りも苦労も通過点に過ぎない。これはね、ビッグマウスじゃないですよ(笑)。例えば、3年前に仕事で失敗したことがあったとしても、今、貴方がちゃんと仕事を続けていれば、失敗は笑い話じゃないですか。つまり、10年先の自分が今を見ているとしたら、今、失敗している自分は挫折じゃないんですよ。コンサルタントとしても技術者としても、うまくいく秘訣なんてないって言っているんですが、もしひとつあるとすれば、成功するまでやればいいんですよ。センスとか、才能とか、天職も適職も関係ない。成功するまでやり続けること、できないことは人より時間をかければいいんです。未来のイメージがあれば、今はきっと変わりますよ」

Profile

九鬼 良さん

九鬼 良(くき りょう)さん

柔道整復師・経営プランナー
BODYMAKE株式会社 代表取締役社長
合同会社カフナジャパン 代表
NPO法人 日本手技療法協会 顧問

痛みを取る整体治療はもちろん、九鬼式美容整体術として小顔などの美容施術を考案し、その人“らしさ”を最大限に引き出すスペシャリストとして活躍。多くのプロフェッショナルから支持を得て、その技術を受け継いだ店舗を東京・名古屋に展開中。

同時に、100店舗以上に携わってきた経験から、経営プランナーとしても活動。技術者としての視点と豊富な経験を生かし、広告宣伝ノウハウ・店舗レイアウト手法・マーケティング戦略などから多角的に提案し、多くの店を再生させている。

Company

BODYMAKEグループ

BODYMAKEグループ

九鬼さんが代表を務めるグループ。痛みからの解放と心の満足を追求したサロンづくりで、口コミで人気が広がっている。特に、美容骨盤整体や小顔美人調整は、女性の美しさと健康にこだわり、独自開発されたもの。メディカルエステをコンセプトとしたエステサロンも展開。

BODYMAKE 高円寺本店 03-3223-5337
東京都杉並区高円寺北2-21-6 モンブランビル1F
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