【子育て応援メソッド】フリーランスだからこそできた! 週休3日×6週連続の育休取得 スタイリスト・ヘアメイク NAVEさん #1
フリーランスになりたいけれど、将来結婚したり、子どもを持ったりするのは不安だと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、フリーランスになって間もなくパパになったスタイリスト・ヘアメイクのNAVEさんに、そのリアルライフをインタビュー。
美容室PATIONN(パティオン)に籍をおくNAVEさんは、フリーランスなので予約やオフのとり方は自分次第。産後は週末を連続してオフにする、退勤時間を早めに切り上げるなどうまくスケジューリングすることで、産後すぐにパパとしての役割を果たすことができました。
お話を伺ったのは…
フリーランススタイリスト・ヘアメイク NAVEさん
所属する南青山の美容室PATIONNでは完全予約制・マンツーマンで施術を行う。モテ・愛されイメージを得意とし、スタイリングやブローなど自宅でも簡単にできるヘアスタイルが好評。「お客様のオーダーになにかひとつプラスして、感動していただけるように真心こめて施術いたします!」 CLASSY、美ST、andGIRLなど数々の雑誌でも人気ヘアメイクとして活躍中。現在41才・2才男児のパパ
占いがきっかけでフリーランスに!?
――パパになられたのはいつですか?
息子が生まれたのが2019年3月なので、2年前です。
――いちばんかわいいときですね! NAVEさんは、そのときすでにフリーランスだったのですか?
そうです。子どもが生まれる少し前から、PATIONNという美容室にフリーランスとして所属しています。「担当させていただいている顧客の方をお連れしたいので、場所を貸してもらえませんか」とオーナーに話をさせていただきました。
――その前は、他のサロンに勤務されていたのですか?
前のサロンには、社員として10年以上勤務、5年ほど店長も勤めました。管理職は、お客様と接する以外にもさまざまな業務があります。それはそれで好きだったのですが、管理職故の長時間勤務をどうにかできないかなという思いが強くなってきたんです。他の業種と違って、部署異動をすることもできないし、役職を降りてそのサロンに居続けるのも難しかったので、退職してフリーランスになる道を選びました。
――そういった経緯があるのですね。
フリーランスになるきっかけにもうひとつ、占いがあったかもしれません。フォーチュン占いのイヴルルド遙華さんという方がいらっしゃるのですが、その方のヘアを担当させていただいたときに、「40代になっても20~30代の働き方を続けていたら、2年後にガンで亡くなる」と言われたんです。そのときにメイクをしていたのが妻だったのですが、「それは困る」と…。
――確かに。奥様はとても困りますね。
僕は、スタイリストになったのが27才とちょっと遅めだったんです。20代半ばから30代半ばまでは、早朝から撮影に入り、撮影が終わればサロンに戻って、サロン終了まで働くのが当たり前でした。サロンが休みの日に撮影が入るのも当然のこと。ひと月のトータルの休みが半日だけのときもありました。スタイリストになってからの10年間は、サロンでの役職が上がると同時に、自身のスキルアップと本当に忙しくしていました。
――アイドルの全盛期みたいですね。
当時は、それが楽しくて仕方なかったんです。もちろん、それが報酬にも反映されていましたから、それはそれでいいと思っていました。
――そんなときに、イヴルルド遙華さんの言葉が響いたのですね?
そのときは、妻と「それは大変だ。どうにかしないと」と焦りましたが、仕事に追われて一旦は忘れてしまいました。で、子どもができる少し前に会社を辞めることになったのが、ちょうどその「2年後」だったんです。そのときに「そういえば」と思い出したんですよね。
フリーランスになって帰宅時間が断然早くなった
――フリーランスになって、時間の使い方は変わりましたか?
会社員時代は、休憩込みで9時間は働いていましたが、いまは短いときで6時間。かなりコンパクトになりました。サロンの営業時間は平日12~22時なのですが、僕は12時前から予約をお受けしています。
コロナ禍以降は、リモートワークの方が増えて、平日夕方以降の仕事帰りのお客様が一気に減っているんです。これをポジティブに捉えて、早めに帰宅し、子どもをお風呂に入れたり、家事をしたりしています。夕方5時の保育園のお迎えも間に合えば僕が行くようにしています。
サロンの管理職のときのように、スタッフの練習を見るとか、シフトを作るなどの業務がない分、断然帰りが早くなりました。
お腹の子に届いた「月火に生まれてきてね」
――出産時はすでにフリーランスだったのですよね?
そうです。産休・育休が特別に設けられている状態ではないので、自分でコントロールできました。出産予定日に近いご予約のお客様には、もし出産と重なった場合にはご変更いただくかもしれないということを事前にお伝えして、ご理解いただくことができました。
――出産に立ち会われたのですか?
なかなか経験できることではないので、立ち会いました。出産予定日が日曜だったので、その日の夕方に仕事を終わらせて電車に飛び乗り、妻の里帰り先の長野に向かいました。実際に生まれたのは、予定よりも丸一日延びて月曜の深夜だったので、無事に出産に立ち会うことができました。
――パパ待ちしてくれたんですね。
ママさんのお客様に、「お腹にいるときから生まれてきてほしい日を伝えておくといいよ」と聞いていたので、「月火に生まれてきてね」と妻のお腹に呼びかけていました。できればサロンの忙しい土日は避けてもらって、サロンが定休日になる月火がいいなと。祈りが通じて、月曜から火曜になる深夜に生まれてきてくれました。出産を見届けた後は、一旦東京に戻り、火曜の撮影を終わらせて、また長野に戻りました。
――長期のお休みはとらなかったのですか?
産後1ヶ月半くらい、妻が里帰りしていたんです。だから、僕は木金土日は東京で仕事をして、日曜の仕事が終わり次第長野に向かい、月火水を妻と子どもと過ごすという生活をしていました。妻の家族がサポートしてくれたので、僕が長野に行ってもあまりできることはなかったのですが。でも、子どもがNICUに入っていたので、妻より4日くらい退院が遅かったんですね。そのときに、搾乳して冷凍したものを病院へ届けることはしていました。
――そういうオフのとりかたができるのもフリーランスならではですね。
そうですね。産休や育休制度はありませんが、今回みたいに週の半分休みを1ヶ月半続けるとか、時間の融通をきかせられるのはフリーランスならではかもしれませんね。
NAVEパパがフリーランス故のメリットは
フリーランスになって間もなくパパになったNAVEさん。フリーランスになったことで得たメリットは以下の3つでした。
1.育休を自由にコントロールできた
2.働く時間がコンパクトになり、家事育児に時間を使える
3.子どもと接する時間を確保できる
後編では、NAVEさんが共働きママとうまく家事・育児を行うコツを伺います。
▽後編はこちら▽
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撮影/古谷利幸(FREX-ON)
取材・文/永瀬紀子