【子育て応援メソッド】家事・育児はお互いが得意なことをやればいい スタイリスト・ヘアメイク NAVEさん #2
美容室PATIONN所属のフリーランススタイリスト・ヘアメイクNAVEさん。前編では、フリーランスならではの育休取得の方法や、どのようなスケジュールで仕事と家事・育児をされているのかをお伺いしました。後編では、家事・育児の実態について詳しくインタビュー。
家事や育児は、お互いが得意なことをやるようにしているというNAVEさん。掃除は NAVEさんが、お料理は奥様がすることが多いそうですが、ときには奥様に楽してもらうようにテイクアウトを用意するそうです。楽しく育児ができるようにどんな工夫をされているのか教えていただきました。
お話を伺ったのは…
フリーランススタイリスト・ヘアメイク NAVEさん
所属する南青山の美容室PATIONNでは完全予約制・マンツーマンで施術を行う。モテ・愛されイメージを得意とし、スタイリングやブローなど自宅でも簡単にできるヘアスタイルが好評。「お客様のオーダーになにかひとつプラスして、感動していただけるように真心こめて施術いたします!」 CLASSY、美ST、andGIRLなど数々の雑誌でも人気ヘアメイクとして活躍中。現在41才・2才男児のパパ
家事はお互いが得意なことをやればいい
――家事・育児はかなり協力していらっしゃいますか?
いまどきは、これくらいやるのがスタンダードかなという程度だと思います。実は、このお話をいただいたときに、妻に「取材を受けてもいいと思う?」と聞いてみたんです。そしたら、「家事もやってくれているし、いいんじゃないの?」と言ってもらえました。
――具体的には、どんな家事・育児をされていますか?
とくに、この家事は誰がやると決めていないのですが、わりと水回りの掃除とかは僕が多いです。実家暮らしのときから、自分の部屋の掃除も、母にやってもらうという感覚はなかったし、18才で専門学校に入学するときに上京して、ひとり暮らしがとても長かったので、たぶんできない家事はないと思います。うちは結婚するときに共働き前提だったので、最初から家事をやっておかないと、自分が大変じゃないですか。だから、結婚当初から家事はしていましたね。
――もともと家事はお得意なんですね。
職業柄、とくに掃除は体にしみついているんだと思います。僕らの仕事は、出勤して30~40分は必ず掃除をします。営業中も、次のお客様に気持ちよくご使用いただくためのルーティンができあがっています。それを20年以上やってきたので、掃除は得意ですね。家庭では、〇〇はママがやるべき、△△はパパがやるべきと決めてしまわずに、お互いが得意な家事をやればいいと思っているんです。
――お料理は奥様がおもにされるのですか?
はい。保育園のお迎えからの流れで、妻が夕飯までを担当してくれています。妻は料理が大好きなんです。結婚してからは風邪もひかなくなって、大きく体調を崩したことは一度もないですね。たぶん妻の料理が家族の健康を作ってくれているんでしょう。それはすごくありがたいです。やっぱり美容師は、体が資本ですから。
――食事って大事ですよね。
僕がお休みの日や早く帰れる日は、テイクアウトを利用することもあります。たまには気分転換しないと楽しくないですし、妻にもちょっと楽してほしいという気持ちもあるので。
――そういうパパの心遣いで、ママの気持ちにだいぶゆとりが出ますよね。
そうだといいなと思っています。妻も僕のサポートを実感してくれていて、「早く帰ってきてくれると嬉しい」と言っています。
――奥様はご同業ですか?
はい。美容師で、前のサロンの同僚です。いまは時短で週3日、ヘッドスパサロンに勤務しています。
コロナ禍以降は、帰ったら家族でお風呂が習慣に
――コロナ禍での育児は大変ですか?
息子は、まだときどき指しゃぶりをする年齢なので、気を遣うことはいっぱいあります。家に帰ってからの手洗いうがいは基本中の基本で、外出時はアルコールスプレーやウェットティッシュは必ず持ち歩くようにしています。
息子は、生後半年のときに川崎病にかかりました。退院後も、血栓防止の薬を飲まなくてはいけなくて、インフルエンザにかかるとその薬を飲めなくなるので、冬場も感染症には気をつけていました。だから、コロナ前から対策はしているほうかなと思います。
――感染症対策が身についていたのですね。
あと、帰宅後すぐにお風呂に入るようになりました。夕飯が早すぎると、息子が朝早く起きてしまうこともあり、帰ったら家族みんなでお風呂に入って、それから夕飯にしています。
第一波のときは感染対策もめちゃくちゃ気にしていましたが、だんだん必要なこととそうでないことが分かってきました。
うちはケンカもするし、よく笑う
――育児でママと意見が合わないこととかありますか?
僕は、子どもに物を与えがちかもしれないなと最近思いました。息子は、ガチャガチャが大好きなんです。自分も小さい頃好きだったので、ついついやり過ぎてしまうんですよね。トーマスシリーズが全7種あると、自分がコンプリートしたくなってしまって。ふと気づくと、子どもじゃなくて僕が喜んでいる。1回300円×10回やると3000円。他のおもちゃが買えちゃいますよね。
妻と「3000円あったらなにができる?」という話になり、妻は「おいしいものが食べられる」と。僕は、毎日ペットボトルを買うのをやめれば、1ヶ月で3000円貯まる。その分、ガチャガチャに費やすのは悪くないなと思ってしまったんです。妻はガチャガチャ自体がむだ遣いだと言って。そこに見解の違いがありました。でも正直、男女差ってありますよね…。
――分かります。ガチャガチャ自体がむだ遣いというママの意見。それで、結論はどうなったんですか?
僕も、自分が夢中になってしまうのはいかがなものかと思ったので、予算を決めてやることにしました。そんなふうに小さいもめごとはしょっちゅうありますが、うちはケンカもするし、よく笑う。その都度、話し合って、折り合いをつけていけばいいのかなと思っています。
――パパになって嬉しかったことは?
子どもが、妻ではなく僕を起こしがちなんですよ。朝早く起きるのってシンドイですけど、そういうときは起きちゃいますね。たぶん嬉しいんでしょうね(笑)。
――では、パパになって大変なことは?
もうちょっと時間が欲しいなと思います。いろいろやってあげたいこと、やりたいことがあるので。
――時間があったら何をされたいですか?
まずやらなきゃいけないことは、経理作業です。会社員のときと違って、フリーランスは自分でやらなきゃいけないんですよね。でも、子どもが横にいると数字と向き合うのは難しいです。子どもが寝た9時以降にやるのですが、晩酌もしているので眠さとの戦いになってきます。「じゃあもっと朝早く起きたらいいんじゃない?」と自問自答する30日間の繰り返しですね(笑)
――パパになってから美容師でよかったと思うことは?
息子の髪を家でしょっちゅう切っています。全体を切るのではなく、お風呂場でちょっとしたメンテナンスをします。一般の家庭では、「今週末、美容院に連れて行くから上の子みてて」という調整が必要ですよね。それをしなくてすむのは楽ですね。月に一回は切っているかもしれないです。
――2才で月イチカットは、かなりマメですね。お子さんはパパに切ってもらえて嬉しそうですか?
じっとしているのが大変そうで、ユーチューブを見せながらカットしています。サロンでお子さんをカットするときもそうですが、いかに早く切るかですよね。
最近は、自分の髪も妻に切ってもらっています。
僕:「今日切ってもらえる?」
妻:「え~っ」ってすごく嫌がられるんですけどね(笑)
妻:「今日はオーダーなんでしたっけ? サマーカットですか?」
短くしとけば長持ちするだろうって、けっこう雑な扱いですよね。僕は帽子を被っていることが多いし、あまり自分の髪形にこだわりがないのでいいんですけど…。
NAVEパパが共働きママと家事・育児をうまく行うコツは
NAVEさんが同じ美容師で共働きの奥様と、家事・育児をスムーズに行うコツは以下の3つでした。
1.家事・育児はお互いが得意なことをやる
2.ときにはママが楽できるような心配りをする
3.ケンカもするし、よく笑う
フリーランスになってすぐにパパになったNAVEさん。働く時間がコンパクトになり、その分家事育児に使える時間が増えました。パパ・ママお互いが得意なことをやる夫婦のスタイルで、家事や育児そのものを楽しんでいらっしゃいます。フリーランスに興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
▽前編はこちら▽
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撮影/古谷利幸(FREX-ON)
取材・文/永瀬紀子