危機を救った「メンタルに不安があっても通えるマツエク」とは?【salon de beaute Jolieオーナー Mihoさん】#1

美容業界で働く上で「独立」という目標を持つ人は多いはず。そんな方に向けて、独立して成功した先輩オーナーの経験談をお届けする本企画。

今回お話を伺ったのは、マツエクサロン「salon de beaute Jolie」オーナーのMihoさん。「メンタルに不安を抱える人でも安心して通えるサロン」として多くのお客様に支持され、オープンから5年目を迎えました。

前編では、アイリストとしての勤務経験がほとんどない状態から独立し、どのようにお客様の信頼を得ていったのかお聞きしました。

お話をうかがったのは・・・

salon de beaute Jolieオーナー
Mihoさん

さまざまな企業での勤務を経てアイリストに。
2018年、東京・自由が丘に「salon de beaute Jolie」を開店

お客様とのコミュニケーションを大切にしたいから独立を選択

──独立前はどのようなお仕事をしていたのですか?

美容室のレセプションや、美容系企業の社長秘書をしていました。どの会社でも店長や社長から美容の知識や経理、マーケティングなど、サロン経営に必要なことを多岐にわたり教えてもらう機会に恵まれて、今思えば貴重な経験ができました。

もともと美容師免許を持っていたので、いずれ資格を生かした仕事に就きたいという思いはずっと抱いていましたね。

──それでアイリストを目指したのですね?

はい。マツエクをつけることで、お客様の悩みを解決するお手伝いができたらいいなと思い、アイリストを目指すことにました。

──はじめから自分のサロンを開こうと考えていたのですか?

いいえ、当初は大手サロンで働くつもりでした。でも、実習をした時に想像以上にシステマチックな現実を目の当たりにして、私が目指すアイリスト像とは違うなと感じたんです。

私の理想は、一人一人のお客様の悩みや思いにしっかり向き合い、長いお付き合いができるアイリスト。そのためには、お客様とのていねいなコミュニケーションが欠かせないと思ったのです

──いきなりの独立で不安はありませんでしたか?

周囲に個人事業主として仕事をしている人が多く、いろいろなアドバイスをもらったり、独立に向いているよと励ましてもらったりしたので、不安はありませんでしたね。周囲の後押しがなかったら、リスクばかり気になって独立できなかったかもしれません。

会社員時代は安定志向で独立するとは少しも考えていなかったそう

お客様の選択肢を増やしたいから既存のメニュー設定にはこだわらない

──デザインは「ナチュラルなマツエク」をコンセプトにしているそうですが、どんな思いが込められているのですか?

長すぎない、黒すぎない、重すぎない、お客様ご自身を生かしたデザインにこだわっています。

マツエクサロンの多くは、施術する本数でメニュー設定しているお店が多いですよね? それだと決められた本数の中でしかデザインできないので、うちはあえて本数は設定せず、ボリュームに合わせて3つのコースを用意しています。

カラーマツエクもお客様それぞれの肌色や髪色に合わせて選べるよう、何十種類ものカラーを揃えていて、この部分だけに数本だけ色を入れてみたいなど、細かいオーダーもお受けできるようにしています

──選択肢が多いとより自分の個性や気分にマッチしたマツエクができますね。

それが狙いです。うちのお客様は若い方だけでなく40~50代の方も多いのですが、例えばおとな世代の肌をより美しく見せるネイビーやカーキをご提案すると、みなさんとても喜んでくれますね。

1本のブログ記事がきっかけで人気店に成長

──独立してから特に苦労したことは何ですか?

独立してから数カ月間、お客様がほとんどいなかったことです(苦笑)。はじめはここにサロンがあることはもちろん、誰も私を知らないし、当たり前なんですけどね。

そこで、なぜお客様が来ないかひたすら考えて、一番の問題は「ナチュラルなエクステ」というコンセプトだけでは他店と差別化しずらいことに気づいたんです。

そこで、私自身がHSP気質であることから、ブログに「パニック症候群の方でも安心して来店できる工夫をしています」と書いてみたんです。そうしたら反響が大きくて! メンタルに不安をお持ちの方が、ブログを読んで来店してくださるようになったんです。

※Highly Sensitive Personの略。感受性が強く環境の影響を受けやすい気質

──たしかに他店にはあまりない特長ですね。具体的にはどのような工夫をしているのですか?

光が苦手な方は照明を暗くしたり、長時間目を閉じるのが苦手な方は途中で休憩を挟んだり両目を閉じるのが苦手な方には片目ずつテープを貼りますし、音楽もお客様ごとにジャンルを変えて、音量も調節しています。

とはいえ、メンタルのことは自分からは話しにくいですよね。だから、独自のカウンセリングシートにご記入いただいた内容を読めば、お客様がどんな不安や悩みをお持ちか分かるようにしています。このカウンセリングシートもはじめはごく一般的な内容だったのですが、お客様の様子を見ながら何度も作り直して今に至ります。

一度はハマると「とことん追求するタイプ」というMihoさん。
ブログやインスタグラムに投稿する画像も
本格的な機材を購入して撮影しています

お客様が自信を取り戻すきっかけになれることが喜び

──施術を受けたお客様の反応はいかがですか?

皆さん本当にものすごく喜んでくれます。マツエクを諦めていた方もうちでマツエクができたことで自信がついて、「今度は美容院に行ってみよう」「次は洋服を買いに行ってみよう」って、行動範囲が広がっていく方が多いですね。なかには悩みを克服して仕事に復帰された方もいるんですよ。

何か1つきれいになると、心がどんどん前向きになっていくのは、まさに美容のチカラ。お客様が人生を切り開いていくきっかけになれることは、この仕事をしていて一番の喜びです。

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アイリストとしての職務経験は少なくても、試行錯誤しながら着実にお客様を増やしていったMihoさん。その過程で気づいた、お店を運営するうえでのポイントについて教えていただきました。

ゼロからお店をはじめるうえで大切なこと

1. 独立前のあらゆる経験が糧になる

2. 個人経営だからこそきめ細かい接客が重要

3. 他店と差別化できる強みを見つける

後編では、コロナ禍による休業期間を活用してはじめた、新しい取り組みについてお聞きします。

取材・文/池田 泉
撮影/柴田大地(fort)

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Salon Data

salon de beaute Jolie

住所:東京都目黒区自由が丘1-25-9 自由が丘テラスB1
お問い合わせLINEID:@zoj2580x

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