「無人営業」脱毛サロンのエステティシャンの働き方とは/CLEVY 千葉美優さん #2
新型コロナウイルスの流行を経て、これまでと同じ働き方が難しくなってきた美容業界。そんなwithコロナ時代を生き抜くために、他のサロンはどんな取り組みを行っているのか、そのプラス効果は?
完全無人営業のセルフ脱毛サロンとして、コロナ禍の2021年3月にオープンした『CLEVY』。従来の脱毛サロンの課題を解決しながら、withコロナでの需要を取り入れた営業スタイルを模索しています。
そこで店長として働くエステティシャン千葉さんにインタビュー。後編となる今回は、千葉さんの働き方にフォーカス。無人営業をベースに、オプションとして施術を行うというエステティシャンの新しい働き方について、詳しく教えていただきます。
お話を伺ったのは…
CLEVY エステティシャン
千葉美優さん
大手エステサロンに10年勤務後、株式会社feileBに入社し、セルフ脱毛&フォトフェイシャルサロン『CLEVY』立ち上げに参加。前サロンではお客様の施術はもちろん、教育係としても活動。丁寧なカウンセリングをベースに、脱毛からフェイシャルまで幅広いお悩みに対応する。
サロンの安全面を支えるのがエステティシャンの仕事
―千葉さんは店長兼エステティシャンとして『CLEVY』で働かれています。参加された経緯を教えてください。
『CLEVY』は起案段階ではセルフ脱毛1本でやっていく前提でしたが、オープン前にテスト運用をした際、やはりエステサロン経験者がいないと難しいということになったんです。
ニーズとしてプロに施術して欲しいという声もあるし、初回カウンセリングや施術の説明をするには経験者がいたほうがいいと。それで経験者を採用することになり、私が2月に入社しました。
―セルフ脱毛と聞いて、印象はいかがでしたか?
それまで一般的なサロンで働いていたので、「セルフ&無人ってどうなんだろう?」とは思いました。これまでと全然違うのかなと、少し不安な気持ちもありましたね。
でも実際に働いてみると、それまでの経験がすごく役立ちました。前職では教育係もしていたのですが、新人研修での経験がお客様に施術の仕方を伝える時の参考になったり。セルフ脱毛は初めてでも、手の届く範囲は問題なく上手に施術できるようになったりするんですよ。お客様も喜んでくださるので、私も一緒に楽しんでいます。
予約状況に合わせた働き方でフレキシブルに対応
―現在はどんな働き方をされていますか?
基本は施術と予約管理、集客面にも携わっています。集客は以前の職場では携わっていなかったので、どんなメニューならご来店いただけるかなと考えたりするのは、すごく新鮮な体験です。
働き方としては、ご予約状況に合わせて出社する場所が変わったりするので、少し複雑かもしれません。ご予約のない時は自宅でのリモート作業か会社に出社。施術のご予約がある時はサロンでお客様をお待ちします。セルフ脱毛のご予約が入った場合は会社に移動して、終了時間にサロンに来て清掃をする感じですね。
新規のお客様の場合は必ずエステティシャンが立ち会うのですが、まだスタートしたばかりで私しかいないので、現状は休日や夜間の新規の方は受け付けないようにしています。
―お客様の対応で気をつけていることは?
機械が業務用のしっかりしたものなので、安全第一で使っていただきたいんですよね。だから当ててはいけないところなどの注意事項の説明は、しっかりお伝えするようにしています。最終的にはセルフ脱毛につなげていきたいので、そこは一番大切にしているところです。
あとは施術者側でないと気づかないような施術のコツというのも、細かくお伝えするようにしています。照射の当て方や当て漏れが起きやすい場所などは、施術を受けている側だと気にしないところですよね。その点をマンツーマンでしっかりお伝えできるのは、個人的にすごく嬉しい点でもあります。
定額制の完全無人サロンはエステティシャンにもおすすめ!
―エステティシャンとして『CLEVY』に感じるメリットはありますか?
定額制で通い放題なので、不要な全身脱毛のおすすめなど無理な営業をしないでいいのは、エステティシャン側からしてもいいところだと思います。その方に合わせて本当におすすめの箇所を、コース内で提案できるんですよね。
脱毛サロンあるあるなんですが、全身コースが終了して気になるところだけ施術しようとすると部位ごとの契約になって、すごく高額になったりするんですよね。『CLEVY』なら定額内や安価なコースで好きな部位だけ選んで回数も決めなくていいんです。そこはすごく提案のしやすさにつながっています。
また完全無人という点は、エステティシャン側にとっても感染対策としてメリットだと思います。通常のサロンならエステティシャンが10人以上いてお客様もどんどん入ってきます。『CLEVY』は空間がひとつで、同時に一緒にいる人数も限られますから、私自身も安心かなと感じますね。
新しいサロン形態を模索し、エステティシャンの背中を押す存在へ
―今後の展望を教えてください。
この1号店はテスト店舗だと思っているので、ここで知見を貯めて、直営店を増やしていきたいです。まずは都内近郊主要エリアで展開しつつ、地方ニーズも高いと思うので広めていけたら。ある程度、直営店のオファーがたまったらフランチャイズも展開していきたいですね。
この形態であれば1オーナー1店長というかたちでやっていけるので、エステティシャン経験者で経営を自分でしていきたいという方の後押しもできるのではないかと思っています。エステティシャンは女性が多いので、ライフステージの変化でエステを離れてしまう方も多いですから。
新しいサロン形態で、お客様にとって本当に価値のあるサービスを提供する。そんなクリーンな脱毛サロンを広めていけたらと思っています。
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無人営業型のセルフ脱毛&フォトフェイシャルサロン『CLEVY』は、エステティシャンにとってもメリットが大きいと言う千葉さん。まだまだ続きそうなコロナ禍での需要が見込まれる無人営業サロンは、エステティシャンの働き方を広げる一手にもなり得るのではないでしょうか。今後の『CLEVY』の展開に注目です!
取材・文:山本二季
撮影:米玉利朋子(G.P.FLAG)