多様性を取り入れたレッスンを展開しメディアに引っ張りだこ！ヨガインストラクター・京乃ともみさん
企業やトップアスリートへヨガを提供するインストラクターとして大活躍中の、京乃ともみさん。前編では仕事に取り組む姿勢についてお話を伺いました。「仕事は一回一回がオーディション」と話す京乃さん。スポーツ選手にヨガレッスンを提供する際はかならずその競技を繰り返し観戦することで、相手のニーズに合わせたレッスンを組み立てるといいます。相手が求めるものを提供できて初めて、次の仕事につながっていくと考えているそうです。
今回お話を伺ったのは…
京乃ともみさん
19歳のときにLAでヨガに出会い、24歳で渡印、アシュラムで生活しながらヨガ漬けの日々を過ごす。その後もボランティアを続けながら、メキシコ、ノルウェー、サンディエゴなど色々な国でトレーニングを受ける。今も学ぶことを絶やさず、指導者としてもクラスや企業セミナー、福祉の健康増進事業を通し、その人にあった健康を、様々な角度から提案し続けている。著書に「働くみんなの１分すぐ楽ヨガ いつでもどこでも瞬間リフレッシュ！（学研プラス）」、「心と体が軽くなる SNOOPYといっしょにヨガ（学研プラス）」（監修）がある。
依頼を受けたスポーツ選手の競技は何度も観戦し、ニーズを把握！
世界各地を周っていたころの京乃さん。各地でさまざまな人や文化に触れ、多様性について考えるきっかけになったという
──ヨガインストラクターとして大活躍の京乃さんですが、大切にしていることはどんなことでしょうか？
自分が伝えたいものではなく、その人にあったものを提供するということを一番大切にしています。私は企業やスポーツ選手・チームのヨガを担当することが多いのですが、それぞれのニーズはまったく違います。なので私がレッスン中に何より心がけているのは、「多様性」です。若いころから海外をたくさん周り、自分の常識がかならずしも正しいわけではないということを何度も体験してきたので、多様性という考えが自分の中心にはつねにありますね。
──それぞれニーズが異なるということですが、どのようにしてそれを把握していますか？
相手のことを徹底的に調べるようにしていて、スポーツ選手ならば、かならずその競技を何度も見るようにしています。これまで、サッカー、ラグビー、バトミントン、柔道などさまざまな選手を担当してきましたが、たとえばラグビー選手を担当していたときは、事前に試合観戦をすることでポジションによって求められる柔軟性が違うんだと気付きました。
私が元々芸能の仕事をしていたこともありますが、仕事は1回1回がオーディションだと思っています。その仕事で成果を出せなければ次はないわけですから。仕事にはつねに緊張感があり、慣れることはないです。
1回でも効果が実感できるメニューを提供し、初めてでも楽しめるヨガを
ヨガを純粋に楽しむ京乃さんのレッスンは人気も高い
──企業ヨガをたくさん担当するようになったのはどんなきっかけでしょうか？
元々はあるスポーツブランドのアンバサダーをしていたことがきっかけです。まだその企業がヨガウェアを展開しているということがあまり知られていなかったので、テナントが入っていたビルの企業さんをまわって体験レッスンをしたり、クーポンをお配りしたりしていました。
そこでひとつ心がけていたことがあります。名刺交換をした日にかならずお礼のメールを書き、そこに「ヨガを使った健康増進に興味がある企業の人事や保健師の方がいたら、ぜひご紹介ください」と一言そえるようにしていたんです。基本的なことかもしれませんが、こういった小さな、当たり前のことを積み重ねる以外にお仕事を広げる道はないのかなと思います。私はホームページにメールアドレスを公開していないのですが、おかげさまでたくさんの方にご紹介いただくことで仕事が広がっていきました。
──なるほど。企業ヨガで心がけていることはありますか？
これも多様性の話になるのですが、ヨガに初めて触れる方も多いですし、本人がすごく望んでその場にいるわけではないということもあるので、ヨガが大好きでやっている人、毎日やっている人の常識を押し付けないよう気を付けていますね。たとえばヨガをやっている人にとっては毎日ヨガをやるのが当たり前ですが、それを企業で働く人に求めても、そんな時間はないというのが本音だと思うんです。なのでちょっとずつ効果が出るものではなくて、その場で効果が出るものを中心にやっています。
たとえば一度前屈をしてもらってから、柔軟性を高めるポーズをはさんで、また前屈をしてもらうと効果がすぐにわかるんです。このようにビフォーアフターがすぐにわかって、効果が実感できることをやると、初めてやる方も楽しめますよね。このときの経験が「働くみんなの１分すぐ楽ヨガ いつでもどこでも瞬間リフレッシュ！」という本をだすきっかけのひとつにもなりました。これはオフィスや家事の合間に1分でできるヨガをご紹介する書籍なんです。
自分から動きつつ、周りにも宣言することで、夢を実現！
京乃さんの出版記念セミナーにて。その人柄を慕い、多くの人が駆けつけた
──自分で企画を考えることで、出版につながったんですか？
そうですね。4つほど企画を考えて、直接出版社に持ち込みました。そのなかで選ばれたのが、「働くみんなの１分すぐ楽ヨガ」の企画だったんです。私自身も本が好きだということもあり、こういうインタビューのときもかならず「いつか本を出したい」と答えるくらいかなえたい夢だったので、出版できたときはとてもうれしかったですね。
今回の本は自分で動きましたが、先ほどの、メールに紹介してほしい旨を書くことなども含め、やりたいことがあったら周りに宣言することが大事なのかなと思います。そうすることでいつ声をかけられてもいいように準備ができますし、周りからそのご縁をもらうこともありますので。
──テレビやラジオにもたくさん出られていますが、どのようにしてそのきっかけを作っていったんですか？
これも本から広がっていくご縁が多かったです。本を出していると、その内容でメディアから出演依頼の声がかかることがよくあって。コロナ禍で健康への意識が高まったので、1分でできるヨガということで注目いただき、メディアに呼んでいただく機会も増えました
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京乃さんが考える、仕事を広げていくための3つのポイント
京乃さんが考える、仕事を広げていくためのポイントは以下の３つでした。
1.担当する選手のスポーツはすべて観戦するなど、相手のニーズを知り、求められるものを提供する
2.仕事は一回一回、オーディションだと思って緊張感を持ってやりとげる
3.実現したいことがあったら自分でも動きつつ、周りにも宣言する
後編では、京乃さんがどのようにしてヨガインストラクターになったのか、その転機について伺います。今はとても明るくはつらつとした印象の京乃さんですが、過去にはストレスをためこみ、メンタルに不調をきたしたこともあったそう。そんなときに出会い、京乃さんを救ってくれたのがヨガだったといいます。後編もお楽しみに！
