体を動かすことの気持ちよさを、ヨガを知らない人に伝えていきたい【ファッションスタイリスト・ヨガセラピスト 塚田綾子さん】#2

数々の人気雑誌で活躍し、業界でも有名なファッションスタイリストの塚田綾子さん。それまでも習い事としてヨガを続けていたそうですが、コロナ後に一念発起し、ヨガインストラクターの資格RYT200を取得。現在は、本業のスタイリスト業のかたわら、友人たちとポップアップを開きそこでヨガを教えたり、公園でヨガボランティアをするなど、ヨガを広める活動を行っています。

後編では、ファッションスタイリストとヨガセラピストの二足の草鞋を履くことで得られるメリットや、予想もしていなかった相乗効果についてうかがいます。

お話を伺ったのは…

ファッションスタイリスト・ヨガセラピスト 塚田綾子さん

長野県出身。高校卒業後に上京し、短大の服飾科でデザインを学ぶ。卒業後、憧れだったスタイリストのアシスタントとなる。アシスタントとして2年働いた頃、「社会をもっと見てみたい」とアパレルブランドの販売・PRとして1年働く。再び同じスタイリストのアシスタントに復帰し、その後独立。ファッション誌をメインに、広告やタレントのスタイリストとして約20年活躍。2023年にヨガインストラクターの資格を取得し、2024年よりフリーランスのヨガセラピストとしての活動も行っている。

朝6時からのオンライン講座のおかげで早寝早起き生活に

――スタイリストとして忙しく働きながら、育児もこなしていた塚田さん。ヨガ講師の資格を取るにあたり、対面ではなくオンラインの講座を選びました。

はい。本業の仕事もあるので対面は難しいなと思っている時に、オンライン講座の存在を知りました。「これなら私にもできるかも!」と思い、一念発起して申し込みました。

私が取っていたオンライン講座は、毎朝6時に始まるもの。仕事をしている人でも受けられるように、先生がそういた時間設定にしてくれていました。
私も6時はまだ子供が寝ている時間なので、邪魔されることなく集中して受講することができました。

――とはいえ、朝6時からの勉強はなかなか辛そうですが(笑)

最初は朝起きるのが大変でした(笑)。私ももともとすごく夜型だったんです。育児をしていると、自分の自由時間って子供が寝たあとしかないじゃないですか。子供を寝かしつけてから、おやつを食べながら配信のドラマを見るのが、至福の時間でした。

でも6時スタートの講座を申し込んだので、何が何でも起きようと決めました。最初はすごく辛かったのですが、次第に慣れてきて、今も朝型生活を続けたくレッスンを受けています。

――資格はすんなり取得できましたか?

本業の撮影が朝早くからある日は授業に出られないので、そんな時は録画を見たり、工夫しながらなんとか3ヶ月で資格を取得することはできました。

でもたった3ヶ月では満足できませんでした。「まだまだ学び足りないな」と思い、さらに資格取得者対象の「継続コース」を受講。納得いくまで指導を受けました。継続コースがあったことは、先生にとても感謝しています。

ヨガ講師の資格を取得したことで、本業にもいい影響が表れるように

――晴れてヨガインストラクターの資格を取得したわけですが、何か生活は変わりましたか?

もともと、自分の学びを深めるためにとった資格だったので、すぐに人に教えるという流れになりませんでしたが、日常生活や本業のスタイリストの仕事にいい変化が表れましたね。

物事をよりシンプルに考えられるようになったことで、コーディネートを組む時の決断が早くなったり、苦手な事務作業も少し思考をチェンジして楽しむ方にシフトしたことで、案外好きかもと思えるようになったり。

――長年生きていると「私はこんな人」って、自分で自分を決めてしまいがちですもんね。

そうなんです。そうなれたのは、日々の考えや感情を思いのままにノートに書いていく、ジャーナリングのおかげもあると思います。ジャーナリングをすることで、やらなくてはいけないことの優先順位がクリアになったり、思考をリセットすることだったり、そういう技術が身に付きます。自分がこれまで持っていた固定観念や考え方がガラリと変わり、日常の景色の見え方も変わったような気がしました。

本業の空いた時間にヨガイベントなどをしています

友人たちと行ったポップアップイベントの様子

――自分のためにとった資格だったのが、人に教えようとなったのはどうしてですか?

得た知識をアウトプットしたくなったんですよね。アウトプットすることでさらに自分のヨガも成長できるのではないかという思いもありました。

資格取得中の段階では「私が人に教えるなんて無理無理!」と思っていたんですが、ママ友に協力してもらってティーチングの練習などをしていると、次第に「あ、意外とできるかもしれない」と思うようになってきました。

それはこれまで時間をかけて学んできたことで、少しずつ自分に自信がついてきたことだったり、親身に教えてくださった先生のおかげでもあります。

それと、スタイリストとしてインスタライブをするなど、人前に出る経験が多くあったので、複数の人の前で何かをするということ自体は、そんなにハードルを感じていなかった、ということもあると思います。

――現在は、具体的にどんな活動をしていますか?

本業のスタイリストの仕事が不定期なので、現段階ではスタジオでのレギュラークラスを持つことはできませんが、会議室を借りて、できる時にレッスンを開催しています。来てくれる人は、ママ友だったり仕事での知り合いだったり、クチコミで集めているという感じです。

友人同士でポップアップストアを開いて、そこでヨガを教えたりもしています。先日のポップアップでは、一人は漢方、一人は耳ツボ、私はヨガ、というふうに得意なことを持つもの同士でスペースを借りて行いました。

すごく楽しかったしあらたな出会いもたくさんあったので、これからもそういったイベントの機会は増やしていきたいと思っています。

あとはご縁があり、月に1回公園でボランティアでヨガをしています。公園に遊びにきているパパ・ママたちに「お子さんが遊んでいる間、体を動かしませんか?」と声をかけて行う、ライブパフォーマンスのような内容です(笑)。

――お話を聞いていると、どれもヨガを知らない人や初心者に向けたもののように感じます。

それはあえてそうしていますね。もちろん私自身がまだまだインストラクター経験が浅いということもありますが、それよりも、一人でも多くの人に「体を動かすきっかけを与えたい」という気持ちが強くあります。

仕事でアパレル業界の人と接していくと、多くの人が「運動不足なんだよね」とか「体を伸ばしたいと思ってはいる」と言うんです。そんな人に、体を動かすことは楽しいことなんだよ、というのを伝えていきたい。ヨガをすることで、生活を変えるきっかけや何かを発見するきっかけにつながればいいなと思っています。

スタイリスト、ヨガ講師、母のバランスが今はちょうどいい

――本業だけでなく育児もあって、時間的のやりくりは大変ではないですか?

大変なこともありますが、スタイリスト兼母親という肩書きに、ヨガインストラクターが加わったことで、むしろバランスが取れてきたように思います。朝子供が起きる前にヨガをすることですっきりした気持ちになれますし、朝からウダウダした気持ちで過ごすことがなくなりました。

あと、育児も仕事も体力が基本じゃないですか。ヨガを始めて体力がついたので、それもとても良かったと思います。

――今後はスタイリストとヨガインストラクターの仕事のバランスを、どうしていこうとか考えていますか?

現在は、さらにヨガを深めたくてRYT300の資格を取得中です。目標やこうなれたらいいなという漠然とした未来像はあるんですが、先のことより今は目の前のことに集中して、全力でやっていきたいですね。。ヨガに関していえば、より多くの人にヨガに関心をもっていただけるような活動を、これからも続けていきたいと思っています。

塚田さんの成功の秘訣

1.やると決めた自分との約束を守る

2.忙しい時ほど日常生活をきちんとする

3. たまには思いっきりリラックスしたり甘やかしたりて自分に優しくする

取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ


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