オンラインヨガサロンの運営でいちばん意識したのは仲間作り 助産師ヨガ講師 SAKIEさん#1
助産師の仕事のリフレッシュとして始めたヨガにハマり、RYT200を取得。本格的にヨガを学ぶうちに出産時や産前産後にもヨガがとてもいいことを知り、これを強みにすることを考えたSAKIEさん。
「ママたちが生き生きと健康でいられる世の中を作りたい」という明確なビジョンのもと、オンラインヨガサロンの運営をスタート。オンラインサロンの運営でいちばん意識したのは、仲間作りだったそう。
SAKIE’S PROFILE
お名前 |
SAKIE |
---|---|
出身地 |
兵庫県姫路市 |
出身学校 |
筑波大学看護学部 |
プライベートの過ごし方 |
ヨガ、散策、キャンプ |
趣味・ハマっていること |
長男の野球の応援 |
仕事道具へのこだわり |
やりがいを持って仕事をすること、自分自身が心身共に健康で魅力的であること。 |
産科外来の待ちスペースでマタニティヨガ

――まずヨガとの出会いについて教えてください。
16年前に助産師として総合病院で働き始めたのですが、夜勤の後にリフレッシュしたくてホットヨガを始めました。ヨガが大好きになって何年も続けているうちに、出産時や産前産後の方にもヨガがとてもいいことを知り、これを強みにできないかなと思ったんです。ヨガをきちんと学ぶために、休みの日を利用してヨガの学校に通うこと2年。全米ヨガアライアンスRYT200を取得しました。
――ヨガの初仕事は?
ちょうど資格を取った頃に、勤務先の産科病棟で妊婦さんを対象にしたマタニティヨガを立ち上げようという声が上がったんです。わたし以外にもヨガと助産師両方できるスタッフが何人かいたので、順番で担当しながら外来の待ちスペースでヨガを教え始めました。
――待ちスペースでマタニティヨガ!?
はい。年間約1000件のお産を扱う大規模な産科だったので、待ちスペースも結構広くてヨガをやるにはちょうどいいスペースだったんです。
――病院以外でもヨガを教えていたのですか。
そうですね。病院には7年勤務したのですが、最後の1年はパートに切り替えて、ヨガの資格を取った学校でマタニティヨガを教えていました。既にインストラクターの資格を持っている方に産科分野のことをレクチャー。引っ越しを機に総合病院から小児科外来に転職した後も、別のヨガスタジオでマタニティヨガのクラスを受け持たせていただきました。
――並行していろいろなことをやられていたのですね。ダブルワークをするためにはやはりパートのほうがやりやすいのでしょうか
わたしが勤務していた病院では、正職員だと滅多なことでは休みの希望を出しにくかったですね。パートに切り替えてからはかなり休みやすくなり、ヨガ講師の仕事を掛け持ちすることができました。わたしの場合、ヨガの世界に飛びこんで看護の世界とはまったく違うものを見ることで、自分のやりたいことやライフスタイルに合わせて働き方をアレンジできることを知りました。それで一気に選択肢が広がりましたね。
ヨガだけでなくマタニティやママならではの不安解消法も伝授

――SAKIEさんのヨガスタイルの特徴を教えてください。
産前産後の方をターゲットにしているので、ヨガの方法を伝えるだけでなく、妊婦検診のときに聞けなかったけど気になっていることなど、マタニティやママならではの不安解消法もお伝えしています。これは助産師としての特権だなと思っています。
――産前産後がターゲットだと、ヨガそのものの動きも違うのでしょうか。
そうですね。妊娠中はうつ伏せになれなかったり、妊娠の週数によってポーズに制限がでてくるので、一般クラスよりも注意すべきことはありますね。
助産師として妊婦検診をやっていた側でもあるので、生徒さんに安心してヨガをしていただくために、個別性を持って対応することは意識しています。事前におひとりおひとりとコミュニケーションをとって妊娠の週数や注意事項をちゃんと把握した上で、クラス中も目をかけたり声をかけたりするようにしています。
――生徒さんはとても心強いですね。1クラス何名くらい?
現在1クラス2~3名が多く、パーソナルの方も重視しています。
――生徒さんの声にはどんなものがありますか。
ヨガでは呼吸がすごく大事になってきますが、呼吸を深くすることでリラックスの度合いが増し、自分を内観できると皆さんおっしゃいますね。
――とくに生活がガラっと変わる産前産後は、そういう時間が大切ですよね。ヨガの先生が助産師なんて安心しかないですね。
ありがとうございます。そう言っていただけるととても嬉しいです。それともうひとつ、参加者同士の交流を意識しています。産前産後はとくにそれを求めている方が多いと思うので。もちろんヨガを教えるし、ひとりひとり個別性を持って関わってはいるのですが、もうひとつ人と人との架け橋になりたいという気持ちがあるんです。
「○○さんと○○さん、お子さんの月齢が近いですね」、「お住まい近いですね」と共通点を見つけて生徒さん同士を繋ぐような会話をするように心がけています。同じ境遇の人と話すだけで癒されるので、癒し合う場所としても使ってほしいなと思っています。
最終ゴールは、幸せを自分で作り出すこと。そういう意味で女性に自立してほしいなと思っています。イントラクターがずっと何かを提供するのではなく、きっかけをお渡しすることで生徒さんが仲間やコミュニティを作り、そこで楽しく育児をしてくれたらいいですね。
オンラインヨガサロンの運営で意識したのは仲間作り

――SAKIEさんはオンラインヨガサロンも運営されています。一から仕組を作るのは大変だったのでは?
いま思えば本当に情熱だけで突っ走ったなと思います。でも最初からひとりでやろうとは思っていなかったので、仲間作りはすごく意識してやりました。
まず、ママたちが生き生きと健康でいられる世の中を作りたいというビジョンは明確にありました。いま海外で4人の男の子を育てているめっちゃパワフルな方がいるんですけど、ママが健康であることへの思いがすごく一致したんですね。2人でなんかやろうよ、じゃあヨガのオンラインサロンを作ろうと。コロナ禍で、ママたちの孤立や健康度の低下が不安な状況下でしたが、それなら一緒に手伝うよと共鳴する方たちがたくさん集まってくれました。
――ビジョンを明確にして、意識的に仲間を作ったのですね。
そうですね。私はインストラクターやるね。じゃあ私はZOOMの入室管理。私は告知のサムネイルとチラシを作るねという感じで、それぞれが得意を生かしてオンラインヨガサロンを作り上げていきました。それがどんどん波及していって、参加したい人が増えて、参加した方が「私も運営側になりたい」と言ってくださり、いま運営メンバーが30人くらいいるんですよ。
――運営メンバーが30人も?
ただ参加するより作るほうが楽しいとワイワイしながらみんなでやっています。
――オンラインのクラスで心がけていることはありますか。
オンラインでも個別性を意識しています。初心者の方やチェックしてほしい人は画面をオンにしていただいて、「このポーズのとり方だと腰に負担がきそうなのでもう少しこうできますか」とお声がけさせていただいています。慣れている方は画面オフでもOKと柔軟性を持たせています。
後編では、ヨガ講師の魅力、助産師×ヨガ講師であることのメリットや4人目妊娠中ママ業とのやりくりなど伺います。
撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子
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助産師ヨガ講師SAKIE
Instagram:@sakie.noza.midwife