目指すのは目元の美容師。アレルギーがあっても安心して通ってもらえる技術とカウンセリング力を磨き続ける 「INFINIC」小野寺みおさん

目の印象をがらりと変えてくれるマツエク。しかしまぶたの近くに薬液をつけて施術するために、アレルギーがある人にとってはまぶたのかゆみや腫れなどトラブルに発展してしまう可能性もあり、なかなかハードルが高いもの。しかしそんな人でも安心して通えるマツエクサロン「INFINIC」を経営しているのが、小野寺みおさんです。

前編ではご自身もアレルギーがあり、マツエクの施術に不安を覚えたり、実際に薬液がしみた経験から考え出した、施術で心がけていることを伺いました。小野寺さんが目指すのは目元の美容師。お客さまの状態、悩みをヒアリングしながら、解決できる方法を提案しているそうです。

今回お話を伺ったのは…
小野寺みおさん

「INFINIC」オーナー兼アイデザイナー/「JUHA JAPON FESTIVAL2019マツエク部門」グランドチャンピオン/全日本まつ毛エクステンション認定講師/Ledilash講師/松風インストラクター

岩手県一関市で明治時代に創業された「ミソノ美容室」の5代目。美容師として経験を積んだのち、肌荒れに悩み、アイデザイナーに転職。カナダで1年マツエクサロンで働いたり、各種資格をとるなどひたむきに技術探求を続け、アレルギーがあっても安心して施術できるマツエク技術を確立。現在は岩手・千厩店、渋谷店の2店舗を経営している。
Instagram:@
infinic_shibuya

丁寧なカウンセリングと卓越した技術力で、アレルギーがあっても安心して施術ができるように 

2021年9月にオープンした「INFINIC 渋谷店」で取材に答えてくれた小野寺さん。洗練されつつもかわいらしさのある内装が印象的

———アレルギーのある方でも安心して通えるマツエクサロンを経営されているとのことですが、施術にはどんな特徴があるのでしょうか?

まずアレルギーのある方にはレディラッシュという技術をおすすめしています。従来のマツエクの接着剤の主成分がシアノアクリレートというものなのですが、完全に固まる最長24時間もの間、揮発性物質を出し続けるために、アレルギーのある方はそれが目にしみたり、かゆくなったりすることがあります。レディラッシュには2秒でかたまるものと、まったくシアノアクリレートを含まない5秒で固まる2種類の接着剤があるので、アレルギー反応をおさえながらマツエクが楽しめるようになります。また今までの接着剤では乾くまで水濡れも厳禁だったのですが、レディラッシュであれば直後に濡れても大丈夫なのでアレルギーがない方にも好評です。

今まで1号店である千厩店でも、アレルギーがありマツエクが不安な方が安心して通えるよう、カウンセリング力、接客に力を入れてきましたが、2号店である渋谷店のオープン準備中にレディラッシュの技術に出会い、それをプラスすることで、より安心安全な施術が可能になりました。

———カウンセリング力をあげると、アレルギーのある方がどのように安心できるようになるのでしょうか?

お客さまの目の状態を知り、それにあったメニューをおすすめできるからです。まずお客さまの現状を確認させていただきます。これまでどんな施術を受けてきて、どんな症状が出たかをヒアリングさせていただくんです。体調によってもアレルギー反応が変わったりするので、当日の体調確認も欠かせません。そのステップを経て初めて、お客さまにあったものがご紹介できると考えています。

私自身がアレルギーがあるため、デザインを聞かれただけで施術がはじまるとすごく不安で、施術を受けた際に目に染みることもありました。その経験から、アレルギーのお客様の気持ちが、

よくわかるので、「INFINIC」はお客さまの悩みを聞いて、それを解消できるような商材を施術者が提案する、言ってみれば「目元の美容師」を目指したいと思っています。過去に美容師をやっていたこともあるので、その形がしっくりくるんです。初回のカウンセリングにはたっぷり30分をかけるようにしています。

仕上がりのイメージがわくように、施術前の目元の写真を撮影し丁寧に説明

サンプルは見た目の確認だけでなく、実際に触ってもらうことで軽さや質感も確かめてもらっているそう

———ほかにもなにか施術するときに、心がけていることはありますか?

これもカウンセリングの一部ではあるのですが、マツエクは完成時のイメージがわきづらいと思うので、最初に目元の形を共有させていただいて、その写真をお客さまと見ながら、目の形や施術についてご説明します。たとえばひと言で二重といっても、少しスクエアとか、丸みをおびているとか、二重の幅などでまったく違うので、提案も千差万別になるんです。ほかにも目の形とまつげの長さのバランスには、黄金比率があります。目元の長さをはかることで、黄金比に近づけるような提案をしていますね。

どういう仕上がりになるのかわくわくしてもらいたいという思いがあるので、「見てもらうまでのお楽しみ」ではなくて、なるべく事前に言葉で仕上がりイメージを表現します。これも美容師なら当たり前のことですよね。「トップがつぶれてしまうので、ここを切ってふんわりさせます」というように言葉で説明されると思うんです。

———なるほど。それはお客さまも安心ですね!

ほかにもお客さまの理想とするまつ毛になるべく近づけたいので、まつ毛の状態やライフスタイルにあわせてお客さまが自宅でできるマッサージなどをご紹介し、一緒にまつ毛を育てる意識も持つようにしています。そうすることでまつ毛の美容効果を実感でき、リピートや店販にもつながっていますね

地域の特性を知ることでニーズをキャッチ!

自らを「マツエクオタク」だと話す小野寺さん。施術には人並ならぬこだわりがあるそう

———岩手から都内に出店されたとのことですが、心がけたことはありますでしょうか? 

場所の特性やそこで暮らすお客さまの暮らしを知るということが、大切なのかなと渋谷と岩手では人との距離が大きく違います。渋谷にいらっしゃるお客さまは日常でもたくさんの人に囲まれて生活されている方が多いので、カウンセリングをしてニーズを引き出すことはしつつも、極力リラックスしていただけるように美容の専門知識、まつ毛とライフスタイル以外のことはあまりしゃべらないようにしています。逆に岩手の場合は、人と触れ合う機会が少ない人もいるので、施術中はほとんどみんなしゃべりっぱなしですね(笑)。施術の内容は変わりませんが、どんなニーズがあるのかは常に意識しています。

———岩手の店舗はスタッフの方に任せていることが多いそうですが、離れた場所にいると意思疎通が難しくないですか?

それが毎日極力電話して話すようにしているので心の距離は近いという感じで、そんなに難しさを感じることはないです。スタッフはみな未経験からのスタートで、技術と接客は1番厳しく伝えてきましたが、すごくよくついてきてくれましたね。感謝の気持ちでいっぱいです。

技術を伝えるときに心がけていたのが「なぜそんなことをするのか?」という理由や思いの部分をスタッフと共有することでした。ただの指示として伝えるより、その裏側にあるものを話したほうが、重要性が伝わり、技術が定着しやすいと思っています。

アレルギーがある人でも安心して施術を受けてもらえる3つのポイント

小野寺さんが考える、アレルギーがある人でも安心して施術を受けてもらえるポイントは以下の3つでした。

1.技術とカウンセリング力を磨き続ける

2.仕上がりがイメージしやすいように目元の写真を撮り、お客さまが納得するまで細かく説明する

3.お客さまと一緒にまつ毛を育てる意識を持ち、自宅でできてまつ毛に効果的なことを伝える

後編では明治時代から続くミソノ美容室の5代目でもある小野寺さんに、これまでのターニングポイントについて伺いました。マツエクの技術と知識の探求を続け、カナダでのサロン勤務やコンテスト参加など精力的に活動をする小野寺さん。その原動力となっているのは、「ミソノ美容室」を守り、それぞれのカラーを出しながら発展させてきた先代たちからの刺激でした。

SALON DATA

INFINIC渋谷店
住所:東京都渋谷区鶯谷町7-12 GranDuo渋谷3F
Tel:03-6416-0106

 

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