研究の末にたどり着いたユーザー目線の接客と特化型カットで売上アップ!「Repro」代表・美容師 古澤さん
若い頃から独立までの計画を立て、堅実に手順を踏み、29歳で予定通り自身の店をオープンさせた古澤さん。前編では、独立を叶えるための計画と手順をノートに書き明確化していたこと、自分と同じ悩みを持つ人を助けたいという思いからくせ毛に特化したサロンを作ったことなどを紹介しました。
後編では、古澤さんがプレイヤーとしてどのように集客をおこなっているのか、くせ毛特化カットなどの技術はどのように磨いているのか、SNSの活用法と豆知識などを投稿している理由、最終的な目標などを伺います。
今回、お話を伺ったのは…
Repro(リプロ)
代表 古澤さん
埼玉県出身。「足利デザインビューティー専門学校」を卒業後、4店舗を経て「INFIS(インフィス)」に就職。およそ2年、スタイリストとして活躍後、2017年に「Repro」をオープンしている。くせ毛に特化したサロンづくりをおこなっており、オリジナルのドライカットを確立している。
接客の師匠は看護師!?ユーザー目線に立った接客で売上アップ!
――売上をあげるために意識してきたことは何ですか。
どれだけユーザーの目線に立って接客から施術まですべてを行えるか、というのを意識してきました。ユーザー目線に立つために研究もしたんです。
――実際にユーザーの目線に立つために行っていたことは何ですか。
日常生活の中でどんなお店に行く時も、どんなサービスを受ける時も、良かった部分、悪かった部分をメモに書き出すようにしていましたね。こういう接客を受けたから自分はこういう気持ちになった、というようにお客さん目線でサービスと気持ちを関連付けて分析していました。
――良かったサービスを美容師の接客に置き換え、落とし込んでいるわけですね。
そうですね。最初は僕も技術があれば売上が伸びるだろうと思い、ただひたすらに技術を磨いましたが、実際はイマイチだったんです。そんな時に運悪く骨折し入院したのですが、丁寧に温かく対応してくださる看護師さんに感銘を受けて、技術だけでなく接客も大切なのだと思考が変わりましたね。
くせ毛特化カットは数多くのサロンの施術を研究した集大成!
――施術の中で心がけていることは何ですか。
サロン名の由来にもなるのですがRepro、つまり「再現性」を心がけています。自宅に帰ってからも美容室のような仕上がりにすることって、ただでさえ難しいのでくせ毛の方にとってはほぼ不可能なんです。なので、うちのサロンではくせ毛の方でも自宅で簡単にスタイリングできるカット、くせ毛特化カットを提供することを1番大切に施術しています。
――くせ毛特化のカットはどのようにして編み出したのでしょうか。
まず美容業界にはくせ毛カット用のマニュアルがあるんです。でも、くせ毛の自分がその通りにカットしてもいいスタイルが決まりませんでした。なので、僕は数多くのサロンに客として足を運んで切って貰って、くせ毛にとって良いカットというのを自分の髪で研究しました。
――1番良いカットをしてくれるお店を探したという感じですか。
というよりかは集約したという感じですね。1つのお店が持つくせ毛カットは、サイドはこの切り方でいいけどこっちはダメ、全体的に良いけど長持ちしない、と一長一短だったので、良いとこ取りをしました。その結果、今のくせ毛特化カットが誕生したんです。
SNSでの発信において重要なのは、発信のバランス!
――集客はどのようにおこなっていますか。
今はInstagramです。くせ毛に特化しているということを軸に発信しています。また、発信の際には、美容師としての発信と人間性を伝える発信のバランスを大切にしていますね。
――人間性が伝わる発信はなぜ行なっているのでしょうか。
人間性が、お客さまが来店を決める際の一番大きな判断材料になると思っているからです。Instagramで美容室を探している時に、「ここのサロンのスタイルはかっこいいけど、スタッフの雰囲気が嫌だな」と感じたら、足を運びにくくなると思います。なので、技術以外の面でも行きたいと思って頂くために、温かく接しやすそうな雰囲気のある人間性を伝える発信を行なっていますね。
――SNSにおいて豆知識やスタッフの待遇に関する情報というのを積極的に投稿されていますね。それはなぜでしょうか。
「美容師は休みが少ない」、「給料が少ない」、という美容業界のブラックなイメージを変えていきたい、働き方をよくしたいからです。実際、業界の変化に貢献できればと思い、「Repro」ではアシスタントを増やし、売上を上げやすくする仕組みづくりをおこなっています。アシスタントが増えることによって、スタイリストが1日に対応できるお客さんが増え、売上を上げやすい。くわえて、アシスタントの技術向上、教育にも繋がるんです。
――古澤さんの今後の目標を教えてください。
「Repro」を3店舗に拡大していきたいと考えています。加えて、今回お話ししたようなスタッフが売上を上げやすい、十分な休日をとれる、楽しんで働ける、そんな環境づくりにもより積極的に取り組んでいきたいです。
古澤さんがSNSでの発信において心がけている3つのポイント
1.くせ毛に特化しているという情報を押すこと
2.美容師としての発信と人間性の発信のバランスを考える
3.美容業界を変えたいという素直な思いを載せる
計画を立て、目標に向けて堅実に突き進み実現してきた古澤さん。お話を伺っていくなかで、研究熱心で向上心を忘れない姿勢が素敵なポイントだと感じました。美容師を目指している方、何か目標がある方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。