SNS活用術】ボブを撮るときは軽さとカットラインを意識することが垢抜けのコツ【GARDEN omotesando 中村大海さん】#2
Instagramで垢抜けボブを発信しているGARDEN omotesandoの人気アシスタント中村大海さん。アシスタント業務の合間をぬって、日々たくさんのカットモデルを接客しています。そんな中村さんにInstagramの秘訣をお聞きしたところ、「真似をすること」なのだそう。一見単純なことのように聞こえますが、流行り廃りが早いInstagramにおいて「実はそれ、もう流行っていない」投稿を真似しても効果は薄め。「何が流行っているのか」「どういう投稿がバズっているのか」という市場リサーチにかなり力を入れているようです。
後編では、ボブスタイルの撮影テクニックにフォーカス。垢抜けた印象にするために、中村さんはどんなところにこだわっているのかをお聞きします。
教えてくれたのは…
GARDEN omotesando 中村大海さん
入社2年目のアシスタント。ボブに特化し、「垢抜け」を意識したヘアスタイルを提案。Instagramのフォロワー数は約1.3万人(2022年2月現在)。Instagramの流行や市場リサーチに熱心で、ヘアスタイル投稿だけでなく、ボブに関してあらゆる角度から情報を発信している。
中村大海さんInstagram:@____daia____
垢抜けボブは軽さとカットラインが大事
──ボブをオーダーするお客様はどんなことを気にしているのですか?
ボブにするときは「重たく見えないようにしてください」というオーダーが多いんです。「他のお店で重くされたので、そこが不安なんです」って。重くなると芋っぽく見えてしまうので、垢抜けるために見た目に軽さを出すことが大事なんです。
──垢抜けボブにするには「軽さ」が大事なのですね。それを写真で伝えるために、撮影ではどんなことを意識しているのでしょうか?
ボブは奥が深いので、2年目の僕はまだ偉そうに教えられる立場にはいないのですが…(笑)。先輩にアドバイスしてもらったり、撮った写真をみんなに見てもらったりして身に付けたテクニックがありまして。例えば、浮き毛をつくること、横向きで撮影するときは奥の髪の毛も見せること、頭の上があえて切れる位置で撮ること、です。
あと、ボブの場合はカットラインがかなり大事です。一般の人にもわかりやすい部分でもあるので。メンテナンスをしていなければ毛先はすぐガタガタになってしまうので、撮影するときは、モデルさんに「少し毛先を整えても良いですか?」と聞いてから毛先をちょっとだけ切ったりしています。
ほんの数ミリなんですけど、きちんと整えてから撮影するだけでもライン感の見え方が変わるんですよ。
──伸ばしかけの過程もよく投稿していますね。
今はショートがとても流行っていますが、「伸ばしたい」という人だっています。僕のところにも伸ばしかけの方が結構来店されますし、卒業式や成人式を控えている方だと「一年後までにここまで伸ばしたいけど、どこまで切ってOKですか?」などの相談を慎重に受けています。そういう意味でも、このヘアスタイルなら何ヶ月でどれだけ伸びるか、ということも伝えたいなと思って。
地道に伸ばしてきたフォロワー数。約5000人でカットモデルが増加
──Instagramのフォロワー数が1万人に到達するまでどのような伸び方だったのでしょうか?
ある時期を境にガクッと伸びた…というタイプではなく、月に1000人ずつくらいのペースで地道に数字を伸ばしてきた感じです。
でも、大ヒット投稿で一気に伸ばした同僚もいますよ。僕よりもフォロワー数が少なかったんですが、一つの動画が200〜300万回再生までいき、短期間でフォロワー数が何千人と伸びたんです。だから、今フォロワー数が少ない人でも可能性はあると思います。
──フォロワー数が何人に到達したところで集客の効果を感じましたか?
5000〜6000人くらいですね。その頃からカットモデルさんがめちゃくちゃ増えました。GARDENのスタッフを見ていても、フォロワー5000〜6000人くらいになると予約が増えはじめている印象です。
あと、集客に直接影響していることではないのですが、スタイリストのもとに来店したお客様が僕のボブの投稿を持ってきてくださる方がいるのがすごく嬉しいですね。アシスタントのうちは限られた時間でしかお客様を呼ぶことができないので、どうしても予約枠が足りず、もどかしい思いをすることもあるのですが、スタイリストに僕の投稿を見せてくださっている光景を見かけると、自分の発信がきちんと届いているんだなと嬉しくなります。
──最後に、アシスタントとして打ち出す上で大事にしていることを教えてください。
基本的には自分を「アシスタント」として打ち出していません。Instagramだけを見て来店してくださったお客様は僕のことをスタイリストとして見ているので、気持ちはスタイリストのつもりでやっています。Instagramにも「今はアシスタントです」とは書いていません。
あと、お客様を呼べるだけではダメなのかなと思っています。お客様を呼び込むことも大事ですが、それだけでは通用しない…という場面もあるなと。技術はもちろん、カウンセリングのスキル次第でリピート率は変わると言われていたりもしますからね。
今は、Instagramの流行りを掴んで真似することが大事だと思いますが、「見せ方」以外の部分もしっかり磨いていかなければと思っています。「Instagramはすごく伸びるけど、技術は全然…」と言われることも多い時代でもあり、プロの美容師を目指す以上はそういうのは格好悪いなと。まだ僕は2年目ですが、お客様からしたら2年目でもプロなので、技術にこだわっていきたいです。
ボブスタイルを可愛く見せるコツ
1.重たく見えないように浮き毛をつくる
2.撮影前にカットラインをチェック。毛先がガタついていればカットして調整
3.写すのは全体像の90%。頭頂部があえて切れる画角で撮影する
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取材・文/佐藤咲稀(レ・ャトル)
撮影/本名由果(fort)
イラスト/なとみ みわ