たくさん勉強してお客様にお伝えする。それで喜んでもらえることがうれしい【SABON 大畑実成さん】#2
地元の岡山と東京で接客業を経験したあと、フィリピンに短期留学。帰国後、岡山のSABONに入社した大畑さん。アルバイトから契約社員、正社員へと着実にステップアップし、現在は複数の店舗を受け持ち、スタッフの指導をするセールストレーナーという任務を担っています。好きなことを仕事にする情熱と、成長のためにやるべき努力についてお話を聞きました。
後編では、現在セールストレーナーとして複数の店舗を巡り、スタッフの育成をしている大畑さんに、「販売員として成功するために大切なこと」を伺います。
お話を伺ったのは…
SABON
セールストレーナー
大畑実成さん
高校卒業後、地元の美容サロン勤務を経て上京。カフェやレストランで接客の仕事をしたのちフィリピンへ留学。帰国後株式会社SABON Japanに入社。「美容と接客が好きだった」ため、選んだ職種は「美容部員(BA)」。BAとしては珍しく国内の複数の店舗へ異動し、多くの業務を経験。現在はセールストレーナーとして、全国を巡っている。
目標意識を持って働くことが大事

――現在はどのようなお仕事をされていますか?
大阪の店舗の立ち上げや新宿店の副店長、店長を経験して、今はセールストレーナーとして働いています。毎日いろいろな店舗を回り、店舗スタッフの接客のスキル向上を目的としたロールプレイやトレーニングを行っています。
――SABONに入社し、現在8年目になる大畑さんですが、これまでの経験で印象的だった業務はありますか?
大阪の店舗の立ち上げと、日本一忙しいと言われている新宿店で働いた期間です。どちらも店長を経験して、運営をする大変さを学びました。
BAという職業は接客がメインですが、店長になるとそれに加えてスタッフのことも見なくてはいけません。みんなに気持ちよく動いてもらうにはどうすればいいのか、苦戦したし試行錯誤もしました。スタッフとの関係を構築するのも難しかったですね。
――スタッフさんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか。
大事なのは、話を聞いて受け入れることです。いろいろな考えのスタッフがいて、どれがいい悪いということではありません。個々のいいところを引き出すことが大切。スタッフの意見を引き出して、それをみんなに伝えるのが上に立つ者の役目だと思っています。
一方でスタッフは仕事のメンバーであり友達ではありません。みんなで同じ目標を持つことが大事になってきます。仕事内容の共有や、目的を明確にして指示を出す、といったことも上に立つ者の大切な役割だと思っています。
――仕事とプライベートの線引きですね。
そうですね。店長時代にスタッフによく「ちゃんとするところはちゃんとする、遊ぶところは遊ぶ、その切り替えができるようになりましょう」ということは伝えていました。
そのためには目的を明確にすること。そこに向かうための手段は個々で違ってもいいんですが。
ウォータースタンドを囲んで行うワクワクする接客

――大畑さんがおっしゃる「目標」というのは、売り上げのことですか?
売り上げもひとつです。他は接客のクオリティを上げることも、達成すべき目標です。僕が入社する前に受けた「ワクワクする接客」というものを、スタッフ全員ができるようになってほしいと思っています。ワクワクさせるためにはどんなスキルを習得すべきかは、それぞれが考える必要があります。
あとはチームプレイということも忘れてはいけません。みんなが力を合わせることで目標が達成できるんだよということもよく話していますね。
――お店の雰囲気のよさはお客様にも伝わります。
はい。お客様や同業者から、すごく雰囲気のいいお店ですねとか、スタッフさんたちが明るいですねと言われることがよくあります。その理由は、お客様に楽しく接客するということがきちんとできているからかなと思っています。
――店舗に設置されているウォータースタンドも、ワクワクするツールのひとつですよね。
はい。店舗の真ん中にあるウォータースタンドは、SABONの象徴でもあります。このウォータースタンドを使いながら接客をすると、お客様との距離が一気に縮まります。
体験しながら商品を紹介していくと、お客様も自然に「この商品、家でも使ってみたいな」と思うようになります。あと、通りすがった人からも「何してるんだろう」「なんか楽しそう」と思ってもらえて、入店につながる場合も多いんです。
このワクワクが伝染していって、ブランドのイメージにもつながっていると思います。
見えない相手に贈る「プレゼント」需要

――SABONといえば、プレゼントとして購入される人も多いと思います。
プレゼントで利用されるお客様は、他のコスメブランドと比べてかなり多いと思います。プレゼントを探しにきたお客様にまず聞くのが、贈るお相手様の情報です。どんな方なのかはもちろん、贈る側がどんな気持ちで送りたいのか、相手にどんな気持ちになってもらいたいのか、ということなど、できるだけ細かく伺います。「元気になってほしい」のか「リラックスしてほしい」のかで、お勧めする商品も変わってきますから。そういったことを聞きながら、お客様と一緒に選ぶようにしています。
――接客するスタッフさんからしたら、見えない相手への商品選びは難しい部分もありそうです。
そうですね。ただ、商品をご紹介するときに「人気だから」という理由だけではお勧めしません。見えない相手ながらも、できるだけその人の生活や状況に合った、購入するお客様の思いがちゃんと届く商品を選ぶように心がけています。
販売員は大変だが、喜びも大きい
――最後になりますが、大畑さんの思う「販売員の魅力」とはなんですか?
ありきたりですが、やっぱり「お客様の笑顔が見られること」だと思います。今の美容業界は、トレンドが目まぐるしく変わります。新しい成分もどんどん出てきて、販売員としてもインプットをし続けるのは正直大変です。でもそういった知識があったうえで、お客様に情報をお伝えして、それでお客様が納得して商品を購入できれば、それはうれしいことです。
「あなたに接客してもらえてよかった」とか「絶対また来ます」と言われると、やっててよかったなと思いますね。
――そのためには販売員の方も努力が欠かせませんね。
お客様の中には、美容に疎い方もいれば、プロ並みの知識がある方もいらっしゃいます。そういった違いや、年代の違いなど、どんなお客様が来ても満足させられる接客をすることが販売員には求められます。そのためにはどうすればいいのか。美容の知識だけではなく、世の中のことやファッションのトレンドなど、幅広く知っておく必要があります。
大変な部分もありますが、お客様が笑顔になる瞬間を見られるのは、販売員の特権です。それが僕自身「販売員でよかったな」と思うところです。
大畑さんが考える成功の秘訣
1.寛容な心を持ち、多様な価値観を受け入れること
2.柔軟性を持ちながらも、自身の軸や信念を維持すること
3.挑戦をし続け、失敗を味方にすること
取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ
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