高い技術を身につけたことで、子育てをしながらキャリアアップも可能に「Nail&Eyelash LeeB」山道奏さん
上質を知る大人女子やブライダルのお客さまから支持を集めている「Nail&Eyelash LeeB」。前編ではマネージャーでネイリストの山道奏さんに、どのようにしてお客さまの途切れない人気のネイルサロンになったのかを伺いました。エレガントなネイルアートをコンセプトにすることで、上質を知る女性経営者にささる打ち出しができたこと。そしてそれぞれのネイリストがコンセプトを守りながらも強みを磨いたことが人気の秘密だと山道さんはいいます。山道さんはすべて手描きで仕上げるネイルアートを打ち出し、特別感を演出。ブライダルのお客さまからの指名が増えたそうです。
後編では山道さんがネイリストとして、どのようにキャリアアップしてきたかを伺います。元々は絵に携わる仕事をしたかったという山道さん。なかなか仕事にするきっかけがつかめずネイルの道に進んだそうですが、その後はひたむきにネイル技術を磨いたといいます。そうして高い技術が身に付いたことで、今のネイルサロンのオーナーから声をかけられ、子育てをしながらも好条件で働くことができているそうです。
今回、お話を伺ったのは…
山道奏さん
長崎県出身で、ネイルスクールで技術を学んだのち、上京。新宿のサロンでネイリストとしてのキャリアをスタートさせ、その後、東銀座のサロンで順調にキャリアを積む。2018年に「Nail&Eyelash LeeB」の立ち上げにマネージャーとして参加し、すべて手描きで仕上げられるエレガントなネイルアートで人気を集めている。現在は小学校1年生の子どもを育てる母でもある。
山道奏さんのInstagram：＠leebyamamichi
絵に少しでも携わりたいという思いからネイルの道へ
これまでのネイリストとしての経験を話してくれた山道さん。大変なことがあっても筆を使ってできる仕事にやりがいを感じていたそう
――山道さんがネイリストになったきっかけは？
高校生のころは、絵に携わる仕事をしたいと思っていました。美術系を専門に学びたいと思い、卒業後はメルボルンに留学して絵を学ぶなどしましたが、帰国後は絵を職業にするきっかけがなかなかつかめず…悩んでいたときに「筆を使ってできる仕事」と、少し幅を広げて探した結果行き着いたのがネイルの仕事でした。そのころは実家のある長崎にいたので、数回通うようなネイルスクールしかなく、就職先もあまりなかったので、スクール終了後は思い切って上京。新宿にあるネイルサロンに勤めることになりました。
――そこは手描きに力を入れているサロンだったんでしょうか？
いえ、そこは少し単価の低めの定額サロンだったこともあり、スタンダードなデザインが多かったです。でも1日に8人～10人は担当するような忙しいサロンだったので、基礎的な技術が確立できましたし、早く、それでいて丁寧に仕上げるための工夫などさまざまな力が身につきました。若いうちに忙しい環境に身を置いたことは、今の自分の財産ともいえると思います。
子育てとの両立に悩みながらも、目の前のことに打ち込んだ日々。その努力が報われ、願ってもない環境に転職
山道さんが作ったネイルチップの数々。繊細に仕上げられるネイルアートには思わず目を奪われる
――その後、「Nail&Eyelash LeeB」で働き始めたきっかけは？
銀座のサロンで働いているときに、出産したのですが、育児と仕事の両立に悩んでいました。早番の制度を使って早めに上がらせてもらっていたのですが、やはり申し訳なさを感じることも多くて…いろいろと限界を感じてしまって、退職したんです。その後は家の近くのネイルサロンを手伝うような形で、少しだけネイリストの仕事をしていましたが、子育てと美容の仕事を両立し、さらにネイリストとしてキャリアアップを目指すのは、今は難しいのかなと半ばあきらめていました。
ところが銀座のサロン時代のお客さまだった、今のサロンのオーナーに、「新たにネイルサロンを立ち上げたいから一緒にやってくれないか」と声をかけてもらうことができました。しかも子育てとの両立をしやすい条件を提示してもらって。銀座のサロンで働いているとき、子育てとの両立に悩みながらも、目の前のお客さまの爪を輝かせたい一心でやってきたことが評価された気がして、とてもうれしかったです。
――具体的にはどんな条件でしたか？
自宅からこのサロンまでが少し遠いので、通勤に時間がかかる分、勤務時間を短くしてもらい、さらにフルタイムで働いているのと変わらない基準のお給料をいただくことができました。また子どもを保育園に預けていたときは、延長保育代なども負担してもらっていて。
オーナーはもちろん、お客さま、ほかのスタッフの理解がなければここまで続けてこられなかったと思うので、とても感謝しています。
初心を忘れずこれからも技術を磨いていく
これからもネイリストとして学び続けていきたいと話す山道さん
――山道さんが、ネイリストとして大切にしてきたことはどんなことでしょうか？
「初心忘るべからず」です。経験が長くなっても学び続ける姿勢を忘れず、しっかりとした基礎のうえに成り立つ高い技術の習得、お客さまに安心して喜んでいただけるような接客を常に心がけています。
今のサロンの社長やスタッフにも良くしてもらったのですが、今まで働いてきたサロンでもたくさんの先輩ネイリストに教えてもらって、ここまでくることができたので、感謝の気持ちを忘れずにこれからも技術を磨いていきたいと思っています。
――最後に今後の目標を教えてください。
家庭との両立が難しいと思われがちな美容業界ですが、ありがたいことに今とてもいい環境で働けています。オーナーが従業員のみでなく従業員の家族のことまでしっかり考えてくれますので、仕事と子育てを無理なくできていると思っていて。私も管理者としてより女性スタッフが働きやすい職場にして、スタッフの人生とサロンがより豊かにすることが目標のひとつです。
もうひとつの目標は、これからデビューするネイリストや、現在活躍中のネイリストにもしっかりとしたネイルの基礎技術、高度なアート技術などを伝え続けていきたいと考えています。また、まだネイルの経験がないお客さまにネイルの施術を通して魅力をお伝えできたら、ネイリストとしてもこの上なく幸せかな、と思っています。
山道さんがネイリストとしてキャリアアップした３つのポイント
1.忙しいサロンに在籍し、技術の基礎を築いた
2.子育てをしながらも、目の前のお客さまに全力を注いだ
3.初心を忘れず、常に学び続ける姿勢を忘れなかった
山道さんのお話を聞いていて感じたのは、技術を磨き続ける重要性。子育てとの両立に悩んだ過去があっても、技術を磨き続けたことで、道が開けたのだと感じました。また、過去も含めて環境に感謝する人柄に、お客さまやスタッフからの信頼も厚いのでしょう。ネイリストとしてもっと活躍したい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
