アジアを旅しながら「手に職」の大切さを実感して理容師に。創業100年超の婚家で本当にやりたいことを実現!【『RY Hair』吉田裕子さん#1】

美容業界で働きながら、キャリアも育児も頑張っているワーキングママとパパをご紹介しているこの企画。今回はパートナーのご実家でもある理容室『RY Hair』で、理容師・エステティシャンとして腕を振るっている吉田裕子さんにお話を伺いました。

実は吉田さんのご実家も理容室を経営しているものの、高校を卒業するときは理容師になろうとは思っていなかったとか。前編では、吉田さんが理容師になろうと決意した理由、待望のお子さんを授かったもののつわりで身動きするのが大変だったこと、ご自身が本当にやりたかったことを実現させたことなどをインタビューしました。

お話を伺ったのは…
理容師・エステティシャン
吉田裕子さん

大学で英語とタイ語を学び、在学中にタイに留学。アジア諸国でボランティア活動をするうちに「手に職」の大切さを実感して帰国。理容・美容の専門学校に進んで資格を取得する。大手の理容室に4年ほど勤務し、お父さまの病気を機にご実家の理容室を手伝うことに。現在はパートナーのご実家『RY Hair』を拠点に理容師、エステティシャンとして活動している。

海外でいろいろな経験を積んだ結果、美容の道に進むことを決意

理容・美容専門学校で知り合ったパートナーの幸司さんとは5歳違い。180㎝を超える幸司さんと一緒に歩くと、親子に間違われることもあるとか。

――吉田さんが理容師になるまでの経歴は異色ですね。

私の両親は二人とも理容師で理容室を経営していましたが、ひと言も「店を継いでくれ」とは言いませんでした。むしろ「やりたいことをやりなさい」と言ってくれたので、大学で英語を専攻しました。

――その後の経歴もユニークですよね。

大学で英語を学ぶうち、タイ語にも興味がわいてタイに留学。好奇心に突き動かされるようにインドでは井戸掘り、フィリピンでは植林のボランティアをするなど、いろいろな経験をしました。そのうち、生きていくには「手に職が必要だ」と真剣に考えるようになったんです。一緒に旅をする仲間たちが疲れているとき、見よう見まねでマッサージをするとすごく喜んでくれたのを思い出して、「私に向いているのはコレだ!」と思い立ちました。

資格を取るには学校で学ばなければなりません。でもそれには学費が必要ですよね。それで、帰国後は草津で仲居のアルバイトをしながらお金を貯めました。

――美容を目指す方の多くが美容師を選びますが、吉田さんはなぜ理容師に?

両親が理容師だったこともありますし、理容師は70代、80代になっても現役で働いている方が多いからです。それに理容室のお客さまは男性がほとんど。男性は同じお店に通ってくださる方が多いんですよね。お客さまと一緒に年を取るって、すごく素敵なことだと思って理容師を選びました。

――パートナーとはどこで知り合ったんですか?

理美容専門学校で知り合いました。当時も告白されましたが、5歳も離れているので私は「友人」としか考えられなかったんです。

卒業から4~5年経って、学校の友人たちと出かけたキャンプで彼と再会しました。彼と話をしてもドキドキしないけれど、すごくリラックスできる自分に気づいて、「パートナーにふさわしいのはこの人かも」と思ったんです。再会して1年後に結婚しました。

結婚後も30分かけて実家の店へ。実家だからこそ、つわりの辛さも乗り越えられた!

吉田さんを心身ともに支えているお母さまと。今もお一人で店を切り盛りしている現役の理容師。

――吉田さんのパートナーのご実家も理容室なんですね。

「髪結いどころ」と呼ばれていたころから続く理容室で、夫で4代目になります。実はお店を継いでいたのは歴代女性で、男性は夫が初めてなんですよ。

――結婚なさって、ご実家のお店はどうなさったんですか?

父が病気で倒れてから実家の店を手伝うようになって、父が亡くなり、結婚した後も実家に通っていました。

結婚した当時はお義母さまがまだ現役バリバリで、夫の叔母もお店を手伝っていました。店には夫を含め3人の理容師がいて、私がいなくても夫の店は人手が充分だったので、心おきなく実家の手伝いができました。

――そして一人目のお子さんを妊娠。

2010年に長男を身ごもりました。うれしいと同時につわりがひどくて、初めての出産に不安を感じる余裕はありませんでした(笑)。実家は電車で30分のところで、さほど遠くないのですが妊娠中は辛かったですね。でも実家という恵まれた環境だったので(笑)、辛いときは体を休めて、動けるときに働いていました。今思えば、ほとんど寝たきりでしたね。

――出産後はすぐ復職したのですか?

長男は体が弱くて、しばらく目が離せなかったんです。そんなこともあって、仕事は2年ほどお休みしていました。母はもちろん義母に、叔母、夫と育児に協力してくれる人はたくさんいましたが、私が産後うつになってしまって。思い通りに動けない自分が、すごくもどかしかったですね。

――どうやって克服したんですか?

母に話を聞いてもらっていました。母はすごく聞き上手なんです。アドバイスをするわけでもなく、ただただ私の話に耳を傾けてくれて、どんな話をしても何でも受け入れてくれました。母のおかげで立ち直れたんだと思います。もう感謝しかありません。

――復職してからは、どんな働き方をなさったんですか?

理容室というとお客さまは男性ばかりで、女性には入りづらい雰囲気がありますよね? 私はその理容室の印象を変えたかったんです。女性の顔そりにフェイシャルを加えたメニューをやりたくて、義母と夫に相談しました

お店を改装する前のことですが、男性のお客さまが来店しているときに女性は入りづらかったので、店がお休みの月曜と火曜をレディースデイとして特別にオープンすることにしたんです。店が休みの日は義母と夫は家にいるので、長男の面倒を見てもらえる安心感もありました。

――吉田さんが本当にやりたいことを見つけたんですね。

理容師の資格を取ってから初めて勤めた店でも、エステや顔そりなどリラクゼーションのメニューを中心に担当していました。学生のころから、人を癒やすことが大好きだったんですね。その当時から疲れている人がいたら、その疲れを「絶対にとってやる!」という気持ちで施術していました。今もその意気込みは変わりません(笑)。

吉田さんが本当にやりたいことを叶えた3つのポイント

1.回り道をしてでも、いろいろな経験を積んで本当にやりたいことを見つける

2.心と体の不調は放っておかず、頼れる人に相談する

3.やりたいことを叶えるために、できることから少しずつ始める

理容師でありエステティシャンでもある吉田さん。夢を叶えるために、いろいろな経験と努力を積み重ねてきました。

後編では、子育てと仕事を両立するために心がけていること、そして未来のワーキングママへのアドバイスをご紹介します。

撮影/古谷利幸(F-REXon)

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Salon Data

RY HAIR (アールワイ ヘアー)
住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-73-6
電話:048-666-0290
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