家事と仕事を1人で完璧にこなすのは無理。仕事100%は譲れなくても、家事は家族がサポートしてくれる!【『RY Hair』吉田裕子さん#2】

美容業界で働くワーキングママとパパをご紹介しているこの企画。前編に続いて、パートナーのご実家でもある理容室『RY Hair』で、理容師・エステティシャンとして腕を振るっている吉田裕子さんのお話をご紹介します。

前編では、吉田さんが理容師になろうと決意した理由やお子さんを授かってからのご苦労、そしてご自身が本当にやりたかったことを実現させたことなどを伺いました。後編では、子育てと仕事を両立するために心がけていること、そして未来のワーキングママへのアドバイスをお届けします。

お話を伺ったのは…
理容師・エステティシャン
吉田裕子さん

大学で英語とタイ語を学び、在学中はタイに留学。アジア諸国をボランティアをしながら巡るうち「手に職」の大切さを実感して帰国。理容・美容の専門学校に進んで資格を取得する。大手の理容室に4年ほど勤務し、お父さまの病気を機にご実家の理容室を手伝うことに。現在はパートナーのご実家『RY Hair』を拠点に理容師、エステティシャンとして活動している。

家族がまだ寝静まっている早朝のひとときが大切なプライベート時間

――朝がとても早いですね。

若いころに5時くらいに起きてアルバイトしていた習慣が、今も残っているんですね(笑)
家族がまだ起きてこない一人っきりの時間に、白湯をゆっくり飲んだり、朝日を浴びながらストレッチをしたり、いちばん大切にしている時間です。

――パートナーとの時間はお店でとれますが、お子さんとの時間はどうやって工面していますか?

お布団に入るときに話をしたり、ハグしたりしてコミュニケーションをとっています。眠る直前の時間はとても大事なので、どんなに疲れていても笑顔で「今日もいい日だったね」とかプラスの声がけをするように気をつけています

――ご家族でお店を経営していると、お子さんたちとお休みが合わないのが辛いですね。

店が休みの月曜と火曜は、子どもたちが学校から戻ってきたら家族で過ごすようにしています。ゆっくり食事ができるように外食したり、甘いものを食べに行ったり。私自身、リフレッシュできる大切な時間です。
夏休みなど長期のお休みには、必ず家族旅行に出かけています。家族がそろう、貴重なチャンスなので「どこで何をしようか」、みんな真剣ですね(笑)。

――天然石アクセサリー作りが趣味と聞きましたが、どのタイミングで?

休日か、子どもたちを寝かしつけた後が多いですね。没頭するので、気持ちのリフレッシュができます。夢中になってしまうと時間を忘れて、気づくと外が明るい…ということもしょっちゅうなんですよ(笑)。

趣味と実益を兼ねて店頭で販売している吉田さんの作品。なかには材料費が販売価格を超えているものもあるとか。

――ご家族の中で家事の分担はありますか?

特に決まっていません。私が忙しくて手が回らなければ夫が料理をしてくれるし、敷地内に義母の家があるので子どもたちの面倒をお願いすることもあります。義母は本当にやさしくて、私が仕事をやりやすいようにサポートしてくれるので助かっています。義母も理容師として働きながら子育てをしてきたので、私の気持ちを分かってくれるんですね。

――吉田さんがこだわっている家事はありますか?

トイレ掃除です。私は高校生の時に寮生活を送っていて、そのときに「トイレ掃除をすると運気が上がる」と教わりました。私、ゲンを担ぐのが大好きなんです(笑)。「汚いな」と思いながらトイレに入るのはイヤですよね。トイレには好きなものを置いて、居心地のいい空間にしています。

一人で全てをこなすのは無理。助けが必要なときはガマンしないで!

吉田さんご夫婦と二人の元気な男の子。長男は12歳、次男は6歳に。

――1階がお店で2階が住居だと、お子さんたちの動向が何となく分かるので安心ですね。

子どもたちが2階にいると、ちょっとハラハラすることもあるんですよ。学校がお休みの土日は予約がいっぱい。特にお客さまが静かにお休みになっているとき、子どもたちが2階でドタバタ足音をさせるとヒヤッとします。そんなときは義母の家で預かってもらっています。

――3世代がそろうと、子育てには理想的な環境ですね。

義母も店にいるより家で過ごす時間の方が長くなったこともあり、子どもたちの面倒をよくみてくれます。次男が生まれた直後は、店の空き時間に母乳をあげに家に戻るたびに私のおやつを用意してくれていたんですよ。その心遣いが嬉しいですよね。

――お子さんたちも働くご両親を間近に見られて、いい刺激になっていませんか?

次男はまだ幼いので分かりませんが、長男は私の話をよく聞いてくれます。仕事が上手くいかなくて落ち込んでいるときは、やさしく励ましてくれるんですよ。

お客さまの施術には私が持っている100%の力を出し切ってしまうので、営業時間が終わるころには体力が残っていないことも。そんな日は2階の自宅に上がった途端、倒れ込んでしまうんです。そんなとき長男は、やさしく「ママ、風邪を引いちゃうからお布団で寝ようね」って声をかけてくれるんですよ。

――パートナーと職場と家庭で一緒に過ごしているこそ、心がけていることはありますか?

心の中のことは言葉にして素直に伝えることですね。同じ仕事なので理解し合えるし、思いやることができます。でも、心の中までは伝わりません。言葉にするのは大事なことだと思います

それから感謝を忘れないことですね。夫だけでなく義母や母、子どもたちに対しても同じです。感謝の気持ちは必ず伝えています。

左が吉田さんの義母、右が実母。吉田さんが全力で仕事に向き合えるように家事、育児をサポートしてくれる強力な助っ人。

――体力的な疲れは休めば何とかなりますが、精神的な疲れを感じたときはどうしていますか?

助けて欲しいときはガマンしないで助けてもらっています。以前、仕事も家事も育児も100%、全力で頑張っていた時期がありました。ガマンし続けていたら感情が抑えきれなくなって、突然泣いてしまうこともあったんですよ。

今は小出しに「辛い」「無理」と言うようにしています。夫が私のストレスに気づいていないと感じたら、冗談ぽく「私に『大丈夫?』って聞いて」とお願いするんです。そうすると、夫もちょっと大げさに『大丈夫か~!?』と応えながら、私のストレスを受け止めてくれています。

――これからワーキングママ、パパになる方に向けてアドバイスをお願いします。

自分の力を家事や育児、仕事に振り分ける割合は人それぞれだと思います。自分が納得できるバランスであれば、誰が何と言おうとそれがベストです

私は仕事が100%で、全力で向き合いたいと思っています。足りないところは家族がサポートしてくれるし、私からもお願いしています。全てに対して100%こなそうとしないで、助けて欲しいときはガマンしないこと。助けてもらってください。そして、感情は溜め込まないこと。壊れてしまいますから、小出しに吐きだしてくださいね

吉田さんが仕事と育児の両立を成功させている3つのポイント

1.仕事以外に没頭できる趣味を持つこと

2.自分にとって仕事・家事・育児のベストな割合を作っておく

3.助けて欲しいときはガマンしないで助けを求める

吉田さんご自身、何もかも100%でこなそうとして挫折してしまったとか。この経験があるからこそ、人の痛みや辛さがよく分かるようになり、心を込めた施術ができるようになったそうです。

吉田さんの体験を参考に、ストレスは溜め込まないで小出しに吐き出す、困ったときはガマンしないで助けを求めるようにしたいものです。

撮影/古谷利幸(F-REXon)

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Salon Data

RY HAIR (アールワイ ヘアー)
住所:埼玉県さいたま市北区土呂町2-73-6
電話:048-666-0290
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