子どもたちとも家事を分担!美容師と講師業を両立する星祥子さんの時間術
昨年、講師として女性美容師に縮毛矯正を教える仕事を始めた星祥子さん。普段は千葉県柏市の美容室「PONO」で働き、美容師として20年のキャリアを持ちながらも、新しいことに挑戦しています。
前編では、縮毛矯正が苦手な女性美容師に向けて専門講師の仕事を始められたきっかけや、美容師との両立方法について伺いました。コロナ禍で何か自分の武器が欲しいと考え、一番好きな技術である縮毛矯正の講師を始めたそうです。さまざまな流派があるなか、それにとらわれず自分のメソッドを確立し、講師として全国に出向いてセミナーを行なっているとのこと。サロンの休日や、通常業務後の時間を利用して講師を行うなど、両立させるためのさまざまな工夫が見られました。
後編では、美容師と縮毛矯正専門講師としての仕事を両立しながら、3人の男の子のママとして家事・育児もこなす星さんの時間術について伺いました。お子さんが小さい頃は、時間の都合のつきやすいママ美容室で働いていたそうです。現在は、小学1年生の末っ子も含め、朝食は各自セルフで作って食べたり、家事は家族みんなで分担しているとのこと。サロンのオーナーも美容師と講師の両立を応援してくれているそうで、将来はママ美容師が働けるサロンを持ちたいという夢も語ってくれました。
今回お話を伺ったのは…
星祥子さん
20年以上のキャリアをもつ、ストレートを得意とする美容師。千葉県柏市にある美容室「PONO」で働く傍ら、昨年より縮毛矯正専門講師としての仕事も開始。現在は、通常の美容室の休日を利用し、全国に出向いてセミナーを行なうなど、講師の仕事を少しずつ増やしている。小学校1・3・5年生の男の子3人と、夫の5人暮らし。
小学生の男の子3人も自分で朝食を作ったり、家事を分担。忙しい日の夕食は電気圧力鍋を活用
――3人の男の子のママでもある星さんですが、お忙しいなか家事や育児はどうしているんでしょうか?
夫との家事分担ですが、うちの場合気づいた人が気づいたところをやります。夫がまめな人ということもありますし、子どもたちもできる範囲で家事分担をするように育てています。小学5年生の長男は、ゴミ捨てを全て担当しています。朝ごはんもうちは家族全員セルフです。小学1年生の末っ子も、IHコンロでウインナーや卵を焼いたりして、自分で朝ごはんを作って食べます。
下の2人を学童に迎えにいく間に、長男にお米を炊いてもらったり、洗濯物を取り込んでもらったりすることもあります。夜自分が仕事で遅くなったり、スタッフとの付き合いで飲みに行ったりするときは、朝出かける前に電力圧力鍋に食材を入れておいて、夜食べられるようにしています。作っておいたものを温め直して食べるよリも、煮物やカレーのような、お鍋ひとつで完成するものが楽ですし美味しいかなと。
――すてきな教育方針ですね。お子さんたちが小さいときはどのような働き方をされていたのでしょうか?
半年前までは、全員主婦の美容師とネイリストが所属する「ママさん美容室」で働いていました。9時半から5時の営業で、日曜祝日がお休み。やりたいことをやらせてくれる、とても働きやすい美容室でしたが、40代に入って働き方を見直して今のサロンで働くことにしました。以前の美容室は15年ほど働いていたので、自分のお客さまも増えてとても忙しい毎日でした。日々のサロンワークに忙殺されて、新しいことになかなか挑戦できなかったというのも悩みどころでした。
私のまわりの40代、50代の美容師さんたちからは、更年期に入ったり体力が落ちてきたりして、ずっと立ち仕事ですし「大変」という意見を聞くことが多いですね。自分はどう働きたいかと考えたときに、ひとりひとりのお客様ときちんと向き合いたいというのもありましたし、スローダウンしていきたかった。それに「女性美容師や、ママ美容師さんのためのビジネスがしたい」という気持ちもありました。
美容師と講師業の両立は、今のオーナーのビジネス志向も参考にして見つけたやり方
――講師業をすることについては、サロンのオーナーはどのような反応でしたか?
オーナーには「やりたいことをやっていいよ」と言われています。オーナーはインスタのフォロワーが19万人もいていろいろなことをしている人なので、講師の仕事も応援してくれていますね。広い視野を持っていて、自分でも経営者向けのセミナーをするなど、ビジネスのことを考えられる人なので、そういう部分も積極的に学べたらいいなと思っています。
入社する前から、美容師以外で何かできないかと漠然と考えてはいたのですが、今のサロンのオーナーから「それが分からなかったとしても、自分の近くで働いていたら何か見えてくるかもしれませんよ」と言われまして。私は実際に行動しないとやりたいことが見えてこないタチなので、それもあってこのサロンに入ったんです。
愛を持ってお客さまに寄り添い、「女性のために」なにかできることをしたい
――星さんが美容師や講師として大切にされていることはありますか?
愛を持って人に接する、できるだけ寄り添うことがテーマです。お客さまがきれいになるために何ができるか、お客さまと一緒に考えていきたいと思っています。10年後も美しくいられるように、今何ができるかの提案をしてあげたい。美容師も講師業も、その人とともに走ってあげる伴走者のようなイメージで仕事をしています。
美容師と講師業を両立するのは大変ですが、いろんな美容師さんと出会えて輪が広がることが素敵だなと感じます。それに講師の仕事は美容師さんの成長が見られますし、自分が直接出会えないお客さまの声を生徒である美容師さんから聞けるのが喜びです。講師を始めてから嬉しいことがたくさん増えましたね。
――今後の星さんの目標はありますか?
最近、いつか自分のお店を持てたらな、と思うようになりました。そしてもしお店を持つなら、ママ美容師が輝いて人生が豊かになれるような環境を作りたいです。それは自分もママ美容師だからこそできることだと思うんですよね。
それも含めて、女性のために何かできたらいいですね。美容師も講師業も「女性のために」というのが自分にとって大きなテーマだと思っています。出産した多くの女性は、子育てが少し落ち着いてくると自分と向き合う時間ができると思うのですが、そんなときに何かお手伝いができたらいいなと思います。美容師はお客さまのライフスタイルに踏み込んでいく仕事なので、その人に寄り添ってきれいでいられる場所を作りたいなと思います。
星祥子さんが美容師と縮毛矯正専門講師を掛け持ちしながら家事育児もこなす時間術
星祥子さんが美容師と縮毛矯正専門講師を掛け持ちしながら家事育児もこなす時間術を伺うと、以下の3つでした。
1.朝食は各自で作って食べ、家事は家族で協力して分担。忙しい日の夕食は電気圧力鍋を活用していた
2.ビジネス思考をもつオーナーのサロンに転職。オーナーは美容師と講師業の両立を応援してくれていた
3.美容師と講師業の両立は、今後につなげるための通過点と考え、忙しいなかでも「女性のために」という大きな目標に向かって努力していた
ハキハキと自分の意見やビジョンを語ってくれた、パワーあふれる星さん。「女性のために」という大きな目的が、星さんをささえてくれているのだと感じられました。美容師と講師業の両立を考えている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。