世界記録を達成したことで、技術力の高さをもアピールできた! 【(株)アトリエはるか 経営企画部 執行役員 栁井加代子さん】#2
全国にヘアメイク専門店を展開している「アトリエはるか」。2022年12月8日、表参道ヒルズのスペース オーでギネス世界記録TMにチャレンジしました。当日の来場者は約1,600人。道端カレンさんをはじめゲストの方々のトークショーなどで盛り上がりました。
前編では、ギネス記録にチャレンジするきっかけや、1,000人を超える人数を集めるための秘策、大がかりなイベントを成功させるために必要なことなどをご紹介しました。後編では、ギネス世界記録が誕生するまでの詳細を、このイベントの実務を担った(株)アトリエはるか 経営企画部 執行役員の栁井加代子さんに伺います。
「無料で眉カット」ではなく「世界記録を応援したい」お客さまが来場!
2022年12月8日イベント当日のタイムスケジュール
――「眉毛の形を整えてメイクをした人の最多数」というチャレンジ内容は、最初から計画していたのですか?
ギネスワールドレコーズジャパンの担当者との話し合いで、「アトリエはるか」として何でNO.1を目指すのかを相談しながら決めました。私たちの技術力の高さをアピールできて、店舗が全国にある安心感もアピールできるのは何だろう…と考えた末、このチャレンジ内容になったんです。
――メイクした人の数は、どのようにカウントしていたのですか?
まず、来場なさって受付をした後、施術前のビフォー写真を撮ってからギネスの認定員にチェックしてもらい、施術に入ります。施術そのものは7~8分ですね。終わったら認定員に再びチェックしてもらい、アフター写真を撮影。その後、ノベルティバッグをお渡ししてお帰りいただく…という流れです。
ビフォー写真とアフター写真を照合して、合格基準に達した人のみカウントされます。19時まで眉カットサービスのイベントは行われましたが、ギネスチャレンジのカウントは17時半で終了したので、実際に施術した人数よりも記録は少なくなっています。
――来場なさった方は関東近郊の方が中心ですか?
ほとんどが関東の方ですが、なかには福岡からいらっしゃった方もいました。「無料で眉メイク」という内容に惹かれて来場なさる方が多いのかな、と思っていましたが、「世界記録にチャレンジしたい」、「記録樹立を手伝いたい」という方が多かったですね。お客さまの中には、「会場にいる店長に会いに来た」とか、「店長を応援しに来た」という方もいらしたんですよ。
スポンサー企業の方も、当日「私も協力したい」と申し出てくださる方もいらしたんですよ。スタッフは当然ですが、スポンサー、お客さまの思いが1つになったイベントだと思います。
1,600人もの来場者があったのにクレームはゼロ。その秘密は「接客力」にあり
――1,000人を超える方が来場すると、現場は混乱しませんでしたか?
混乱はありませんでしたが、会場では店舗と同じような接客ができないので、トラブルが起きるかもしれない…という不安がありました。そこで何が起きても対処できるように担当の社員をスタンバイさせていました。でも、実際には担当者の出番はありませんでした。
1人あたり7~8分の施術時間しかないにもかかわらず、みなさんに満足していただけたのは、技術力の高さと接客力の高さがモノを言ったのだと思います。
――普段、施術をしている店舗と今回の会場とでは勝手が違うので、スタッフのみなさんも大変だったのでは?
会場のそれぞれのブースには備え付けの鏡がなく、使用する化粧品も2月に発売される新商品なので初めて触れるもの。イベント本番の前に研修が必要でした。
全員の研修は難しかったので、関東エリアの店長たちをイベント前日にスタジオに集めてシミュレーションをしました。その動画を撮影して、研修に来られなかったスタッフに送ったんです。当日、「新幹線の中でずっと動画を見てました」とか「何回も見直したので、頭にしっかり入っています」とか、頼もしいことを言ってくれたんですよ。ほとんどのスタッフはリハーサルなしで当日を迎えましたが、彼女たちが積み重ねたキャリアのおかげで対応できたのだと思います。
会場を盛り上げた、アトリエはるかに縁のあるスペシャルゲストたち
――スペシャルゲストのトークショーやダンスショーなど、目白押しの内容でしたね。
普段からアトリエはるかのサロンを利用してくださったり、商品をご愛用してくださっている方々にお声がけしました。みなさん、サロンの雰囲気や商品のことをよくご存知で、会場を盛り上げてくださいました。
――大がかりなイベントなのに、何となくアットホームな温かな雰囲気があったのは、ゲストを含め、みなさん縁のある方々だったせいかもしれませんね。
お客さまとスタッフの信頼関係はとても深いと思います。LINEでこのイベントの告知をしたとき、私たち事務方の人間は「集まらなかったらどうしよう…」と不安しか感じていませんでした。でも現場のスタッフたちは「アトリエはるかのお客さまは絶対に来てくださるから、120%大丈夫!」って、ものすごい自信を持っているんです。スタッフの言葉通り、ほんの2時間で予約が埋まり、キャンセル待ちのお客さまが2,000名もいらっしゃいました。
お客さまはサロンを信頼して通ってくださっているし、スタッフもお客さまのことを信じているんです。だから通い続けてくださっているんですね。
――スタッフのみなさんで世界記録をつくるイベントが終わりました。みなさんはどんな思いだったのでしょうか?
1,600人もの眉メイクを短時間でこなすプレッシャーと慌ただしさで、会場はどんな雰囲気になるのか…と思っていたら、どの店長もすごく楽しそうだったんです。腰をかがめる姿勢をずっと続けていたので、みんな腰への負担はかなりありましたけれど(笑)。この達成感は宝物になると思います。
――栁井さんが考えていらっしゃる、今後の予定を教えてください。
今回は縁のある方の力をお借りして、眉カット世界一になるイベントを行いました。今後はメディアを活用しながら、眉カット文化をPRしながら、さらに私たちが獲った世界NO.1の技術を、アトリエはるかの店舗がない都道府県にも広めたいです。
栁井さん流! 大がかりなイベントを成功させる3つの秘策
1.イベントではいちばんの強みや魅力を生かし切ること
2.当日の流れや動線はシミュレーションで確認し、全員に共有すること
3.トラブルを想定して常に「万が一」を考えて準備しておくこと
大盛況のうちにアトリエはるかの「ギネス世界記録」達成のイベントは幕を閉じました。記録にチャレンジするイベントのため長時間に及びましたが、誰もが笑顔で、ほどよい緊張感が保たれていました。前編の岩井さんと後編の栁井さんのお二人とも、「また何かに挑戦したい」とおっしゃっていました。スタッフもお客さまも参加できるチャレンジ企画の効果は絶大なようです。