多少の不安があってもチャンスは逃さない。それが成功の秘訣! 【マタニティ整体白金サロン アクシェ 代表・川崎有希子さん】#2

「ゆくゆくは独立したい!」と考えている人に、さまざまな独立の形をご紹介している本企画。前編に続いて、【マタニティ整体白金 サロン アクシェ】の代表、川崎有希子さんにお話しを伺います。ターゲットを妊産婦に絞ったきっかけや、サロンを開くにあたってこだわったことなどをご紹介した前編に続いて、後編では事業を継続させるために必要なことや、今後はマレーシアでも事業を展開するご予定についても伺います。

お話を伺ったのは…
マタニティ整体白金サロン アクシェ 代表
川崎有希子さん

’04年に看護学校を卒業後、看護師として大学病院などに勤務する。産婦人科や美容皮膚科で経験を積むかたわら、ベビーマッサージやマイクロピグメンテーションの資格を取得。‘12年に自宅で妊産婦を対象にしたサロン開き、翌年には移転し現在に至る。

お客さまの悩みをヒントに施術メニューを考案

たっぷりの布にドレープを寄せたサロンの天井。赤ちゃんが育まれる胎内をイメージして、川崎さんご本人が作成!

――今、サロンで行われているメニューはマタニティ整体のほかにヨガやアロマ、ネイルもあります。

私が担当しているのはオイルを使った施術とマタニティ整体です。アロマとヨガとネイルは別のスタッフが行っています。施術をしている間など、お客さまのお悩みを聞いているうちに「こういうのがあれば役に立つかも」と思ったり、自分がお客さまの立場だったら「こんなことをしてもらえたら嬉しい」と感じたものをメニューにしました

対象が妊産婦さんなのでなかなか当てはまるものが少ないのですが、逆にメニューは少なくてもいいと思っています。メニューが多いとサロンのウリが分からなくなってしまいますから。

――サロンを経営なさっている方は人材の確保にいちばん頭を悩ませているようですが、川崎さんはいかがですか?

幸いなことに「求人」したことがないんです。ヨガやネイルのメニューにしても、私のママ友ネットワークから「やりたい!」という方がいらしたので、お願いすることにしました。託児スタッフにしても、ママ友ネットワークでシッターの勉強をしている人紹介してもらったり、看護師の知り合いに聞いたりしています。

――「この人を採用する」という決め手はありますか?

メールやLINEの文章の書き方、お客さまとお話しをするときの話し方、ちょっとした仕草を見ますね。ふとしたときに、心の中が現れるもの。私と考え方などが同じかどうかをチェックしています。

――マタニティサロンが増えてきましたが、他のサロンとの差別化は考えていますか?

何かが起きたとき、すぐに対処できる自信ですね。もちろん何も起こらないことを前提としていますが、私は産婦人科、救命救急科、ICUで看護師として働いてきた経験があります。万が一のときに備えられる知識があることは、他のサロンと違うと思います。

あとは自分が実際に子育てをしている経験もあるので、お子さんのお悩みに寄り添えることですね。お子さんの成長や発達のこと、保育園や幼稚園に関する情報、習い事のこと。お子さんに関するお悩みはお客さまによって違います。そのひとつひとつにアドバイスしています。施術で身体をほぐすだけではなく、メンタルを安定させることも大切なことなんです。

――1つの場所で長く続けるのは大変なことだと思います。何か秘訣はありますか?

東京都内のなかでも港区は子育てに優しい街なんです。ここ白金もファミリー層が増えています。そのなかでママ友の口コミでお客さまの輪が広がり、次のママさんにもバトンタッチしてくれているんです。ありがたいことに、それがずっと続いているんですね。1人1人のお客さまに、心を込めて丁寧に接することが次につながります。私の仕事は地域の産前産後の女性を対象にしているからこそ、口コミが大事なんです。『「産後、たいへんな時期はとりあえずここに来れば大丈夫」と先輩ママに言われて来ました!』という方もいらっしゃるのは励みになります。

白金には昔からずっと住んでいる方たちのネットワークもあって、その方たちとの絆も大切にしています。自治会でハロウィンのお祭りがあれば、その日は仕事をお休みして子どもたちが自由に遊べるようにサロンを開放しているんですよ。子どものお迎えや買い物で通りを歩けば、必ず誰かしら知り合いに出会います。地域ぐるみで助け合えているのも、事業を続ける上で大切なことだと思います。

自分の足りないものに気づいて補う。この能力が大切

子どもたちの遊び場には遊具がいっぱい。遊びに夢中になって、帰りたがらない子どももいるとか。

――業績が順調だと店舗を増やしたり、拡張するサロンが多いですよね。

私も2人目の子どもを出産する2年ほど前から、店舗を増やしてスタッフを育てたいと思っていました。ただ、私のマッサージや整体の手の感覚を共有するのはすごく難しい。弟子を育てるのは私には向いていないことが分かりました(笑)。そこで、私と同じことができる人間を育てるのではなくて、私ができないことをできる人を雇うことに決めたんです。

実は、数年後に家族でマレーシアへ移住することに決めているんです。5年ほど前から海外に駐在している日本人のご家族を対象にしたサロンを開きたい…とずっと思っていました。主人はコスパの良いことが大好きで、マレーシアはまさに理想の国(笑)。落ち着いた環境、子どもたちの学校のことを考えてもこの選択は間違いないと思っています。文化や宗教の違いがあるので、慣れるまでは日本人の移住者を対象にサロンを開く予定です。

――白金のサロンはどうなさるんですか?

ここはもちろん残します。マレーシアと日本を行き来しながら、仕事の幅を広げられたら…と考えています。どうするか迷っていることや将来の夢は、形になっていなくてもどんどん口にする方が良いですよ。私も海外移住のことを、いろんな人に話しました。そこからどこまでも広がっていくものなんですね。周りからいろいろな情報やサポートが集まっています。

まだ漠然としている夢や希望も、繰り返し言葉にすると自分の中でイメージが膨らんでくるものです。言葉にしていると、夢は叶うと私は信じています。

――川崎さんのようにサロン運営を順調に続けるには、どうすれば良いのでしょうか?

スタッフもお客さまのこともリスペクトすることだと思います。私には「嫌いな人」がいないんです。相手の良いところを見つけるのが上手いのかもしれません。いつも謙虚で、周りの人を大切にすることです。そして自分だけではなく、スタッフにもファンがつくように気を配ることも重要です。

――起業するために必要な心構えはありますか?

「石橋を叩いて渡る」ということわざがありますが、叩きすぎてタイミングを逃してはもったいない!チャンスが来たら、多少の不安があってもその波に乗ることです。先のことは誰にも予測はできません。尻込みしないで前に進める人でなければ、起業はお勧めしません。

起業したら、自分と他の人を比べないことも重要です。実は私も子どもを産む前は、いろいろなことを他の人と比べては落ち込むタイプでした。比べる必要なんてありませんし、「比べない方が上手くいく」と気づいたときから、全てのことが前向きに変わりました。失敗が怖いのは、「人にどう見られるか」という不安ではありませんか。比べるなら前の自分と今の自分です。そう考えたら、チャレンジするのも怖くなくなると思います

川崎さん流! 起業を成功&継続させる3つのポイント

1.自分ができないことは、人に任せて補ってもらう

2.人のつながりや地域のつながりを大切にすること

3.多少の不安があっても、チャンスが来たら逃さないこと

起業すること、経営を軌道に乗せること、海外に仕事と生活の拠点を移すこと…と着実に夢を叶えている川崎さん。失敗を恐れずにチャレンジし続ける川崎さんの前向きな姿勢に、周りの人たちも応援したくなってしまうのかもしれません。「自分と他の人を比べない。比べるなら以前の自分」という言葉は、気持ちが前向きになる原動力になりそうです。

撮影/森 浩司

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Salon Data

マタニティ整体白金サロン アクシェ

住所:東京都港区白金1-25-15 平野ビル202
電話:090-2246-7413
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