手からも会話の中にもその人を感じられる仕事 整体師 深津ミツさん#2

専業主婦時代、マルシェでの体験をきっかけに整体師の道を歩み始めた深津ミツさん。自らの施術でお子さんの不調が上向いた経験から「母も子もやりたいことを存分に」というコンセプトのもと、母も子もやりたいことを十分にできるための体とメンタルを作る整体師として活動中。

この後編では、おうちサロンを起業するにあたり参加するコミュニティメンバーの支えが心強かったこと。往復2時間かけて来店してくれるリピーターもいる理由など伺います。 

絶対できると信じてくれる人が近くにいる

「コミュニティで学ぶうちに、自分は自分と思えるようになった」  

――おうちサロンをやるまでには迷いもあったとか? 

家族が住んでいるスペースでサロンをやること、自宅が駅から遠い山の上にあること、小さい子どもがいることなどいろいろと不安はありました。 

――その不安はどうやって払拭されたのですか。 

女性の自立をテーマにしたコミュニティに参加しているのですが、そのメンバーに背中を押してもらいましたね。おうちサロン、料理教室、ヨガ講師などいろんな活動をしている人がいて、わたしと同じように子育て中のママもたくさん。その方たちが根拠のない(笑)「できるよ。大丈夫だよ」を笑顔で言ってくださるんですよ。それで「本当ですか。できますか」みたいな気持ちになってきたんです。 

――それで一念発起したのですね。起業にあたり自身を世に出すことに勇気が必要だったという投稿を拝見しました。

そうなんです。整体師の顔が見えたほうがお客様にとって安心感があるのは分かっていましたが、限定された場所以外のところに自分の顔を出すのが怖かったんです。でもコミュニティメンバーの活動を見て、世の中に顔を出して仕事をすることが当たり前の時代になっていることに気づかされました。

――世に顔を出し、順調なスタートを切ったのでしょうか。

起業した後、お金をいただくまでが大変なんですよね。どうやったらお客様が来てくれるのか悩んでいたところ、コミュニティのメンバーがチラシを作ってみたら、マルシェに出店してみたらと誘ってくれて、集客のためには何が必要かという質問を投げかけてもくれました。

チラシやインスタを見て、和室でのんびりできそうだとか、子連れでも行けるんだというお客様が徐々に来てくれるようになりました。その方たちがご家族や近所の方に口コミしてくれて現在もリピーターになってくださっています。

――コミュニティの支えが大きかったのですね。

絶対できるよと信じてくれる人が近くにいるってすごいことなんだと後になって気づきました。一人だったらここまで来れてないと思います。

コミュニティは自分がどうしたいかをたくさん投げかけてくれる場所なので、自分と対話する時間が増え、自分が理解できてくると、その結果人の気持ちも考えられるようになってくる。

どこか痛いところがあったとき、それは単に体の痛みなのか、それともやりたいことができずに悶々としているのか。その方の状況をすごく考えながら施術や会話をするようになり、それからリピーターが増えてきました。リピート率が高いのがうちの特徴だと思います。

カウンセリングはしないんです

「気持ちを吐いていかれるのはすごく大事だと思っているので話しやすい雰囲気づくりは心がけています」

――お客様の声にはどんなものがありますか。

「これで次来るまでまたがんばれる」「家から遠いけどまた来たい」「帰りは足が軽くなるのが分かってるから歩いてきました」などなど。

90分の施術のために往復2時間かけて来てくださる方もいるので、そこは自分を認めてもいいのかなと思います。もちろん私のところに来てくれたらいいよという自負はありますが、近くて安い施術を何回も受けたい方は駅前のサロンへ、のんびりとお気持ちの整理をしたい方はぜひうちへ。その方が健康でいられる選択ができればいいなと思います。

――カウンセリング重視というわけでもないのですか。

カウンセリングはしないんです。カウンセリングシートを管理する能力がないので(笑)。最初に既往歴や触れないほうがいいところだけ聞いて、あとは整体しながらお話しています。

――茨城の別宅サロンって?

2ヶ月に1回ぐらい、実家の和室で家族や近所の方に施術させてもらっています。孫にも会えるし整体も受けられると家族は喜んでくれていますね。私が帰省しない月は、母が鎌倉まで来てくれるんです。子どもも大きくなってきたので、毎月わたしが行く日を決めて、近所の方にも整体ができたら、親孝行にもなるかなと思っています。

手からも会話の中にもその人を感じられる仕事

ミツさんの仕事道具は、この大きくて温かい手。

――整体師の魅力はどんなところだと思いますか。

手からも会話の中にも、その人を感じられるところ。相手と一対一で向き合う整体師は、相手を思いやるホスピタリティの高い、とても価値のある仕事。そこが魅力だなと思います

ひとりでできる仕事なので自分で予定を決められるところもいいですね。子育てはもちろん何かしながらでもできますよね。

――では目指す人へメッセージをお願いします。 

なりたい理由がはっきりしている方にはぜひ整体師を目指してほしいと思います。そしていい施術をするために、まずは自分を大事にしてほしい。施術する側のメンタルはお客様にも伝わってしまうので、自分がズーンってしながら整体してもお客様は健康になれない。

わたし自身、子どものイベントがひとつ終わるごとに体調を崩してしまうような弱さがあったんですが、整体を学ぶことで健康度が上がって穏やかなメンタルを保つことができるようになりました。そうなれたことで、整体師として立っていけるなと思えたんです。

――最後に深津さんにとって働くとは?

会社員時代、働くのが嫌で嫌で仕方がない時期もありましたが、10年専業主婦をしてみて「働きたい」ってすごく思えるようになったんです。子どもが小さいうちは思うように働けないし、健康でないと働けない。働くことは、当たり前ではないんだということが分かりました。だから、わたしにとって働くことはありがたいものですね。

深津さんが整体師として充実している理由は

1.「母も子もやりたいことを存分に」コンセプトが明確

2.オイル不使用手ひとつの施術が自分に合っている

3.他人と比べず自分のあるべき姿を理解している 

以前は他人と比べて落ち込むことも多かったそう。「母も子もやりたいことを存分に」この唯一無二のコンセプトを掲げ、自分の道をまっすぐ歩む深津さんでした! 

撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子


1
2


Check it

氣功整体まめまめ屋 
整体師 深津ミツさん

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの整体師求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄