忙しない都会の中だからこそ安らげる空間を、お店づくりへの思いとは【ヘアサロン Luana.オーナー 中澤淳力さん】#1
中目黒のマンションの一角に佇む隠れ家美容室「Luana.」オーナーの中澤淳力さん。
痛んだキューティクルを整え復元させていく復元技術の資格を持った“ヘアニスト”のお一人。独立してから１３年。忙しなく進んでいく都会の中でゆったりとした安らげる空間を作りたいと、自分が理想とするヘアサロンのスタイルを続けている。
前編では、美容師になったきっかけやサロン立ち上げの経緯、ヘアニストとしてのお話をお聞きしていきます。
教えてくれたのは…
「ヘアサロン Luana.」オーナーの中澤淳力さん。
２２歳でスタイリストデビュー。２５歳で店長、２８歳で総括店長と経て３２歳で独立。
中目黒に「ヘアサロン Luana.」をオープンさせた。キューティクルを復元させる唯一無二の技術を持ったヘアニストの資格を持っている。
気づいたらのめり込んでいた美容師という仕事
美容学校へ行き出してからぐんぐん成績が伸び、学ぶことが楽しくなっていったと語る中澤さん
――なぜ美容師になろうと思ったんですか？
地元が群馬なんですが、田舎者だったので都会への憧れが強かったんです。それで東京へ行ってみたいなと。当時、髪を切ってくれていた美容師さんがすごく優しくて「東京はいいよ〜」と色々教えてくれて、それで後押しされたのも大きかったですね。
――その美容師さんのおかげで興味を持ち始めたんですね。
些細なきっかけではありましたが、それで東京の美容学校に行き始めてからどんどん面白くなっていった感じですね。自分でも想像以上に成績が良くなっていて、皆勤賞で母親もビックリみたいな（笑）。気づけば美容の世界にのめり込んでいました。家業でも美容師一家だったわけでもないんですが、いざ飛び込んでやってみたらハマっていったという感じです。
――きっと天職だったんでしょうね。
友達や周りから「中澤くん凄いね」って言われるのもきっと嬉しかったんだと思います。
その後に渋谷にある「Prego」というお店でインターンとして働き始めて、アシスタント３年、スタイリスト１０年という感じで１３年ほど勤めていました。
独立というチャレンジ、自分が理想とするお店づくりへ
「僕自身がマイペースなのもあって、お店もゆったりとくつろげる空間にしたいたと」
――そこから独立しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか？
美容師として働き始めた頃から、ゆくゆくは独立したいとずっと思っていました。自分のお店を持ちたいなという思いは強くて。あとは、子供が生まれたというのも大きかったですね。子供との時間も大切にしたいと考えた時に自分のお店なら融通をきかせることも出来るので、色々環境を作りやすいかなと、チャレンジした形です。
当時のオーナー中村氏のご好意で「今付いているお客さんは、独立してからもそのまま自分の顧客としてやってもらって大丈夫！」と言ってくれたんですよ。それもあったので、お客さんの通いやすさを考えて渋谷の近くで場所を探しました。
――そういう経緯があったんですね。それで実際はなぜ中目黒に？
資金や自分の予算に合わせて色々探していた時に、ちょうどここの物件を見つけたんです。
路面ではないですが駅近で、中目黒なら渋谷からも近いのでお客さんも来やすいだろうなと思ってここにしました。
――そうだったんですね。お店の雰囲気もハワイアンテイストで素敵ですが、こだわりを凄く感じられます。
そうですね。都会って凄くカツカツしているじゃないですか、忙しないというか。そういう中でものんびりできる空間がいいなと思っていて、来てくれる方がくつろげるようなそういうお店に出来たらいいなと考えて作りました。僕の性格もマイペースですし、やっぱりゆっくりしたい思いがあって。
お店の名前もハワイ語でくつろぐやリラックスという意味があります。最近はあまり行けてませんが、ハワイが好きなんです。
――中澤さんの思いがお店に込められているのが凄く伝わります。オープン当初の集客の状況はどうでしたか？
ありがたいことに、前の店舗からのお客さんが８割以上ついて来てくれたのもあったので、そこはだいぶ助かりましたね。順調にいっていたとは思います。
もちろん大変なこともありますが、独立して自由にできる分、やってもやらなくてもそこは全部自分の責任です。それで一人でやって来ましたが、出来ることならスタッフが欲しいです（笑）。
唯一無二の資格を持った施術者「ヘアニスト」として
「通常のトリートメントは、中身や値段が時代ごとで変わることがありますが、キューティクルの再生は変わらないので、技術に自信を持って長く提供して行ける」と中澤さん
――中澤さんが資格を持っている“ヘアニスト”とは？
分かりやすく言うとキューティクルを再生させると言う技術なんです。
独立をするタイミングで、何か特化した技術を持っていないとダメだなと思い、カット以外にも取り柄が欲しくて色々考えてたんです。
髪が綺麗な方ってやっぱりそれなりの努力をみなさんしているので、ただトリートメントを上手くやれるだけじゃ他のサロンと差別化できないし意味がないなと。それで色々と探してやっていくうちにこのヘアニストと言うものに出会った感じです。
やればやるだけ髪にも結果が出るので、高い意識を持って髪質を改善したいと言うお客様にはぜひ満足して欲しいなと思い、メニューとしても取り入れました。
――メニューに取り入れたことで、経営上何か変化したことはありましたか？
他店では体験できないメニューなので、よく調べて興味を持ったお客様がきてくれるようになり新規集客に繋がった事と、続けることで髪が綺麗になるのでリピート率も向上にも。その他のメニューにプラスして行うことができるので客単価も上がりました。
あとは、自信を持ってホームケア商品をお勧めしているので、店販売上は良くなったと思います。
――何か一つ取り柄をもつことで売り上げ向上にも繋がる、素晴らしい事ですね。
ヘアニストに関しても知れてよかったです。
そうですね。継続的に短期集中でやっていただくと、どんどん髪は良くなっていくので。
中澤さんのお店には美容院には珍しくキッズルームもあったりと、育児に忙しいママパパ達も安心してくつろげる、みんなが癒されるそんな素敵なお店作りをされているのがすごく伝わって来ました。後編では、ご自身の働き方についてや今後の展望などお聞きしていきたいと思います。
取材・文／笠原由布子
撮影／SHOHEI
