人気を集めるヘアアレンジ動画で愛媛から美意識の継続をサポート【美髪クリニック Courbe 代表 水野年朗さん】#2

前編に続き、「美髪クリニック Courbe」のオーナーとして、愛媛県松山市で活動している水野年朗さんにインタビュー。

後編では、フォロワー数26万人を超えるSNSでの発信を始めた経緯や、地方でサロン経営をするうえで大切なことを教えていただきます。

お話を伺ったのは…
美髪クリニック Courbe 代表 水野年朗さん

愛媛県松山市の美容室で15年勤務し、2019年に「美髪クリニック Courbe」をオープン。2020年、完全独立するかたちで「Courbe」代表に。2016年から投稿し始めたヘアアレンジ解説が人気を集め、セルフアレンジ本『TOSHI’S 5min. HAIR MAGIC』の出版やセミナー活動なども行う。

Instagram:@mizunotoshirou
ブログ:mizunotoshirouオフィシャルブログ

お客様のために始めたスタイリング動画がバズる!

ヘアアレンジセミナーの様子。 SNSで人気を集めた結果、東京や大阪などでの講習活動も増えたそう

――水野さんはSNSでのヘアアレンジ投稿で人気を集めています。発信を始めた経緯は?

サロンでの仕上げ時にはいつも、スタイリングやヘアアレンジの仕方をお客様に伝えていました。でも次の来店時に確認すると、「どうするか忘れてしまってできなかった」という方が多かったんです。SNSで巻き方やアレンジを発信することで、その投稿を見てスタイリングやヘアアレンジにトライしてもらえるかもしれない。それが発信を始めたきっかけです。

自分のお客様に喜んでいただく手段としてスタートしたので、思った以上に反響があって驚きました。家でのスタイリングの仕方がわからない人がたくさんいて、こういう情報が求められていたんでしょうね

――反響が大きくなったきっかけや取り組みはありましたか?

何かがバズった…ということはなく、ジワジワと再生数が上がりだしたので、狙った投稿があったわけではないんです。あえて言うなら反響が出やすいのは、「残念くるりんぱにならない方法」や「失敗しない〇〇テク」のように、少しネガティブなタイトルのものですね。同じ投稿でもタイトルを変えるだけで見てもらえるようになったので、そういうテクニックはあると思います。

――SNSの人気がサロン営業に影響したことは?

講師活動やメディア露出が増え、本の出版などの依頼もいただきました。その結果、既存のお客様でヘアアレンジを希望される方や、カットカラーなどの施術でも新規のお客様が増えましたね。旅行や式典などの際、県外から愛媛に来るタイミングで、思い出して予約いただけたり。でも元々SNSは既存のお客様のためにしていたことでもあるので、新規の方は制限したり他のスタッフを紹介したりすることもありました。

サロン経営で大切なのは「求人・集客・次回予約」

「Courbe」の求人専用サイト。 サロンコンセプトがしっかり伝わるよう作りこまれています

――地方でサロンを経営するうえで大切なこと3か条を教えてください。

1.求人
「Courbe」を始めた当初、スタッフの入れ替わりが多かったんです。これは最初の面接のときに、僕がうまくサロンコンセプトを伝えられなかったことや、とにかく人手が足りず応募してくれた人を断れなかったことも大きかったと思います。そんな苦い経験から、求人に力を入れるようになりました

「Courbe」は女性の働きやすさを意識しているので、ブランクがあったり育児中でも安心して働ける環境づくりなど、待遇の改善をしました。またサロンコンセプトがきちんと求人サイトで伝わるように、自社でもサイトを作りこみ、他の求人サイトも使って露出を多くしました。

そうすることで応募の分母が増やせるし、ちゃんとサロンコンセプトに合った人を選べるようになったんです。きちんとマッチングすることで、離職率が下がりサロン運営もしやすくなりました

2.集客
集客のために取り組んでいるのは、ホットペッパーとGoogleマイビジネスのクチコミを増やすこと。クチコミをしてもらうために、ホットペッパーではプレゼントを用意しています。でも一番大切なのは、継続してお願いすることだと思います。一定期間だけクチコミを強化して止めちゃうサロンは多いんですが、クチコミが1年前とかで止まっていると逆効果なんです。だからうちでは粘り強く続けています。

3.次回予約
お金をかけて集客をしても、リピートしないといけません。そのためには、次回予約の徹底が大切。これはサロンコンセプトともリンクする部分です。トリートメント効果の持ちや髪の伸び具合、スタイリングのしにくさが出てくる時期など、次回来店のタイミングをしっかり説明します。その場での予約の場合少し割引もしていますが、結果としてそれが売上にもつながっていますね。

地方開業は、自分の理想、得意なことに特化したメニューで差別化を

水野さんは自分の理想を追求した 「美髪クリニック」という差別化で地域でのサロン経営が軌道にのりました

――今後の展望を教えてください。

スタッフも増え、拡張移転することもできました。ビジネスとして多店舗を経営したいという野心的な気持ちはないのですが、今後またスタッフから要望があれば、店舗を増やしていくことも考えています。

だから今後も、多くの女性に髪の重要性やスタイリングの楽しさを伝えていきたいというのが一番大きいですね。そのための発信も、もっと力を入れていけたらと思っています。

――これから地方で独立開業を目指す方にアドバイスをお願いします。

お客様がたくさんいて独立後もそのまま引き継げるなら問題ありませんが、ゼロからのスタートであれば何か特化したメニューなどを作るのもいいと思います。僕の場合は髪質改善ですが、メンズサロンとか、明るいカラーに特化したサロンとか、何か得意なことに特化すると、お客様も選びやすくなり集客のきっかけになるんじゃないでしょうか。

あと僕の経験からですが、最初に見栄を張ってお金をかけすぎないこと。自分の理想のサロンを作りたいと思うと、いつの間にか費用がかさんでしまうので(笑)、まずは見栄を張らずに。僕も当時はイヤだったんですが、今だったら居抜きの物件を選ぶし、固定費を下げることを考えます。逆にスタッフの給料や求人費にお金をかるほうがいいと思いますよ。

また1店舗目の設計は、次の展開を考えて決めたほうがいいと思います。例えば店舗を増やしていくなら、1店舗目も6席くらいはあったほうがいいなとか、マンツーマンサロンで1店舗だけでやっていきたいなら2席あればいいなとか。

最後に、僕は求人が一番大変だったので、スタッフを雇うのであれば早いうちから手を打ったほうがいいです。いろんな求人媒体を見て勉強し、どんな発信をしていくのかを考える。集客のことは考えるけど、求人を甘く考えている人は多いと思います。でも地方ではとくに、求人は集客と同じくらい大切なことなので、意識してみて欲しいです。


オープン当初にたくさん思い悩んだからこそ、さまざまな取り組みをしてきた水野さん。リアリティのあるアドバイス、ぜひ参考にしてみてください。

取材・文:山本二季

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Salon Data

美髪クリニック Courbe
住所:愛媛県松山市道後樋又1-28
電話:089-989-7917
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