面接を想定し、志望動機と自己PRを固めて!/株式会社エターナル #2
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
前回に続き、就活生からも人気の高い「AFLOAT」を運営する株式会社エターナルの採用担当・守道さんにお話をお聞きします。
#2では、第一関門となる書類選考について。書類の重要性、力を入れるポイントなどを教えていただきました。
お話を伺ったのは…
株式会社エターナル 準執行役員/LallYou 渋谷 代表 守道さん
美容学校卒業後、株式会社エターナルに入社。2022年より準執行役員、「LallYou 渋谷」代表に就任。アシスタント時代からグループ内のリクルートチームに所属し、就活生の対応などに関わる。現在はグループ全体のリクルート担当として、リクルートイベント登壇をはじめとする採用活動に携わっている。
提出書類はアピールしたい自分らしさを
採用側が想像できる内容に
――今回は採用に応募するときの履歴書についてお聞きします。
エターナルグループさんでは、Googleフォームを活用しているとのことでした。
重要度というのは、どの程度ありますか?
基本的には、履歴書となるGoogleフォームの内容によって落選することはありません。記入いただくGoogleフォームの役割は、書類選考のためではなく、一次面接のときに見る資料と考えているんです。
もちろん、全然ヤル気が感じられないような殴り書きしたような内容や、あの有名人が来ているから…という内容であれば、お断りすることもあると思います。でも今のところ、そういったことはありません。
――Googleフォームの記入項目内で、とくに目を通すものはありますか?
面接するにあたり、志望動機とこれまで力を入れてきたこと、自己PRの項目はきちんと目を通します。志望動機では、会社に対する意欲が感じられるかを見ています。また、これまでどんな取り組みをしてきたか、何に力を入れてきたかを書く項目があるので、その内容から人物像を想像するんです。
例えば「運動部で全国大会に行った」というものなら「忍耐力があるのかな」と想像できるし、「いろんなバイトで経験を積んだ」と書かれていれば「併行したなら努力家だけど、短期間で転々としているなら心配だな」と分析したり。その想像した人物像の答え合わせを面接で行う感じです。
自己PRでは、美容学校でどんな風に頑張ってきたかを書いてくれる子が多いです。と言っても、例えば「コンテストで1位をとった」という内容だとしても、「優秀だから合格!」となるわけではありません。もちろん加点される部分はありますが、それは「そこまで頑張れる力がある」という受け取り方になります。
「努力ができそう」と感じるエピソードは高評価
――履歴書類全体を通して、好感を持つ共通点はありますか?
「何かしらの努力をしてきた」というのは、好感度が高いです。
どんな仕事もそうですが、社会人になってから初めて現実を知る面もあると思います。学生でも「美容師は大変」と聞いているし知っているけれど、本当の大変さは実際に働いてみないとわからない。働き始めて、本当の大変さ、おもしろさなどが味わえるんです。そのためには、「やめない力」「踏ん張り続けられる力」が重要なんですよね。
だから、いろんなことを頑張ってきた子、何かしらを一筋でやってきたという子は、みんなからの評価は高いと感じます。
――「ここに力を入れると通過の確立が上がる」というポイントはありますか?
まず志望動機を明確にすることが大切だと思います。単純な志望動機だと、いろいろ受けているうちの1つなのかなという印象を受けます。「どれほどその会社に入りたいか」という熱い想いが伝えられるかは、とても大切です。
また面接でも口頭で自己PRをしてもらうので、それを想定したうえで履歴書のPR項目も書けるといいかもしれません。1つでも自信を持って「自分が頑張ってきた」と言えることを、履歴書でもきちんと書いておけると、面接時の評価も上がりやすくなるんじゃないでしょうか。
志望動機につながる「会社への理解」を深めるには
実際にサロンを見て、働いている人と話すこと
――守道さんがこれまでに印象に残っている履歴書はありますか?
書類の履歴書の時代は、やっぱり字がキレイだと目に止まりましたね。今はGoogleフォームなので、印象に残りやすいのは自己PRに載せてくれる写真でしょうか。ちょっと注目してしまうような、個性を感じる写真は印象に残ります。
――悪い印象を持った例は?
前述のとおり、殴り書きのようなものや、ミーハー心が前面に出ているもの。あとは新卒の場合、応募時に学校の成績表を送ってもらうんですが、欠席や遅刻の多いものは悪い印象を持ちます。多分どこのサロンもそうだと思いますが、欠席や遅刻が多い人は絶対と言っていいほど採用されません。成績が悪いかどうかよりも、出席率のほうが重視されると思います。
――書類の精度を上げるためにアドバイスするとしたら?
とくに志望動機を固めるためにも、ぜひ直接話を聞きに来て欲しいです。サロン見学もしていますし、お客様として来ていただいてもいい。ガイダンスや会社説明会、就活イベントなど、年間を通して直接お話する機会は意外と多いんです。
やっぱり、ただ聞いたことがあるとか、ネットで見ただけじゃなく、実際に自分の目で見て、働いている人間と直接話したほうが、会社の良さを知ってもらえると思います。そのうえで、自分が良かったと感じたことを、自分の言葉で固めていけたら、書類はもちろん面接でも有利になるんじゃないでしょうか。
採用される履歴書のポイントまとめ
1.志望動機を明確にする
2.面接を想定した自己PR
3.学生時代から遅刻・欠席をしない
次回は、採用される面接のポイントについて詳しくお聞きします。
取材・文:山本二季