【子育て応援メソッド】「ママが幸せにネイリストの仕事を続けるために」セミナーを開催 ネイリスト 堀智子さん♯2

自宅サロンを運営する傍ら、週2で他のネイルサロンに勤務し、O・P・Iネイルデザイナーとしても活躍されているネイリスト・堀智子さん。

前編では、ひとりになりがちな自宅サロン運営と、まだ幼い2人のお子さんの育児、そしてコロナ禍と孤独感が増していく中、同業者との繋がりを求めて活動の場を広げていった過程とそのメリットをお伺いしました。

この後編では、ママネイリストさんがどうやったら幸せにネイリストを続けていけるのか、堀さんが個々に対応するセミナー「ママネイリスト応援 賢く上手に続けるサロン」の内容についてお話しいただきます。

ママネイリストが仕事に費やせるのは約8時間


短大卒業後、一般企業に就職。並行してネイルスクールで学び、都内有名ネイルサロンに就職。1年後、同僚のネイリストと独立し、渋谷の店舗を共同経営。ママになり10年間続けた店舗から自宅サロンへ移行。現在、東雲ネイルサロン「NAIL chama」オーナーネイリスト、OMVÄG田園調布店パートナーネイリスト、O・P・Iネイルデザイナーとして幅広く活動中。
HP:https://nail-chama.amebaownd.com/
Instagram:@nail.chama @mommy.nail

――堀さんは、ママネイリストさん向けのセミナーを開催されているのですよね。

パートナーネイリストとして所属しているOMVÄG田園調布店で、「ママネイリスト応援  賢く上手に続けるサロン」というセミナーを開催しています。テーマは、「ママがネイリストの仕事をどうやって続けていけば幸せでいられるか」。女性はライフステージによって環境が変わっていくので、ネイリストを長く続けることってけっこう難しいんですね。ライフステージが変化しても辛くならずに、ネイリストを続けるためのアドバイスをさせていただいています。

――どんな形で開催されているのですか?

対面とオンラインがあって、どちらも最大4名様までで開催しています。というのも、わたしが一方的に話すというよりは、受講者さんの環境や今後の理想を聞いて、ひとりひとりにアドバイスさせていただくために少人数での開催になります。

セミナー開催の前にアンケートにご回答いただいて、どういうところが不安で、これからどうしたいと思っているのか、セミナーでどんなことを知りたいのかをあらかじめヒアリングします。そして、参加いただく方の状況に応じて、少しずつお話の内容を変更しています。

OMVÄG田園調布店でのセミナー風景。

セミナーはオンラインでの受講も可能。会社員時代のパソコン知識を生かして資料作り。

――受講者の方は、これからママになる方が多いのですか?

当初は、これからママになる方を想定していたのですが、実際はすでにママという方が多いですね。プレママの段階でママになったときに備えるという方は少なくて、ママになってみて困って動くという方が多いようです。

もともとネイルサロンは、夕方から夜と、土日にお客様がたくさんいらっしゃいます。時間の制限がないネイリストさんは、その時間帯に多く働くのですが、子どもが生まれると働く時間は、保育園に預けられる平日の昼間が中心になります。それをどうやって転換していったらいいのかが、大きな悩みのひとつなのかなと思います。

――講座のコンテンツはどんな内容ですか?

働く時間が限られているママネイリストさんが、幸せにネイリストを続けていく。そのために、最終的には収益の話に重きを置くことになります。時間単位の利益率をどれだけ上げていけるか、固定費をどれだけ下げられるか、集客がちゃんとできるか、そして集客したお客様を逃さないためにはどうしたらいいかというお話をしています。

アートなどの技術系の話は得意だけれど、時間やお金の感覚、経営面は苦手なネイリストさんが多いんですね。ざっくりでやってきている方が意外と多いという印象です。24時間すべて自分のために使える方はそれでもよいのですが、ママになったときにそれだと立ち行かなくなります。体力がある方は、子どもが寝た後に施術以外の別の仕事をこなす方もいますが、結局体を壊してしまったりというパターンも少なくないです。

ママネイリストさんは、まず自分が働ける時間を把握することが必要です。保育園に預けても1日のうちに仕事に費やせる時間は、約8時間ですよね。1日8時間労働で利益をいくら出すためにはと考えると、施術の単価、一日の集客数の目安が出てくるはずなのですが、そこを明確にせずに進めている方が多いですね。

自宅サロンの場合はランニングコストが低いので、続けようと思えばどんな形でも続けられます。でも、店舗を持ったり、どこかを借りるとなると場所代を払っていかなくてはいけないので、きちんと利益を出すことが重要です。

得意な配色提案で作った個性的フレンチ。

次の日から実践できることを提案しています

――受講者さんの反応はいかがですか?

このままじゃまずいな、これからどうしていったらいいだろうと漠然としている方が多いのですが、受講後は「課題が明確になってよかったです」とおっしゃる方が多いです。

受講者さんと対話をしながら、なにに満足していないか? どこに不安を感じているか? どこを変えていきたいか? を突き詰めていって、「じゃあこんなことができるんじゃないの?」、「ここに手をつけてみたらどう?」と次の日からできることを探して手助けをさせていただいています。

――堀さんも小さなお子さんのママですが、ご自身はとてもクリアになっている印象です。

わたし自身、いっぱい迷って、いろんな形を経てきましたから。会社員時代にネイルスクールに通い、ネイルサロンに就職して、そこで出会った人と独立。共同経営時代もお互いに独身の時代もあり、パートナーが結婚して出産した時期には、わたしひとりでサロンを運営していたときもあります。その後、自分も結婚・出産して、サロンに戻ってみたらちょっと厳しいという現実があり、泣く泣く店を閉めて、自宅サロンに移行しました。わたしの経験が少しでもママネイリストさんのお役に立てればいいなと思ってセミナーを開催しています。

ひとりでがんばらないで。繋がりを求めて外に出て

――ママネイリスト情報発信のアカウントを始められましたが、どのような展開になりそうですか?

ママネイリストさん向けのセミナーで出会った方たちから、横の繋がりを作る方法が分からないという声をたくさんいただいたんですね。そのために何かしたいなと思って、まずは「ママネイリスト情報発信」アカウント@mommy.nail を立ち上げました。

個々ではいろんな経験をたくさんしてきているのですが、横の繋がりが少ないためにそこに留まってしまっているネイリストさんたちが多いんですね。これからママになろうとしている人、ネイリストとして何か情報を探している人たちに、「あそこで聞こう」と思ってもらえるようなアカウントになればいいなと思っています。わたしが答えるだけじゃなくて、そこに集まった経験者の方がコメントに返信をしてくれたり、自由にやりとりしてくれるようなアカウントに育ってほしいです。


「ママネイリスト情報発信」アカウント@mommy.nail。「フォロワーさんが声をあげやすいように今後もさまざまな工夫をしていきたいです」。

――最後に、これからママネイリストさんになる方になにかお声をかけるとしたら?

「ひとりでがんばらないで」って思います。ネイリストはひとりで完結できてしまう仕事なので、どうしてもひとりになりがち。実際、ひとりでどうにかしてしまう方が多いのだと思います。そもそも子育ても孤独なところがあるので、さらに仕事も孤独のなかでやったらけっこうシンドイよっていうのがわたしの実感です。だから、できるだけいろんな繋がりを求めて外に出てほしい。人に助けを求めてほしいなと思います。

堀さんがママネイリストさんに伝えたいことは

ご自分の経験を生かして、ママネイリストさんが幸せにネイリストを続けていくためのセミナーを開催されている堀さん。堀さんがママネイリストさんに伝えたいことは以下の3つです。


1. まずは仕事に費やせる時間を把握する。
2. その時間内で収益を上げることを考える。
3. ひとりでがんばらないで助けを求めて。

「あのときもっと知識があったら、もっと経験があったら店舗を締めずにすんだかもしれない」とおっしゃった堀さんの言葉が残っています。ママになるということは、それほど変化が大きいということ。だから、ひとりでがんばらないで。横の繋がりを作ってみんなで考えよう。知っている人に教えてもらおう。困っている人を助けてあげよう。幸せにネイリストを続けるために知恵を出し合おう、と行動する堀さんは声を上げます。

取材・文/永瀬紀子

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