第一志望ではなくても、諦めなければ夢は絶対にかなう!【六本木美容室 常法寺一輝さん】#1
新たな道を切り開くとき、先輩たちはどうやって壁を乗り越えたのかを紹介するこの企画。今回は六本木美容室 白金店のスタイリスト、常法寺一輝にお話しを伺います。
前編では、OCEAN TOKYOの高木琢也さんや三科光平さんに憧れて就活をしたものの、夢が叶わなかったこと。六本木美容室に入社した後も、夢をあきらめきれなかったこと。新たな夢を描くことができたパワーワードについてインタビューしました。
お話しを伺ったのは…
六本木美容室 白金店
スタイリスト常法寺一輝さん
2019年3月に早稲田美容専門学校を卒業。4月に六本木美容室に入社。アシスタント修行を経て、2022年4月にスタイリストデビュー。現在、入社5年目。
高木琢也さんになりたくて、美容師になることを決意!
――常法寺さんが美容師になろうと思ったきっかけは何ですか?
OCEAN TOKYOの高木琢也さんと三科光平さんへの憧れですね。16~17才のころヘアセットに興味を持つようになって、三科さんが上げていた動画を見たんです。めちゃくちゃ上手で、「僕もこんな風にヘアセットができたらいいな」と思うようになりました。
――三科さんとはコンタクトをとったんですか?
サロンを予約して三科さんに切ってもらいました。今まで近所の床屋さんみたいな所でしか切ったことがなかったので、もう感動でしたね。
その後、高木さんや三科さんのような美容師になりたい!という気持ちから、美容専門学校へ進学しました。
――卒業後は、オーシャントーキョーを受けたんですか?
もちろんです。でも落ちちゃいました。そのときは、ものすごく落ち込みましたけど、自分に足りないものがたくさんあるんだろうな…と自分を納得させました。
――その後は、六本木美容室へ?
いえ。実はほかに内定をいただいていたサロンがあって、研修も受けていました。でも、何となく違和感があって、辞退してしまいました。実際に働いてみたら印象とは違うのかもしれないし、今から考えるとすごく生意気なんですけど。
――内定を辞退したのはどのタイミングで?
夏前に内定をいただいて、ずっと研修や実習に参加していました。辞退したのは卒業間近の2月ですね。そこから学校の紹介で六本木美容室に入社が決まりました。
――オーシャントーキョーと六本木美容室はかなり雰囲気が違いますが…?
最初はオーシャントーキョーのような原宿のサロンに勤めたかったんです。内定をいただいたサロンも、実は原宿にあったんです。六本木美容室はエリアも客層もまったく違うので、戸惑いはありましたね。
――六本木美容室のことはご存知だったんですか?
以前から六本木美容室の代表、小松比奈恵は僕が通っていた早稲田美容専門学校と関わりがあって、ヘアショーなどのイベントに来ていたんです。僕からすると、身近な先生というよりは舞台上の先生というイメージでした(笑)。
悶々とした気持ちを断ち切った、代表のパワーワード
――六本木美容室で働くようになって、気持ちはすぐに切り替わりましたか?
ここで頑張って一人前になろう!という気持ちはありましたが、まだオーシャントーキョーで働きたい気持ちも捨てきれずにいました。
3か月の試用期間が終わったタイミングで、代表の小松と面接があるんです。そのとき、「ここで働き続けますか? どうしますか?」と聞かれて、正直に「オーシャントーキョーに行こうか迷っています」って答えてしまったんです(笑)。
――正直すぎます! 小松さんはなんて?
「高木君に憧れるのはいいけれど、オーシャントーキョーで働いても、高木君になれるとは限らないよ」と言われました。「ここでしっかり勉強して、次の高木君になればいいじゃない」って言われたとき、腑に落ちたんです。次の高木さんになりたいなら、オーシャントーキョーでなくても、どこにいても目指せるんだって。ものすごく説得力がありました。
――小松さんの言葉に何を感じましたか?
すごく期待してくれているのを感じました。小松の想いに応えたい!と思っています。
――夢を叶える方向がちょっと変わりましたが、今は何を目標にしていますか?
以前は大きな目標を立てて、それに向かっていくのが当たり前だと思っていました。でも、高木さんのところで働きたかったのに挫折したし、原宿で働くのも叶わなかった。大きな目標を立てるよりも、目の前にある課題や問題を解決していくのが、僕の夢の叶え方なのかも…と思うようになりました。
コロナもあって、2年後、3年後を目標にしても思い通りにならないことが分かったんです。ゆくゆくは独立するとか、ずっと先のことを考えるのではなくて、1~2年単位で目標をクリアしていくのが僕には合っていると思います。
美容師になるきっかけになったサロン「OCEAN TOKYO」に入社することは叶いませんでしたが、それでも前向きに努力を続ける決意をした常法寺さん。
後編では、アシスタントからスタイリストになるまでの技術の壁をどう乗り越えたのか、スタイリストになってから顧客を増やすために何をしているのかなど、率直にお話しいただきました。
撮影/森 浩司