お客様との対話も施術のヒントに。時代とともに進化し続けられる技術者になりたい【TWIGGY.カラーリスト 大島佑介さん】#2

ファッション、アート、音楽など多岐にわたるジャンルを展開するクリエイティブサロン「TWIGGY.」に所属しているカラーリストの大島佑介さんは、カラーリング技術の新しい技法を模索している最中なんだとか。

前編では、カラーリストになるまでの経緯や大島さんに影響を与えた染色家の金井志人(ゆきひと)さんとの出会いについて伺いました。後編では、大島さんがお客様と接する際に大事にしていることやカラーリング技術に関するインプットとアウトプットの仕方をお聞きします。

お話を伺ったのは…
TWIGGY.カラーリスト 大島佑介さん

専門学校卒業後、都内のサロンにてスタイリストとしてのキャリアを築くも、カラーリストに転身。以降、カラーリストでありながら染色家の志を持ったカラーリング施術を行う。今までにないカラーリングの領域を目指している。

目の前にいるお客様の日常を想像し、プラスワンの提案を心がける

大島さんの仕事風景。日々、さまざまなカラーリングが生み出されています。

――大島さんが担当しているお客様の層を教えてください。

年代は幅広く、10代後半から80代まで担当させていただいています。

――幅広い年代の方を相手にするうえで、大事にしていることは?

まずは、目の前にいるお客様が求めているものは何なのか、どういう話がしたいのか、サロンに来店する目的を、なるべくキャッチできるようにしています。それができてようやくお客様が望むスタイルを実現できると考えていて。せっかくサロンまで足を運んでいただいたのなら、お客様が求めているサービスを実現することはもちろん、帰ったとき誰かにを伝えたくなる気持ちや喜びを提供したいんです。

――そういうサービスを意識するようになった出来事があったのですか?

僕自身、今までお客様とのお話を通して学ぶことがたくさんありました。そうした経験から、もらうだけじゃなくしっかり返したい気持ちが生まれたんです。年代関係なく、お客様には「教えていただく」姿勢で向き合っていただいた分は、精一杯お返ししたいですね。いわば、エネルギーの交換とも言えるのかな。

――お客様の要望に応えるために、必要なことは何だと思いますか?

数多あるカラーリング技術を忠実に再現させることよりも、お客様が本当に必要としていることを想像し、提案することが必要だと思うんです。カウンセリングの時間をしっかり設けて、なりたいヘアカラーを元に普段の生活環境、そのときの気分を細かく伺い、観察するようにしています。カラーチャートからどの色にしますか、と選ばせるような次元ではなく、どんな生活をしているのか、どんな洋服が好きなのか、仕事やプライベートの行動範囲を想定しながら進めていますね。

元気がなければ背中を押してあげられる色にするとか、仕事をする環境上、寒色よりも暖色にすると印象が良いのではないかとか。お客様の要望にプラスワンの提案をすることで、僕の価値も出てくるのではないかと考えます

――提案をするにはアイデアは必須ですよね。どういうものから着想を得ているのでしょう?

旅行先での出来事や普段生活している中で感じる景色や色、匂い、雰囲気などから着想を得ています。その土地で見た新しい景色や朝日の光り、その土地の湿度も記憶するようにしていて。例えば、冬場の太陽から透明な光を与えられる環境で映えるのはブロンド。夏は蜃気楼があって歪んで色が鈍るからシャープな色がフィットする、とか。

環境や日常の生活の中で常にセンサーを張ることで、お客様の普段の生活を想像してその周りにいる人にも良い影響を与えられるスタイルの提案ができると考え、ヒントにしています。

――日常生活からヒントを得ているのですね。

生活そのものがヒントになるのでインプットした分、アウトプットが必要です。そのためには、感じたことや学んだことを自分だけのものにせず、周りに発信していくべきだと思っていて。自分の中の容量を空にしていないと、新しいものを取り込むスペースができません。それが創作するにあたって、必要不可欠だと考えています。この行為がカラーリストをしていて、楽しいと感じる部分でもあります。

時代に合わせて進化していけるカラーリストで在りたい

――やりがいにもつながっている?

そう思いますね。TWIGGY.に入社したことは、僕にとって学べる環境や人と出会えたことが大きなきっかけになりました。毎日学びながら、カラーリストとしてできることを模索し続ける環境があることは、僕にとってカラーリストを極めるためには、ありがたいと感じています。

――大島さんにとって、仕事とは?

物心がつく頃には既にサロンにいて、美容と関わりがありました。これからも「当たり前にあるもの」として存在し続けていくと思います。でも、カラーリストとして生きていくなら先人の方のやってきたことをなぞるだけではなく、その先も切り開いて行きたい気持ち。具体的には、自然由来の染料をもっと一般的な選択肢にしていくこと。ただ、実現するには僕1人では到底達成できませんから、周りとの協力を忘れずに向き合っていきたいです。

――これからカラーリストを目指す方へアドバイスを。

最初はスタイリスト希望でしたが、TWIGGY.に入社し、カラーリストの道を選びました。でもそれは無駄だと感じたことはなく、むしろスタイリスト志望のときに悔しいと感じたことがあったからこそ、今の仕事で活きていると思う部分もあって。そうした悔しさや葛藤の感情も創作の源になり得ると、今は感じています。そのときは嫌だったり、逃げたくなったりしても、その後の自分に活きてくる場面があると信じて進んでみてください。頭で考えるよりも、まずは手や身体を動かすこと。それによって見えてくる景色があると思います。

とはいえ、僕自身もまだまだ勉強中の身。一言、一緒に頑張りましょうと言いたいです。お互いに影響し合える関係性を築ける仲間で在りたいですね。

――今後の目標をお聞かせください。

カラーリストとして、僕にしかできないことを考え続け、いつか形にすること。実現のためには、日常での気づきや感情をたくさん吸収するよう意識して毎日を生きたいです。

自分らしく働くために

1.直感を信じて、まずは手や身体を動かしてみる

2.接客というよりもエネルギーの交換をする気持ちで関わる

3.日常に潜むヒントに気づけるようにアンテナを立てておく


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)
撮影/SHOHEI

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Salon Data

TWIGGY.
住所:東京都渋谷区神宮前3-35-7
電話:03-6413-1590

 

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