美容師を経験した後、アイリスト&ネイリストの兼任プレイヤーへ ao.稲垣香子さん#1
ニュアンスネイルの先駆けao.でアイリスト&ネイリストの兼任プレイヤーとして活躍する稲垣香子さん。専門学校を首席で卒業後、憧れの老舗美容室に就職した稲垣さんですが、厳しい技術カリキュラムになかなか合格することができず、一旦美容業界を離れます。
その後、飲食のアルバイトを挟み、再び美容業界の門を叩くことに。カリスマスタッフが作り出すao.の世界観に憧れ、高倍率の採用試験を見事クリア。前編では、稲垣さんの専門学生時代から人気サロンに転職するまでを伺います。
お話を伺ったのは…
ao. アイリスト&ネイリスト
稲垣香子さん
元は器用ではなかったが、自主練を重ね、東京総合美容専門学校を首席で卒業。4年間の美容室勤務の後、一旦飲食店でのアルバイトを挟み、ニュアンスネイルの先駆けであるao.に未経験で転職。一からアイブロウ、まつ毛パーマ、ネイルの技術を習得。2年目となる現在はアイ&ネイルの兼任プレイヤーとして活躍中。骨格や雰囲気に合わせた眉毛提案が得意。
早朝自主練の甲斐あって美容学校を首席で卒業
――美容学校を首席で卒業されたそうですね。
はい。でも元は不器用なんです。専門学校時代、最初の試験の成績がクラスの中でも下のほうで、これはちょっとまずいなと思って、それを機に朝早く登校して自主練するようになりました。練習していくうちに、できなかったことができるようになるのが楽しくて。気づいたら美容学校を首席で卒業することができました。
――努力は裏切らないということですね。元々努力家なのですか。
高校時代の陸上部で、自主練した結果どんどん記録を伸ばした経験があります。それに通じているのかもしれません。
美容師アシスタント4年目の停滞期で転職を決意
――美容師としての就活はいかがでしたか。
一度に複数の面接を受けるのは失礼なことと教えられていたので、いちばん行きたかった一社に絞って面接を受けました。わたしが志望したサロンは老舗ということもあり、面接官も50~60代の男性が多く、すごく緊張したことを覚えています。
グループ面接で質問を投げかけられ、答えの準備ができた人から挙手するスタイル。面接内容は前もって知っていたので、積極的に挙手して準備していた回答を発言。手応え通り、採用通知をいただくことができました。
――美容師になってからのことを聞かせてください。
ここで働きたいと心から思える憧れのサロンに就職したので、どんなことにも前向きに取り組みました。最初のころは大変だなと思うことのほうが多かったですが、日に日にできることが増えていくのはすごく楽しかったです。
――転職を考えるようになったきっかけは?
美容師アシスタントとして4年目を迎えたころ、技術面も厳しいサロンだったのでなかなかカリキュラムに合格できず停滞期に入っていました。向上心が持てなくなり、美容から離れたいという気持ちが強くなって、一旦美容室を退職。とりあえず飲食のアルバイトをすることにしました。
――飲食のアルバイトはいかがでしたか。
言い方が悪いかもしれませんが、わたし以外の誰にでもできるような仕事を1年間やってみて、自分は全然成長してないなと思ったんですよね。このままアルバイトを続けても…という気持ちから、もう一度美容業界に戻ることを決意しました。
カリスマ性のあるスタッフに憧れao.に応募
――美容師からの転職活動について教えてください。
美容師だけにこだわらず、でも美容師アシスタントとしての4年間の経験を活かせる仕事を探しました。このときも同時に何社も受けるつもりはなかったので、まず最初にao.を受けました。
――最初にao.を受けようと思った理由は?
どんなサロンがいいかなとインスタを見ていて、目に留まったのがao.でした。アイブロウサロンやネイルサロンはどちらかというとガーリー系のお店が多いですが、わたしはそういう系ではなくもっとおしゃれなサロンがいいなと思っていたんです。
雰囲気も自分の理想に合っているし、ao.にはカリスマ性のあるスタッフが多く、自分もこんなふうになれたらいいなと思ったのがいちばんの志望理由です。
――採用試験について教えてください。
一次面接では志望動機やどんなデザイナーになりたいかなど聞かれました。その後、オンラインで二次面接がありました。
――オンラインでの面接はいかがでしたか。
家にいながらできるので、リアルと比べてそこまで緊張しなかったと思います。
――二次面接の後は?
サロンで3日間お試し採用期間みたいなものがありました。
――その3日間ではどんなことをするのですか。
渋谷店のスタッフにアイブロウの技術を教わり、モデルになってくれる友達を呼んで実際にやってみるという内容でした。アイブロウはまったく初めてだったので、全然できなくて。わたしは採用してもらえるのだろうかと不安に感じていましたね。
――その3日間の後、無事採用に?
はい。モデルの友だちはすごく喜んでくれましたが、いま振り返ると技術としては全然でした。でも無事採用が決まり、心底嬉しかったです。
後編では、実際に入社してみて感じたことやアイリスト&ネイリスト両方の技術を習得するまで、また兼任プレイヤーのメリットなどをお伺いします。
撮影/山田真由美
取材・文/永瀬紀子