実際に転職してみて、自分に合う会社ってあるんだなと実感ao.ネイリスト&アイリスト稲垣香子さん#2
老舗美容室に4年勤務した後、未経験でアイ&ニュアンスネイルの人気サロンao.に転職した稲垣香子さん。前編では、自主練を重ねて美容学校を首席で卒業したこと、美容師から転職を決意するまで、高倍率のao.の採用試験についてお聞きしました。
この後編では、転職して拘束時間が短くなったことで自分の趣味の時間が持てるようになったことや、未経験のアイとネイルの技術習得まで、また兼任プレイヤーのメリットなどを伺います。
お話を伺ったのは…
ao.ネイリスト&アイリスト
稲垣香子さん
元は器用ではなかったが、自主練を重ね、東京総合美容専門学校を首席で卒業。4年間の美容室勤務の後、一旦飲食店でのアルバイトを挟み、ニュアンスネイルの先駆けであるao.に未経験で転職。一からアイブロウ、まつ毛パーマ、ネイルの技術を習得。2年目となる現在はアイ&ネイルの兼任プレイヤーとして活躍中。骨格や雰囲気に合わせた眉毛提案が得意。
拘束時間が短くなり、趣味のランニングが楽しめるように
――実際に入社してみていかがでしたか。
営業時間は10時~21時ですが、フレックスタイムが採用されているので、勤務時間は8時間。予約の関係で勤務時間がオーバーしてしまっても、その分別の日に早く帰れるので、美容師時代よりも体はラクですね。研修もすべて営業時間内に行われ、休みの日に撮影が入ることもないので週休2日制が守られています。
――思ってたのと違うギャップなどはなかったですか。
へんなギャップはなかったですね。拘束時間がかなり短くなったので、自分の時間が確保しやすくなりました。そのおかげで、いまは趣味を楽しむ時間が持てています。
――趣味はどんなことを楽しんでいるのですか。
高校時代の陸上部仲間とランニングをしています。時間があるときは10キロくらい。ゆくゆくは「走るネイリスト」なんていう売り出し方もありだなと考えています(笑)
――そんな楽しい計画があるのですね。稲垣さんが転職してよかったなと思うことは?
老舗美容室時代と違って、意見が通りやすいのは嬉しいです。例えばこのサロンの内装も、わたしの提案でナチュラルな雰囲気にさせてもらっているんです。自然素材のカゴを置いたり、インテリアに木の素材を使ってみたり、あれこれ考えるのがすごく楽しいです。
お客様の希望を引き出すためにひたすら質問を繰り返して
――ところでアイとネイル2つの技術を習得するのは大変だったのでは?
最初からうまくできるタイプではないですし、どちらも未経験から始めたので最初は大変でしたね。3日間のお試し期間の後、正式採用になり、3ヶ月間はアイブロウとまつ毛パーマの練習をみっちりやりました。
でも眉毛もまつ毛も、毛を扱うのは美容師と同じ。毛に関しての予備知識があったのでアイに関しては入りやすかったかもしれません。
――美容師経験が活かされたのですね。
そうですね。技術面もそうですが、お客様に悩みやこうしたいという思いがあって来店されるのは美容室もアイサロンも同じなので、美容師時代のカウンセリング経験などはすごく役に立っているなと思います。まずは何が悩みなのかをしっかりと聞いた上で、それを改善するためのベストな技術を提供することを心がけています。
――ネイルのほうはいかがでしたか。
眉とまつ毛パーマをひと通り覚えて、入社4カ月目からネイルの練習を始めました。ネイルは本当に初めてだったので、爪の形を整えるファイルの持ち方も分からないし、マシンを触るのも怖くて…。覚えるのにちょっと時間がかかりました。
――初めてのネイルのお客様のことは覚えていますか。
まだ全然自信がなかったので、最初のネイルのお客様のときは「自分にできるのかな? 大丈夫かな」と本当にドキドキでした。最初だけじゃなくて1ヶ月ぐらいいつも緊張していたように思います(笑)
ao.の特徴であるニュアンスデザインは、フレンチのように決まった形や決まった柄ではないので、お客様が何を求めているのかを引き出すのがすごく難しいんです。オフやケアをしながら好きな色は? 好きなファッションは? 普段どんなふうに過ごしているのか?とひたすら質問を繰り返すのですが、カウンセリングでお客様のお好みを掴めるようになるまでには1年くらいかかったと思います。いまもまだまだ勉強中で、探り探りという感じですね。
兼任プレイヤーのメリットはネイルとアイ両方のお客様としてつながりやすいところ
――アイリストとネイリスト、兼任プレーヤーのメリットはどんなところですか。
ネイルとアイ、両方のお客様としてつながりやすいところです。例えば、アイのお客様の施術中に「ネイルもやってるんですよ」とご案内するようにはしているのですが、「じゃあお願いしたいです」と無条件に私を指名してくださる方もいらっしゃいます。それとは逆パターンで、ネイルのお客様が次はアイもということもありますね。
――ふたつの施術はそれぞれ別の日に?
一日で両方やる方もいますし、分ける方もいらっしゃいます。一日で両方やるときは、マンツーマンで全部一人でやるのですが、例えばアイブロウの後にネイルをやって合計2時間半くらいですね。
――兼任プレイヤーの大変なところは?
大きく大変なことはないのですが、ネイルの後に空き時間なくアイの予約が入っていると、テーブルの上のダストとか全部きれいにしないと次のお客様を迎えられないので、ちょっと時間的にバタバタしてしまうことぐらいですかね。
――では最後に転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
実際に転職してみて、自分に合う会社ってあるんだなあと実感しています。
何か変えたい部分があるから転職を考えると思うんですが、転職先でそれが本当に叶うのか。気になっている会社には足を運んで、できるだけ調べることをおすすめします。わたしもao.の面接を受ける前にお客として来店して「実は転職を考えていて」と切り出したらいろいろ教えていただくことができました。
そうやって自分の目で見て、実際施術を受けることでそのサロンを知ることができるので、そこは惜しまず動いてほしいですね。
稲垣さんが転職に成功した3つの理由
1.美容師経験を活かせる仕事を検討した
2.面接前にお客としてサロンを訪れ、しっかりと事前リサーチ
3.未経験でも努力し、ネイル・アイの技術を習得した
元は器用でないけれど、朝の自主練で美容学校を首席で卒業。美容師の経験を活かし、人気サロンの採用試験を見事パス。未経験の転職先でアイとネイルの技術を身につけた稲垣さん。やると決めたらがんばる! それが明るい未来に繋がるのですね。
撮影/山田真由美
取材・文/永瀬紀子