学び・キャリア 2024.12.20

好きなことを追求でき、努力の分だけ身を結ぶ。喜びにあふれた楽しい仕事です　私の履歴書　【サロンオーナー／エステティシャン　小林ゆかりさん】＃2

私の履歴書エステ

アクセスもよく住みやすい、東京都世田谷区と杉並区の境目に位置する京王線下高井戸駅の周辺。この地で小林さんご夫妻が営む「りらく洞ゆうな」は、妻のゆかりさんがフェイシャル中心のエステメニューを、夫がヨガ教室や整体メニューを提供する、顔も体も全身を癒やす地域に根ざしたサロンです。

今回お話を伺うのは、妻である小林ゆかりさん。より自分らしい生き方を求めてOLからセラピスト・エステティシャンに転身し、スキルを磨きながら着実にキャリアを築き上げていくまでをお話しいただきました。

後編では、夫との協業サロンを始めてからの家庭と仕事との両立に関して、そしてご自身のサロンを形作っていく様子などを伺います。

職場やライフステージの変化から、夫との協業サロンをスタート！

夫との協業サロンという形にはなるが、それぞれの仕事に責任を持って取り組み運営している。これもまた、独立の1つの形と言えるだろう

――ご主人との協業により今のサロンの形となるのに、何かきっかけなどはありましたか？

京王プラザホテルのエステ部門が立ち退くことと、妊娠・出産といったライフステージの変化が主なきっかけです。

子育てをしながら仕事を続けるためには、別の場所に再就職するのではなく、夫と協業という形をとって自らのサロンを運営した方が良いのではと判断しました。

また、自分の技術にお客様が付いてきてくれるようになってきた時期でもあり、自分の責任でやっていきたいという思いもありましたね。

――妊娠出産や子育てをしながら、サロンを運営するのは、大変そうですね…！

忙しない日々でしたが、夫が積極的に協力してくれたこと、地域の子育て支援サービスが充実していたこと、そしてお客様のご理解もあり、なんとかこなすことができていました。活用させていただいた保育園の先生たちにも、大変お世話になりましたね。また、夫も私も健康オタクなので、体調管理が徹底できたことも大きかったです。体が資本ですから。

――健康に理解の深い、ご主人とも協力できたのは大きいですね。

夫の専門知識には、本当に助けられました。妊娠前期は冷えやむくみに悩まされましたが、夫から呼吸法やヨガなどを用いた体作りを学び改善、つわりなどもほとんどなかったんです。夫の協力があったからこそ、体調良好に妊娠・出産を乗り越えることができたと思います。

現在3児の母ですが、仕事と家庭も両立できていると感じていますね。夫が作る栄養バランスが整った食事を基本に体調管理に気を配りながら、こちら都合でのキャンセルはできる限りしないように心がけています。

自身の悩みに基づいて新たな技術を習得し、施術メニューを充実

バリエーション豊かな施術メニューが揃う、小林さんのサロン。新しい技術も積極的に勉強し、取り入れている

――小林さんのエステサロンは、アロマトリートメントのほか、毛穴やまつ毛、ハーブピーリングなど、施術メニューが多彩ですよね。

開業当初はのメニューは、現在とはまたちょっと違ったんです。サロンを運営していく中で徐々に変化させていき、今の形になりました。

――メニューを変えていかれたきっかけや理由は、何でしたか？

やはり、妊娠・出産といったライフステージの変化が大きかったです。当初はアロマテラピーを用いたボディとフェイシャルのエステを中心にやっていましたが、この施術にはある程度の力が必要になるため、妊娠時や子育て期間中の体には負担がかかってしまいます。

そこで、既存のものからメニューを増やそうと考えました。

――追加する施術メニューは、どうやって決められているのでしょうか？

自分自身の悩みが、主なモチベーションになっていると思います。

私は目が小さいことがコンプレックスで、大きく見せるためにまつ毛のエクステなどをしていた時期がありました。当時流行し始めたこともあり、自分のサロンでもまつげエクステを導入したんですが、そのうちに制度が変わって美容師免許が必要になったんです。そこで、サロン運営の傍ら、山野美容専門学校の通信課程を3年かけて卒業し、美容師免許を取得。これを機にまつ毛エクステに加え、まつ毛パーマやパリジェンヌラッシュリフトとメニューを増やしました。

次世代のハーブピーリングであるREVIの陶肌トリートメントの導入も同様です。ニキビができやすい肌質を根本から改善したいと思っていた矢先に、山野美容専門学校で知り合った友人伝いに知ったのがきっかけでした。

また、ハーブピーリングでは改善しきれない毛穴の黒ずみに悩んでいたら、これを改善できるという「毛穴エクストラクションプロ」に出会いました。当時の毛穴洗浄や毛穴改善に関する施術に満足できていなかった私は、着実に結果を出していこうとするその技術に「これだ！」と衝撃を受けたんです。オールハンドによる施術というのも、結果に責任を持ちたい私のスタイルに合っていましたね。こちらは民間の団体による認定資格だったので、サロンの営業と両立しながらそこのオンライン講座による技術習得に励みました。私のサロンでは、こちらにフェイシャルトリートメントを組み合わせたメニューを提案しています。

――サロンを運営しながら、勉強や技術を習得されるのは大変だったのでは？

もちろん、楽ではありませんでした。まつ毛のメニューのために入学した山野美容専門学校ではまつ毛の授業はほんの一部だけ、ほとんどが美容師のためのカリキュラムで、実技も多くて大変でした。しかし、通信課程だったこともあり、私と同じように働きながら通っている生徒もたくさんいたんです。そんな方々と、互いに励まし合いながら乗り切れました。

毛穴エクストラクションプロの方は教育体制がしっかりとしていて、1人の受講生に対してインストラクターを1人つけてくれるんです。サポートが充実していたのも、技術習得までやりきれた理由の1つでした。受講は主にオンラインですが、団体主催のイベントなども開催されていて、同じ志を持つ人たちと情報交換ができるのもモチベーションになっています。

学習時間は、予約をうまく管理しながらやりくりしていました。

REVI陶肌トリートメントに使われる化粧品の一部。肌悩みに合わせたオプションも豊富

2日も休むと「仕事がしたい」と感じる。OL時代から180度マインドチェンジ！

――小林さんがエステティシャンとして施術をする上で、心がけていることはありますか？

「オールハンド」へのこだわりです。毛穴改善のメニューもそうですが、自分の手で直接お客様に触れる施術を大切にしています。

今は技術もどんどん発達して、美容関連の機器もたくさんありますが、そういった機器は世間の流行り廃りにもある程度左右されてしまうため、私のような小規模の個人経営サロンには向いていません。そういった意味では、機器による施術が中心となる美容皮膚科との差別化という側面もありますね。

また、これは感覚的な話になってしまいますが、やはり人の手の温もりは良いものです。施術を受ける側はもちろん施術者も、双方が触れ合うことによる癒やしの効果があると感じています。

あとは、やはり自己管理です。自分の心身を整えた上で仕事に臨むようにしています。実は高校生の頃、母がくも膜下出血で他界してしまったことがありました。最も身近な人の突然の不幸は衝撃的でしたが、今思うと、これをきっかけに自身の健康への意識がぐっと高まったかなと思います。今では家庭を持ち子どももいるので、なおさらですね。