3年以内にデビューしたい。目標実現につながった計画表づくり「INFIS」和知はる桂さん
銀座に店舗を構えて20年以上、確かな技術力で高いリピート率を誇るヘアサロン「INFIS銀座」。2016年に入社し、現在スタイリストとして活躍しているのが和知はる桂さんです。
友人に初めてメイクをしてもらったことで、コンプレックスとの向き合い方を知り、自信を持てるようになったという和知さん。自分も美容を通して自信や感動を与えたいと思い、美容業界を目指すようになったといいます。
「INFIS銀座」に入社後、3年以内にデビューすることを目標としていた和知さんは、デビューまでの計画表を作ったそう。その都度、取り組まなければならないことが明確になるだけでなく、モチベーションも高まったといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「INFIS銀座」スタイリスト
和知はる桂さん
東京都出身。日本美容専門学校を卒業後、2016年に「INFIS銀座」入社。計画的にカリキュラムを進め、入社2年半ほどでスタイリストデビュー。現在9年目で、自らの個性を大切にしつつ、日々多くのお客様に理想のスタイルを提供している。
私も自信や感動を与えたい。初めてのメイクをきっかけに美容業界へ
――まずは美容師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
高校生のときに友人にメイクをしてもらったことがきっかけです。メイクに興味はあったのですが、勇気が出ず、なかなか挑戦できていませんでした。友人に相談したところ、私をメイクしてくれることになって。そこでメイクの楽しさとともに、自分のコンプレックスとの向き合い方などを知ることができて、自信を持てるようになったんです。その経験から、私も美容を通して誰かに自信や感動を与えたいと思うようになり、美容師を目指し始めました。
――素敵なエピソードですね。ヘアメイクの道に進もうとは思いませんでしたか?
思いました。美容学生時代はヘアメイクアーティストを目指していて、将来は高校時代の私のような人に美容の楽しさや感動を知ってもらうためにメイクの本を出版したりしたいと思っていったんです。「INFIS銀座」に入社したときも美容師とヘアメイクどちらに重きを置こうか迷っていました。ただ、働いているうちにサロンワークのお客様に直接感動を届けられる点に惹かれて、美容師の道に専念するようになったんです。
――美容学生時代に力を入れていたことは何ですか?
学校外のコンテストへの参加に力を入れていました。具体的にいうと、アレンジのコンテストです。ウィッグを編み込んだりして、アーティスティックなヘアスタイルを作っていました。
――日本美容専門学校を選んだ理由をお聞かせください。
就職後にすぐに活躍できるスキルを身につけられそうだと思ったからです。一般的な専門学校では、美容師免許に関する授業がほとんどです。しかし、日本美容専門学校には、デッサンの授業など就職先で即戦力になるための授業がありました。表現力や発想力を磨くことで、スタイルの提案力が高い状態で就職ができると思ったんです。
アシスタント時代はシャンプーでの肌荒れに注意
――「INFIS銀座」に入社した理由は?
いまはもう開催していないのですが、当時、月1回のヘアメイク社内講習があったことが大きな理由です。繰り返しになりますが、学生時代は美容師とヘアメイクのどちらの道に専念するか決めていませんでした。ヘアメイクと美容師のどちらにも携わっていたいと思い、社内講習のある点に惹かれて応募したんです。
――なぜ銀座エリアのサロンを選んだのかお聞かせください。
20代後半から40代のお客様を中心に担当したかったからですね。あと、私はブリーチやデザインカラーの派手な雰囲気より、落ち着いた髪色できれいな雰囲気が好きで。そのスタイルが重宝されるのはオフィスで働く方だと思い、銀座のサロンを選びました。
――アシスタント時代で辛かったことは何ですか?
たくさんあるのですが印象的なものでいうと、手荒れですね。手荒れの原因は主にシャンプーです。シャンプーはスタイリストデビューしてからも取り組む仕事ではありますが、アシスタント時代は練習もあるため頻繁に行うことになります。がんばっている証拠ではあるのですが、荒れた手を見るたびに気持ちがげんなりしていました。
――それは辛いですね。どのように乗り切ったのでしょうか。
まずは美容ディーラーさんに相談して、おすすめの皮膚科に通いました。そこでパッチテストをして、何が原因かを特定したんです。荒れる可能性のある薬剤には触れないようシャンプーのときは手袋をして作業していました。あとは、薬剤に触れてしまってもなるべく荒れないよう、作業前後に塗り薬を使用して乗り切っていましたね。
デビューまでの計画を作ってステップを明確に
――カリキュラムはどのような内容でしたか?
入社後はシャンプー練習からスタートしました。その後、白髪染め、カラー、縮毛矯正、パーマ、カットとカリキュラムが組まれています。すべての分野において、オーナーのチェックがあり、合格がすると次のステップに進める形です。私は入社2年半ほどでスタイリストデビューできました。
――いち早くデビューするために取り組んだことは何ですか。
デビューまでの計画表を作っていました。私は入社したときから3年以内にデビューするという目標を掲げていたので、スタイリストデビューを3年に設定したんです。そこから逆算して、いつまでに何のカリキュラムを終了しなければならないかを紙に書いていました。カット練習でいうと、2年で終了と書いていたと思います。カリキュラムの進行スケジュールを作ることで、目標も明確になり、モチベーション高く進められるんです。
――スケジュール通りに進めるために意識していたことは?
積極的に先輩からアドバイスをもらうことを意識していました。アシスタントとはいえ、頻繁にアドバイスをもらうのは恥ずかしいと思ってしまう人もいると思います。ただ、相談せずに進めてしまうと間違った技術を覚えてしまうこともあるんです。
いまの時代、YouTubeなどの動画投稿プラットフォームで技術を確認することもできますが、自分の技術を直接見てもらったほうが改善点もわかりやすく、時間効率もいいので先輩に相談することは大切です。
和知さんが新人時代を突破できた3つのポイント
1.学生時代に校外コンテストやデッサンを通して提案力を磨いた
2.手荒れなど悩みができたときに解決のためすぐに行動した
3.計画表を作ってカリキュラムを着実に進めた
後編では、和知さんがデビュー後すぐに活躍できるように心掛けていたことや新人時代に取り組んでおけばよかったと後悔していることについてお聞きします。デビュー後、リピーターを増やしたいと考えていたという和知さん。居心地のよさがリピートにつながると考え、お客様がどのくらいの会話の量、話題を求めているかの見極めを大切にしていたといいます。後編もぜひチェックしてみてくださいね!
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