鍼灸師の資格は働きながら取得できる？仕事と両立するメリットや資格取得できる学校を紹介
近年の鍼灸師の仕事は、介護や福祉に留まらず、美容やスポーツなどさまざまな分野に活躍の場があります。活動できる分野が広がったことにより、鍼灸師の数は増加傾向にあり、別の仕事をしていても「鍼灸師になりたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、鍼灸師になるには、所定の資格を取得しなければなりません。
今回の記事では、働きながら鍼灸師を目指す方にスポットをあて、勉強方法や資格を取れる学校について紹介します。
鍼灸師にはどうすればなれる？
はじめに、鍼灸師になるためにはどうすればいいのかを見ていきましょう。
国家資格の取得が必要
鍼灸師とは、「はり師」と「きゅう師」の2つの国家試験に合格して両方の資格を持っている人のことで、「鍼灸師」という国家資格はありません。鍼灸に関して誤解されやすいことなので、覚えておいてください。
この2つは別の国家資格のため、それぞれ個別の受験が可能です。鍼灸師を目指す方のなかには、両方の試験を同時に受ける方もいます。
国家試験の受験資格
「はり師」および「きゅう師」の受験資格を得るには、所定の養成機関で最低でも3年間勉強する必要があります。
詳しい規定は厚生労働省の「はり師国家試験の施行」と「きゅう師国家試験の施行」に記載されているので、下記ページを確認してください。
引用元
厚生労働省｜はり師国家試験の施行
厚生労働省｜きゅう師国家試験の施行
鍼灸師の資格は働きながらでも取得できる？
働きながら鍼灸師の資格を目指すためには、夜間教育を設けている大学もしくは専門学校に通うとよいでしょう。夜間部は、夕方から講義がスタートするため、日中働いている方でも通うことができます。
通信教育で資格取得できる？
養成機関に3年間通う以外の方法として、通信教育を考える方もいることでしょう。しかし、通信教育では、鍼灸師の資格は取得できません。
なぜなら、鍼灸師は医療技術職で、技術を習得する必要があるからです。通信教育では知識を身に付けることは可能ですが、技術を習得することは難しく、現状では認められていません。
働きながら鍼灸師資格を取得するメリット
前章で見たように、今の仕事を辞めなくても資格取得を目指せます。では、働きながら鍼灸師の資格を取るメリットとはどんな点なのでしょうか。
収入を確保しながら学べる
働いているということは、収入が入ってくるということ。通学期間中は多くのお金がかかるため、無収入ではなく学費や生活費を稼ぎながら資格取得を目指せることは大きなメリットです。
通勤圏内の学校選びで時間を有効活用できる
職場に近い、または職場からアクセスしやすい学校を選ぶことにより、効率よく通学できることもメリットです。帰宅途中に学校があれば、交通費や通学時間の節約にもつながるでしょう。
専門実践教育訓練給付金を受けられる可能性がある
専門実践教育訓練給付金制度は、労働者のキャリア形成を支援するためにハローワークからお金が支給されるもので、雇用保険の制度のひとつです。
厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練の講座を受講し、かつ一定の要件を満たす場合に費用の一部が支給されます。金額は最大で学費の80％です。
引用元
ハローワーク｜専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内
資格を取得できる専門学校・大学
鍼灸師の資格を取得するためには、国が指定している養成過程をもつ大学、もしくは専門学校で学ばなければなりません。そこで、鍼灸師の資格を取ることができる大学・専門学校を4つ紹介します。
働きながらの取得を検討している方のために夜間部を設けている機関もあるので、ぜひチェックしてください。
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鍼灸師を目指すなら大学と専門学校のどちらがいいの？ メリット・デメリットを解説
東京有明医療大学｜保健医療学部 鍼灸学科
4年制なので、じっくり鍼灸について学びを深められる大学です。特徴的なカリキュラムとしては、スポーツ鍼灸学、レディース臨床鍼灸学、附属鍼灸センター実習などがあげられます。
近年、美容やスポーツの世界でも鍼灸治療は注目されており、それらの分野を学ぶことで将来活躍できる場を広げられるでしょう。
また、こちらの大学には大学付属の鍼灸センターがあり、現場で実践的な臨床スキルを身に付けられる点も魅力です。
なお、適用人数は少ないですが、人柄や成績がすぐれている方は授業料免除制度を利用できる可能性があるので、状況に応じて検討してみてください。
引用元
東京有明医療大学｜保健医療学部 鍼灸学科
東京有明医療大学｜授業料免除等制度
東京呉竹医療専門学校｜鍼灸科
こちらは3年制なので、大学よりも短期間で実践的な知識・技術を身に付けたい方にぴったりです。年次ごとに、基礎分野、専門基礎分野、専門分野、臨床実習がカリキュラムに組み込まれています。
臨床実習においては、附属施術所で行う実習と学外の協力施設で行う実習があり、多彩なシーンでの臨床経験を積める点も魅力です。
なお、「授業料奨学制度（A・B）」や「学内進学奨学制度」などの授業料減免制度があるので、該当する方は活用するとよいでしょう。
引用元
東京呉竹医療専門学校｜鍼灸科
東京呉竹医療専門学校｜本校独自の学費サポート制度
日本医学柔整鍼灸専門学校｜鍼灸学科
こちらの学校には夜間部があり、都内で最も遅いとされる18:20に授業が開始され、2限制で21:30まで開講されています。「特待生制度」や「W資格取得制度」などがあり、学費支援が充実していることも特徴です。
カリキュラムが充実していることはもちろん、就職支援や独立開業支援といったサポート制度も整っています。
引用元
日本医学柔整鍼灸専門学校｜鍼灸学科
日本医学柔整鍼灸専門学校｜学費サポート
東洋鍼灸専門学校｜鍼灸科 夜間部
こちらの夜間部は、月曜日から金曜日の18:00～21:20分まで授業が行われます。伝統的な鍼灸を実践的に学べるほか、ゼミでは美容鍼や小児鍼を学ぶこともでき、興味やキャリアプランに応じて必要な知識・技術を得られます。
また、開業の手続きや税務などを学べる開業セミナーが開講されているので、将来開業を視野に入れている方におすすめです。
なお、費用面が気になる場合、奨学金を検討したり、学校が提携しているOricoの学費サポートを受けたりするとよいでしょう。
鍼灸師の就職先｜鍼灸院・マッサージ院以外の選択肢
鍼灸師は、主にマッサージ院や鍼灸院に就職することが多いです。しかし、ニーズの拡大に伴い、さまざまな分野で鍼灸師が必要とされており、鍼灸師院以外の場所へ就職する方もいます。マッサージ院や鍼灸院以外の就職先を4つご紹介しましょう。
1.美容鍼灸サロン・エステサロン
美容鍼灸サロン・エステサロンでは、肌荒れやニキビなど自律神経の調整を必要としている方へ向けた施術を行います。近年、脱毛サロンなど美容の需要が高まっているため、鍼灸師として美容系に携わりたい方におすすめです。
2.介護福祉施設
介護福祉施設は、高齢者の増加に伴いさまざまな業種の人手が必要です。身体に負担がかかる高齢者へ向け、身体の負担を減らす・健康維持を目的に鍼灸治療は大切な役割を担っています。高齢者の支援や介護福祉業界に興味がある方には、おすすめです。
3.女性向け鍼灸院
女性向け鍼灸院は、不妊症・乳腺炎・月経痛などの婦人科病状や、胃腸の痛み等の病状で悩む女性へ施術を行う鍼灸院です。女性向け鍼灸院では、病状に特化しているものもあれば、美容などの施術を合わせて提供している鍼灸院もあります。女性利用者のみの場所で働きたい女性の方におすすめです。
4.スポーツ施設
スポーツ施設では、体の故障やコンディション維持、疲労回復などに特化した鍼灸治療を行います。スポーツ選手にとって体のケアは非常に重要ですので、スポーツに関心がある方・スポーツ選手のサポートをしたい方におすすめです。
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鍼灸師資格は働きながら取得を目指せる！
今回は、働きながら鍼灸師の資格を取得したい方に向け、取得方法の説明や学校の紹介をしました。
鍼灸師の資格を取得するためには、社会人の有無に関係なく大学や専門学校で養成過程を修了して、国家資格である「はり師」と「きゅう師」の2つの試験に合格しなければなりません。
勉強期間が最低3年であることから、働いている方にとっては大変な面もありますが、日中の仕事をつづけながら夜間部で学ぶ方法もあります。無理のない範囲で勉強に取り組みましょう。
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