審査員に技術を習う。早期デビューを叶えた“ずるい”成長術「TOKYO OTAKU HAIR」えりやさん
オタク文化を愛するお客様の「推しカラー」を高いクオリティで再現する「TOKYO OTAKU HAIR」。施術を行う美容師も生粋のオタクで、オタクトークを楽しめるのも同サロンの魅力です。そんな「TOKYO OTAKU HAIR」で店長を務め、TikTokでは「限界オタク美容師」として47.4万人(2025年2月時点)ものフォロワーを獲得しているのがえりやさん。
もともと就きたい仕事がなかったというえりやさん。経験値を積み重ねることができ、成果がわかりやすい仕事が向いていると考え、美容師を目指すようになったといいます。
デビュー後は、お客様の指名を獲得するために、施術の幅を広げるセミナーによく参加していたというえりやさん。また、説明の質を高めるためにカラー材の工場見学にも足を運んでいたそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「TOKYO OTAKU HAIR」スタイリスト
えりやさん(限界オタク美容師)

SNS では「限界オタク美容師」を名乗り、TikTok のフォロワー47.4 万人(2025 年 2 月時 点)を誇る人気美容師。某美容専門学校の通信科を卒業後、横浜のヘアサロンに勤務。その後2 社を経て「OTAKU HAIR(TOKYO OTAKU HAIR)」を立ち上げ。美容師としての活躍はもちろん、スタッフのメディアスキルの育成など店⻑業務にも努めている。
嫌いだけど自分に向いているのが美容師だった

――まずは美容師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
美容師を目指し始めたのは高校の進路選択のときです。はじめから美容師に興味があったわけではなく、さらに言えば、なりたい職業もありませんでした。そこで自分はどんな仕事が向いているのか考えた結果、経験値が積み重なり成果がわかりやすい仕事がいいと思い、美容師の道を選びました。
――成果がわかりやすい仕事はほかにもあると思いますが、なぜ美容師を選んだのですか?
当時の私は学力がなかったんです。そのため技術鍛錬の道がいいと思い、時間を費やせば技術力を高められる仕事を優先して考えた結果、はじめに思いついたのが美容師でした。
――手先が器用だったり、美容が好きだったりしたのですか。
いいえ。不器用でしたし、美容師さんはむしろ嫌いでしたね。振り返ってみると、よくこの仕事を選んだなと思います(笑)。
――意外なスタートですね。学生時代はどのように過ごしていましたか?
通信制だったので、サロンで働きながら学びました。何か特別に力を入れていたことはなく、授業の取り組み方も消極的でしたね。
小さな目標設定でモチベーションを維持

――1社目に入社したのはどのようなサロンでしたか。
1社目は高い年齢層のお客様をターゲットとした複数店舗を展開する企業で、訪問理美容サービスも行っていました。入社した理由としては、高卒で入社できる上に通信制に通いながら働けるサロンがその1社のみだったからです。
――美容師免許を取得までの間はどのようなお仕事を?
美容師免許を持っていないとお客様に触れることができないので、掃除や受付などのサポート業務を行っていました。美容師免許を取得してからアシスタント業務をはじめ、約3年でデビューすることができました。
――すぐにデビューされたのですね。
はい。せっかく練習量と成長が比例する仕事に就けたので、仕事中もプライベートも区別をつけず四六時中練習に取り組み、早期デビューを目指したんです。また今では仲がいいのですが、当時は意地悪で苦手だった先輩がいて(笑)、その人よりも上手くなりたいという思いが練習に対する高いモチベーションにつながっていましたね。
――対抗心がカリキュラムを順調に進めた秘訣だったんですか。
そうですね。ほかにも練習するときにモチベーションを保つために目標をいくつか設定をしていました。タイムを数秒縮める、仕上がりの質を前よりも高くするなど、なるべくクリアしやすい小さな目標を掲げて、自分の成長を感じたり、達成感を覚えられたりする瞬間を大切にしていたんです。
審査員に技術を習って試験合格率をアップ !

――カリキュラムはどのような内容でしたか?
まずは新人研修からスタートして、接客や基本用語を学びます。その後はシャンプー、マッサージ、ブロー、カラーなどと技術を学んでいきました。技術に関しては分野ごとに試験があり、合格すると次に進めるという形でした。
――なるほど。
試験は月に1度の開催だったので、それに落ちてしまうと1ヶ月のタイムロスになってしまうんです。そこで私はずるいかもしれませんが合格率を上げるため、試験で審査員を務めるスタッフに技術を教えてもらうようにしていました。教わるスタッフが違えば技術の細かな部分が異なり、その差は合否にも影響します。審査員は分野ごとに違い、所属店舗も異なるので休日にその方のもとに足を運んで1日中練習したりしていました。その結果、試験に落ちることはほとんどなかったと思います。
――デビューに向けて準備したことは何ですか?
施術の幅を広げるようにしていました。デビュー後、自分の指名客がつくまでは必然的にフリーのお客様に入ることになります。ブリーチやハイライトなど幅広く施術できるようにしておけば、多くのお客様を対応できるので、技術講習セミナーに積極的に参加するようにしていました。またカラー材の工場見学に参加することで知識を高め、お客様への説明の質を上げることで信頼獲得も目指していました。
えりやさんが新人時代を順調に過ごせた3つのポイント
1.練習のときは小さな目標設定をしてモチベーションを保っていた
2.審査員の店に足を運んで、技術を教わるようにしていた
3.デビュー後の入客に備えて、セミナーなどで施術の幅を広げていた
後編ではえりやさんのデビュー後についてや、SNS発信で工夫していることについて伺います。
TikTokでは47.4万人のフォロワーを持つえりやさん。SNSでは継続することが重要だと考え、投稿内容は自分が負担にならないものを心掛けているそうです。後編もぜひチェックしてみてくださいね!
Check it

TOKYO OTAKU HAIR
住所:東京都渋谷区渋谷3-26-17 Vort渋谷 7F
TEL:070-3785-3469