「絶対にうまくなる」。負けず嫌いの性格を活かし、順調なスタイリストデビューを果たす　「HUE」河瀬結香さん

ブリーチカラーの技術力を強みに、富山県富山市で多くのお客様に愛されるサロン「HUE」。そんな「HUE」に2022年にオープニングスタッフとして入社したのが、河瀬結香さんです。

前編では河瀬さんが美容師になろうと思ったきっかけや、１社目のサロンで体験した新人時代の経験について伺いました。

1社目のサロンは3店舗を経営する大型店で、技術習得のためのカリキュラムがしっかり用意されていたそうです。技術力を身につける難しさを感じることもあったといいますが、試験に合格する期限をしっかりと定めること、「絶対にうまくなる」という気持ちを持つことで、前向きに乗り越えてきたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「HUE」／スタイリスト
河瀬結香さん

美容専門学校を卒業後、富山のサロンで経験を積む。2022年には、カラー技術に特化した「HUE」に転職。お客様がほとんどいない状態からのスタートだったが、今では売上150万円を超える売れっ子に。

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人を幸せにできる美容師の仕事に可能性を感じて

――河瀬さんが美容師になろうと思ったきっかけから教えてください。

私は美容師になりたいという明確な思いを持っていたわけではないのですが、高校卒業後の進路を決めるタイミングで仲のよかった友だちに誘われて美容専門学校のオープンキャンパスに足を運んだんです。

当時の私には明確にやりたいこともなかったですし、大学で学びたいこともとくになく。どうせなら自分が楽しいと思う道に進みたいという気持ちだけがありました。美容専門学校で学んでいる人たちがとても楽しそうに見えて、一気に視野が広がり、美容の道に進んでみようかなと思ったんです。

当初はなんとなく楽しそうという気持ちだけで決めた進学でしたが、専門学校で学んでいくうちに、美容師は人をきれいにして、幸せにもできる仕事だと知って。「美容師の道を進んでみよう」と気持ちが固まりました。

――専門学校卒業後は、どんなサロンに就職されたのですか？

就職したのは、お客として通っていた3店舗を展開するサロンでした。歴史もそれなりにあるサロンだったため、カリキュラムもとてもしっかりしていて、美容専門学校の同期が就職したほかのサロンと比べると、スタイリストデビューまでの期間も少し長めのお店でしたね。

モデルさんへのカットに苦戦。絶対にうまくなると決め、前向きに乗り超える

――就職後はどんなことを感じられましたか？

当時私が働いていたのが、営業時間は20時まで、アシスタントは営業後の時間でしっかり練習をするというサロンだったので、毎日の業務と練習をこなすのに精一杯でしたね。

ただカリキュラムがきちんとしていて技術をしっかり身につけられたこと、さまざまなスタイリストのアシスタントについて技術や接客を学べたこと、大人数のスタッフのなかで周囲に気を配りながら働く大切さを知ったことなど、大型店でしか経験できないことも多かったと思うので、今はとても感謝しています。

――カリキュラムのなかでとくに苦戦をした点はありましたか？

スタイリストデビューが近づくにつれて、ウィッグではなくモデルさんに対してカットの施術を行う機会が増えたことです。モデルさんそれぞれの頭の形や髪の毛の癖を見極めてカットしていかなくはならず、難しさや不安を感じることは多かったですね。

ただ私は負けず嫌いな性格でもあるので、うまくできないことがあっても落ち込むよりも、「絶対にうまくなる」と逆に燃えるタイプだったんです。ネガティブな感情になることはあまりありませんでした。周りの先輩たちもよく練習を見てくれていたので、大きな挫折を感じることはなく、カリキュラムをこなすことができたと思います。

――カットモデルさんへの施術を行うなかで、どんなことを感じられましたか？

アシスタントとして、近くで先輩たちのことを見ていたはずなのですが、実際に自分が施術する立場になってみると、技術面でも接客面でも、こんなに難易度の高いことを先輩たちはしていたんだ、と驚くことがありましたね。

私がアシスタントとして先輩についていたときは、お客様ととても楽しそうに会話をして、施術もして、アシスタントに指示を出して。それをいとも簡単にこなしているように見えたんです。

でも実際に自分がやってみると、技術面をしっかりとこなしながら、お客様の会話も引き出して、こんなに気を配らなければいけない部分があるんだなと。美容師の仕事の奥深さを感じましたね。

お客様の評価が高い先輩を徹底的に分析

――逆にアシスタント時代にやりがいを感じたこと、楽しかったことはありましたか？

試験をクリアするとその技術をお客様に提供できるようになるのですが、そういった経験が増えるたびに、お店の役に立っている気持ちになってやりがいを感じました。

あとはお客様に喜んでもらえた瞬間ですね。アシスタント時代はお客様に関わる機会で一番多いのがシャンプーでしたが、お客様から「シャンプーが気持ち良かった」と言ってもらえたり、シャンプー指名を受けたときはうれしかったです。

――シャンプー指名をもらえるように、心掛けていたことはありますか？

私の先輩でシャンプーが上手な方がいて、よくお客様から褒められていたんですね。その方とほかの先輩のシャンプーは何が違うんだろうと思って、その先輩に聞いたり、自分なりに分析をしていました。そしてその技術を自分にも取り入れるようにしていましたね。

また前職で働いていたサロンは常連さんも多いお店だったので、何度かシャンプーに入らせてもらううちに、お客様の大体の好みが把握できるようになっていきました。たとえば強めにシャンプーをされるのが好きとか、ここをしっかり洗ってほしい、とか。そういったことをなるべく頭に入れて、シャンプーをするように心掛けていました。

――お話しを伺っていると、スタイリストデビューまでは順調だったようですね。

そうですね。サロンのなかでは割と順調だった方だと思います。私は「この技術は何月までに合格する」と自分のなかで目標を決めるようにしていました。目標なしにだらだらと取り組んでいると、嫌になってしまうと思ったからです。

目標を設定し、その期限までに技術の習得が間に合わなさそうだと思ったら、普段は夜しか呼ばないモデルさんを、朝の時間帯にもお願いするなど練習量を増やし、なるべくその目標を守れるようにしていましたね。

河瀬さんのスタイリストデビューが順調だった3つの理由

1.うまくいかないことがあっても、「絶対にうまくなる」という気持ちで前向きに乗り越えた

2.評価の高い先輩を徹底的に分析し、自分の技術に落とし込んだ

3.技術試験はいつまでに合格するかを明確にし、足りない部分は練習で補った

後編では、「HUE」に転職したあとの経験について伺います。現在は月の売上が150万円を超える売れっ子となった河瀬さん。しかし入社当時は、なかなか売上に結びつかず、1年ほどは悩んだといいます。さまざまな試行錯誤を経て自分らしい接客スタイルを確立することで、段々とお客様のリピートが増えるようになっていったそうです。