女性の『美しさ』のためのアイテムたちNAGAE+ #3
日本国内のモノづくり、どのくらいご存知ですか? 大量生産に埋もれて、ますます価値のあるものが見失われていくいまこそ、ていねいなモノづくりをしているブランドを知るべき時。日本全国の、さまざまな“モノ”や“コト”をストーリーを交えて、いま一度見直してみたいと思います。きっと生活を豊かなものにしてくれる、モノやコトに出会えるはずです。
工業製品と聞いて、いったい何を連想しますか? 車や機械といったものを想像して、なんだか物々しく硬くイメージを持ってしまう方がほとんどではないでしょうか。今回ご紹介するのは、工業製品の中でも金属加工の技術を生かしたものづくりをしているブランドです。冷たいイメージを持つ金属が、美しい製品に生まれ変わるまでのお話を、このブランドをプロデュースしている鶴本晶子さんにうかがいました。
NAGAE+の製品は、テーブルウエアだけにとどまっていません。女性の美しさをサポートする製品作りにも力を入れています。鶴本さんの、あったらいいな、を形にしているこれらの製品。どれもが魅力的です。
「これ見てください!」と鶴本さんが持ってきてくださったのが、錫でできた一枚の薄い板状のもの。何かと思えば、手にとって軽々と錫の板を曲げる鶴本さん。たちまち出来上がったのはなんとブレスレットです。
「ニュアンスのある表面は、錫のカップとはまた異なり、あるものを写し取ったものなんです」
そのあるものとは、なんと紙! しかもただの紙ではありません。
「刻印のある表面は越前和紙です。これは和紙を揉むようにして上部に長持ちするように作られた、伝統の技が生かされている和紙なんです。もう一面の方は、イタリアで700年前から使われているコットン100%の水彩紙。もしかしてこの紙は、あのレオナルド・ダビンチも使っていたかもしれないですね。日本の金属加工の技に加え、東洋と西洋の伝統ある紙を融合させています」
5タイプの幅のバリエーションもあり、太いものや細いものなど、重ねてつけても素敵。なによりペタンコになるので、収納もかさばらず、旅先でのジュエリーとしても便利この上ない優れものといえます。
「シンプルなので、どんなファッションにも溶け込み、誰にでも似合う上質なブレスレットです」
そして、もうひとつの女性が喜ぶアイテムとは、なんとマッサージツールです。テーブルの上に置いておいても、一見それがマッサージツールとは思えないフォルムは、いままでに見たことのない新鮮なもの。ここに辿り着くまでは、またもや試行錯誤が繰り返されたそうですが、その苦労が実り、こんな美しい姿で世の中にリリースされました。
「女性の手のひらに収まる形。そしてこの側面のえぐれた絶妙なカーブが顔や体のラインにぴったりとフィット。ここがポイントです。面をくまなくカバーしてしっかりとマッサージしてくれるので、血行もよくなります。ボディマッサージの専門家である長谷川和美さんにも監修していただき、添付している説明書には、効果的なマッサージ方法も提案しているんです」
両端にある突起の部分はツボ押しとしても活躍して、じつに気持ちいい、まったく新しいタイプのマッサージツーツなのです。
「こちらの素材は、ナガエが最も得意としているアルミ素材です。高度な鋳物技術とこの独特なフォルムに磨き上げるのも、熟練した職人の手磨きなんですよ」
どこにも継ぎ目がなく、水洗いもでき、お風呂に入りながらも使えるのがまた嬉しいもの。持ち運びにも便利なので、いつでもどこでも気持ちよくマッサージができるのです。そして、何気なくテーブルの上においても、肌に触れる部分がテーブル面に接地しないという工夫も。デザインした若手プロダクトデザイナー松山祥樹さんの形へのこだわりが、こんなところにも反映されています。
「私も持ち歩いて、時間があるときはこれで顔をこまめにマッサージしていたら、すっきりしたといわれるように。決して痩せたわけじゃないのですが(笑)」
大ヒットの予感がするこのマッサージツールも含め、NAGAE+のすべてのラインナップが本格始動するのは2016年1月から。これから目を離せない、Made in Japanのブランドのひとつです。
構成・文/高橋麻紀子 Edit&Text:Makiko Takahashi
工業製品から生まれる『美』との出会いNAGAE+ #1 >>