三浦絵里子 interview：イギリスでの出合いで変わった「人生」と「ホメオパシー」

「美しさは健康があってこそ。中でも心は大切な部分を占めています。だからみなさんには自分に自信を持って、優しい心を持って、美しくなってほしいんです」。笑顔でそう語る三浦絵里子さん。それはもちろん、仕事と勉強に真摯に向き合い、努力を重ねた結果です。セラピストだけでなく、いろんな可能性にチャレンジしていきたいという三浦さんのこれからの夢をうかがいました。

イギリスでは盛んな自然治療・ホメオパシー

「語学留学でイギリスに行っていた時のことです。学校の友人に、『ホメオパシー』のことを教えてもらいました。日本では認知度は低いのですが、イギリスではハーブなどと並ぶ自然療法として一般的です。体調がなんとなく悪いな……と思っても、お医者さまにはっきりとした症状を伝えるのが難しいことがあります。それではお医者さまも困ってしまいますよね。でも、ホメオパシーなら、自分で自分の体をケアすることができるんです。西洋医学が『病気の哲学』だとすれば、ホメオパシーなどの自然療法は『生命の哲学』と言えます。『病気』を勉強するのではなく、『体』を勉強する。こういう治療もあるのだということが、私にとって本当に驚きでした。ロンドンにあるホメオパシーのカレッジに入り、人間の体を知ることから始まり、患者さんの対応・処方という実践的な勉強を２年間こなして、LCPH（イギリスの実用的なホメオパシーの資格）を取得しました。でも、これを仕事にするつもりはなかったんです。身近な人の助けになれば……、単純にそう思っていました。イギリスに住み続けたいという欲求もなかったので、卒業後は帰国して、大好きな映画関係の仕事に就きました」

女性を美しくするホリスティックビューティ

「もちろん、仕事にしないまでも、日本でもホメオパシーをもっと知ってもらえたらと、ブログを始めました。そんな時、ホリスティックビューティ協会の岸紅子さんのセミナーを聞いて、『これはいいかも！』って嬉しくなりました。私が学んだホメオパシーやハーブなどの自然療法は、ホリスティック医療とも呼ばれています。つまり身体や心など、その人の全体像を見ながら対処していくことが大切なのです。その言葉に『ビューティ』がくっつくだけで、治療だけではなく美を意識する女性のイメージがわきあがってきました。例えば、私は映画が大好きです。自分が体験できないことを疑似体験できるからです。みんなで映画を見て、その後に女性の生き方の話をして意見を共有すると、すごく心が豊かになります。これもホリスティックビューティなんです。目の前が開けた感じがして、ホリスティックビューティと、もともと興味のあったハーブの資格を昨年秋に取得。会社を辞め、ホメオパシー、ハーブ、ホリスティックビューティの要素を取り入れたセッションをメインに、フリーランスとして働くことに決めました」

同時期に重なってしまった資格試験

「帰国してから大変だったのは、ホリスティックビューティインストラクター１級試験でしょうか。これはホリスティックビューティ協会主催のセミナー講師や、試験対策講座講師、また外部企業向けの講師として活躍できるいわばプロの講師資格です。ですから、いかに知識や経験を人に伝えられるか、いかに良い講師になれるかが試されます。知識をひけらかすのではなく、受講者の立場になって、やる気を引き出すのが役割なんです。でも同時に、誰かに教えるというのは自分の学びのチャンスでもあります。自分で理解していないと、きちんと教えることはできません。実はこの試験と、ハーブの資格試験と期間が重なってしまいました。まだ会社勤めをしていましたから、出勤前にハーブの勉強、ランチではホリスティックビューティの勉強、帰宅してから夜も勉強という日々が２～３ヵ月ほど続きました。１ヵ月でここまでやる、１週間でここまで、１日はここまで、と計画も立てました。まさに、ドラッカーのセルフマネジメントですね。でも、このチャンスを逃したら、次いつ試験を受けられるか分からないので、絶対に１回で受かると決めていました。相当きつくて蕁麻疹が出たほどでしたが、努力の甲斐があってどちらの資格も合格ができ、独立の覚悟ができました」

フリーランスのセラピストとして

「去年からセラピスト以外にも、千葉で朝活を通した交流会を開いたり、都内でホリスティックビューティについてお話するお茶会を主宰したりしています。参加人数は多くて10人ぐらいまで。人数が多いと、あいさつして、フェイスブックの友達申請をして終わってしまいます。ちゃんと話をして、相手の顔と名前を覚えて、交流ができるのは10人が限度でしょう。ブログやフェイスブックなどで参加者を募っています。今年はさらにホリスティックビューティ検定の認定校をハワイに設立したいと思っています。ハワイというとカロリーの高い食事ばかり浮かびますよね。実際、ハワイのエグゼクティブは健康のことを考えて、外食せずに自炊するそうです。だから、ハワイ在住の日本の女性をターゲットに美しくなるためのセミナーをしたら、『ホリスティックビューティって何かしら』と興味を持っていただき、集まってくださるんじゃないかって。このセミナーを今年秋には一度試してみようと考えています。善は急げって言いますよね。ダメだったらダメでもかまいません。あの人、失敗したのねって言われてもいいんです。とにかく挑戦してみることが大切だと思います」

五感を研ぎ澄まし、感動することを伝えたい

「これは将来に向けての夢なのですが、マイケル・ジャクソンの曲を基にした『ヒール・ザ・ワールド・プロジェクト』を広げていきたいです。いま、人の命に敬意も何も払わない事件が世界中で起きています。もちろん、いろんな人がいるのは当たり前のこと。でも、生きているものにみんながもっと愛情を持つようになれば、世界は変わるんじゃないでしょうか。相手は人間だけではありません。例えば植物。ぜひ一度、植物に触れてみてください。見た目より堅い葉かもしれないし、ツルツルしているかもしれません。そうすると、植物が本当に生きていると実感できるでしょう。現代の人は、特に視覚と聴覚を酷使しているために、触覚と嗅覚が衰えてきています。ハグやキスが良いというのは、実際に触れて交信できるからです。植物をかぐと緑の香りがします。しかも、植物によって香りは違います。人間もそうではありませんか？このように五感を鍛えることは、ホリスティックビューティにつながります。１日100回感動すると老けないと言われていますが、感動するには五感全てが敏感でなければいけません。目にした物事に何も感じなくなってしまったら、感覚はどんどん衰えて、感情もなくなってしまいます。ホリスティックビューティは女性対象ですが、ヒール・ザ・ワールド・プロジェクトは老若男女関係ありません。ただ植物に触るだけ。フェイスブックに書いたら、私もやりたいという人がたくさんいらして、うれしかったです。生命に対する思いやりや尊敬の念が生まれれば心も豊かになり、ゆくゆくはきれいにつながると思うんです」

就職に悩んでいる方へのメッセージ

「私は10代に何年かモデルをしていて、辞めてからしばらくは人生ずっと夏休みでした（笑）。それでもいいんです。ジタバタしないこと。焦ってあちこちに派遣登録に行ったり、すごくやりたい仕事を見つけることもあるでしょうが、それでもダメな時はどうしてもあります。だからといって、自分がダメだから、能力がないからとは思わないこと。ダメだったのは縁がなかっただけです。私の才能を見抜けなかったのねって思えるぐらいの自信を持ってください。今までやってきたこと、考えていること、自分の確固たるものが、誰にだって絶対あります。それを大切にしてください。そして、特に思い入れがなかった会社に採用されたとしても、誠実に仕事をしましょう。その人たちと出会って一緒に仕事をするというのは、大切な『ご縁』なんです。世界中にこんなに人がいる中で、出会ったということは何かがあるはず。だからそれを大切に、誠実に、がんばってみる。そうすれば絶対に評価してもらえると思います」

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