美容への興味と丸顔の悩みから小顔専門セラピストに 小顔専門サロンCOCO 谷口梓さん#1
理学療法士として急性期病院とデイサービスでキャリアを積んだ後、自身が丸顔で悩んだことから小顔専門サロンを開いた谷口梓さん。新卒で理学療法士になったばかりの頃は、維持することが目的の高齢の患者さんを前にして、果たして自分には何ができるんだろうと悩んだこともあったそう。思い描いていたイメージと実際とのギャップ、そしてやりたいことを叶えるための葛藤を語ってくださいました。
Azusa’s PROFILE
お名前 |
谷口梓 |
|---|---|
出身地 |
神奈川県横浜市 |
出身学校 |
横浜リハビリテーション専門学校 理学療法学科 |
プライベートの過ごし方 |
音楽鑑賞、読書、散歩、筋トレ、カフェでの1人時間、息子のサッカー観戦 |
憧れの人 |
ココ・シャネル |
仕事道具へのこだわり |
自分の体が仕事道具なので体調管理には気をつけています。最近はサプリでインナーケアも。 |
理学療法士としてキャリアを積んだ急性期病院・デイサービス時代

――理学療法士の資格取得まではちょっと大変だったという投稿を拝見しました。
大学に全部落ちてしまって、専門学校に入りました。本来4年で卒業するところを5年かかって一浪しているのでトータル6年。最後は、ここまできたら絶対に資格を取るしかないと意地で卒業した感じですね。
――卒業後のキャリアを教えてください。
急性期病院に入職し、一般病棟に配属されました。最初からさまざまな症状の患者さんを担当させてもらったので多くのことを学びました。骨折など整形外科やがんなどの外科手術後の離床は理学療法士の担当ですが、患者さんの痛みの対応の仕方や急変もあるので血圧やバイタルなどリスク管理しながらやるのが大変だった記憶があります。
――新卒でハードな配属だったんですね。
急性期とはいえ、地域に根ざした病院で看取りもやっていたので、リハビリ室に来れない寝たきりの患者さんも多かったです。そういう方には硬縮予防のリハビリをするんですが、当時の自分にはどんどんいい状態に持っていくイメージしかなくて…。維持することが目的の患者さんを前にして、果たして自分には何ができるんだろうと悩んだことを覚えています。
――まだまだ経験が少ない時期ですもんね。うまく乗り越えられたのでしょうか。
ちょうどその頃、妊娠出産のタイミングと重なって、産後は地域包括ケア病棟の専従セラピストとして復帰しました。
――そこではどんなお仕事を?
地域包括ケア病棟では、治療がほぼ終わったリハビリメインの高齢者の方がほとんど。専従セラピストは、地域包括ケア病棟に入院されている方のみ担当するんですが、退院に向けた生活動作の確認や屋外歩行などの運動が多かったです。
――病院には何年勤めたのですか。
6年です。近い職場ではなかったので、子どもを保育園に送ってからの出勤がちょっと大変だったのと、なにかあったときすぐにお迎えに行けるように自宅近くのデイサービスに転職しました。
デイサービスで働きながら小顔サロンの勉強を開始

――デイサービスでのお仕事は病院とはまた違いましたか。
だいぶ違いました。リハビリスペースはしっかりあるところだったんですが、理学療法士が2人しかいなかったので、一日中利用者さんの前に立ってずっと体操してました。
――午前と午後1回ずつとか?
いえいえ。20分ぐらいの体操を午前中4回、午後4回やってました。午前中のみの利用者さんもいれば午後だけの方も、1日中の方もいるんですけど、運動能力は利用者さんそれぞれ。同じような方同士をチームにして運動していただくんです。
――じゃあ1日8回も?
そうなんです。体力的に辛くないんですが、1日中体操で終わる日々になんというかわたしは体操するために理学療法士になったわけじゃないなと思ってしまったんですよね。
――次のステージを考え始めたのですね。
ちょうどコロナ禍でまわりが働き方を見直すようなときでもあり、わたしもこのままでいいのかなと考えるようになったんです。それでデイサービスで働きながら小顔サロンをやるための勉強を始めました。
手技をミックスすることでお客様の納得感とリピート率アップ

――なぜ小顔矯正だったのでしょうか。
もともと美容に興味があったのと、わたし自身が丸顔で悩んでいたこともありました。小顔矯正の技術を習得したら、自分の顔も変えられるかなとも思ったんです。手の方向が逆になるので、人にやるほどの効果は出ないんですが、習いたての頃は嬉しくて毎日やってましたね。
――デイサービスで働きながらすでにこのサロンを?
最初は武蔵小杉のレンタルサロンから始めました。インスタで無料モニターを募集して、その後も3000円くらいでやっていたので、それ一本では全然無理。しばらくデイサービスで働きながらレンタルサロンというスタイルでした。
――施術内容について教えてください。
お客様のお悩みと原因をしっかりとカウンセリングした上で、理学療法士としての知識と経験を活かし、それぞれのお悩みに合わせた施術をしています。基本的には、筋・筋膜、骨の順にアプローチして骨格から顔を変えていくんですが、例えば食いしばりが強いせいでフェイスラインが崩れている方にはこの方向からのアプローチが必要とか、オーダーメイドに近い内容になっています。
――お客様の反応は?
エステスクールで修得した手技だけやっていたときは施術もワンパターンになりがちでしたが、整体院の学びがプラスされてからは変化を実感される方が増えました。手技がひとつだけだと、お客様への説明も他のサロンと同じようになってしまうんですよね。でもいまはそれぞれのお悩みに合ったやり方を選択して施術しているので、お客様の納得感もリピート率もアップしました。
後編では、シェアサロンのメリットや集客の工夫、訪問リハビリと整体院とのトリプルワークについても伺います。
撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子
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