目指すのは存在意義のあるレセプショニスト!【kakimoto arms銀座二丁目店 嶋本瀬那さん】#2

新たな道を切り開くとき、先輩たちはどうやって壁を乗り越えたのかを紹介するこの企画。前編に続いてkakimoto arms銀座二丁目店のレセプショニスト、嶋本瀬那さんのインタビューをお届けします。

大学在学中にへアモデルを経験したのを機に美容業界に興味を持ったことや、レセプショニストは中身の濃いやりがいのある仕事だと分かったことなどを語っていただきました。

後編では、レセプショニストという仕事を通してご自身の成長を実感したこと、後輩を指導するときに気をつけていること、レセプショニストの魅力について伺います。

お話を伺ったのは…

kakimoto arms銀座二丁目店

レセプショニスト 嶋本瀬那さん

2022年3月明治学院大学 経済学部経営学科を卒業。同年4月kakimoto armsに入社し、レセプショニストとして六本木ヒルズ店に配属後される。2024年より銀座二丁目店に異動し、現在に至る。

サロンの司令塔!? お客さまと技術者を結ぶのが仕事

フロントデスクが持ち場ですが、施術のフロアに言ってお客さまにお声がけすることも多いとか。

――研修などで心に残っている言葉はありますか?

「お店にいらっしゃるお客さま全員が、私たちレセプショニストの担当だからね」と言われたことです。カットやカラーなど施術スタッフは指名を受けたお客さまを担当します。でも私たちは指名を受けることはありません。だからこそすべてのお客さまを、自分の担当のような気持ちでお迎えするように心がけています。

――まるでホテルのコンシェルジュのようですね。

お客さまが今までどのような施術をなさったのか、ここでゆったりお過ごしになりたい方なのか、逆に早く施術を済ませたいお忙しい方なのかといった情報はすべてレセプショニストの間で共有しているんですよ。

――すごいですね。

休憩に行く前や勤務時間の交代の時は、今サロンにいらっしゃるお客さまの状況を伝えるようにしています。

――お客さまのことを常に観察していらっしゃるんですね。「観察」が役立ったことはありますか?

お客さまが担当者にある商品を「10本ほどお友だちにプレゼントしたい」とおっしゃっていたんです。担当者が商品の説明をしている間、商品とリーフレットに書かれている値段を消していたら、とても感謝してくださって。本当に小さなことですが、お客さまに感動していただくことが嬉しいです。

――嶋本さんは気配りの方なんですね。

私と年齢の近い方が「初めてハイライトを入れる」って、いらしたことがあります。初めてのサロンは緊張することもあるので、その方が施術している間にフロアまで行って「楽しみですね」とお声がけしたんですよ。

――緊張がほぐれますね。

お帰りになるときは巻き髪になっていたので、「巻き髪にハイライトが映えますね」と言ったら、次の予約も入れてくださったんです。

――お客さまと担当者を結んでますね。

自分が接客したお客さまをお見かけしたら積極的にお声がけしますし、お会計のとき他のスタッフが担当していたら「私が入りたいです」とお願いして担当を代わってもらうこともあります。

求められるレセプショニストになるために必要なこと

食事をするときやホテルに泊まるときなど、心に残る接客を学ぶようにしているそう。

――嶋本さんはどんなレセプショニストになりたいと思っていますか?

存在意義のあるレセプショニストになることです。この想いは入社したときから今も変わりません。

――存在意義とは?

レセプショニストの仕事は予約を承り、お会計をするだけでも仕事として成立します。表面的なことだけではなくて、お客さまの感動に繋がるお声がけや立ち居振る舞いをしたいと思っています。そのためには、お客さまが何を求めていらっしゃるのかを気づけるように、常にアンテナを張っています。

――アンテナを張っているから、気配りができるんですね。

定期的に私たちレセプショニストが受ける研修もあるので、そのときに先輩たちがどうしているのか、どんなお声がけをしているのかを学ぶ機会もあります。

――研修はどんな内容ですか?

最近ですと、「新規の方をリピートにつなげるためにレセプショニストができることは何か」がテーマでした。ロッカーへご案内することから始まって、お席までの誘導、お会計のときなど場面ごとにどんなお声がけをすればいいのか、そのときのテンションはどうするとか。みんなで意見を出し合いました。

――ミーティングの内容も濃いですね。

ずっと先輩たちがミーティングの内容を決めて司会と進行を受け持ってくださったんですが、ついに私たちに任されることになったんです。最初は「私たちにできるのか!?」という不安が大きかったんですが、任せてもらえた嬉しさもありました。

――嶋本さんが受け持った研修はいかがでしたか?

無事に終わってホッとしています。評価していただけたようで、また新たな研修案を任されています。

――社内の研修以外で、嶋本さんが心がけていることはありますか?

ハイクラスなホテルやレストランでのおもてなしも参考になりますが、ランチなどで利用する飲食店やサロンでも、接客の様子をチェックしています。

――美容以外のお店でも参考になりますか?

お声がけのタイミングや立ち居振る舞いは参考になります。「これは参考になる!」と思えば取り入れますし、「これはイヤだな」と思ったことはやらないように気をつけています。

――嶋本さんが入社して後輩も増えたと思います。指導するのに気をつけていることは?

最初にやるべき理由をきちんと説明しています。私自身、ただ「あれして」「これして」と指示されても、自分が納得しないと動けない性格なんです。私が先輩から教わったときも、きちんと理由を説明されてきたので、素直に覚えることができました。

――例えばどんなことで理由を説明したんですか?

お客さまがお帰りになったあと、ロッカーを整頓するのはレセプショニストの仕事です。そのときハンガーを右端に寄せておくのがルールなんです。このとき、「どうして右に寄せるんですか?」って聞かれたことがありました。

――「ルールだから」とか「決まりごとだから」ではダメなんですね。

お客さまが心地よくご利用いただくために、「誰も使っていない真っ新な状態」というのを表すためだと説明しました。

――これからレセプショニストになりたい人へアドバイスをお願いします。

特別な資格や技術は必要ありません。どのような方でも活躍できる仕事だと思っています。学生生活やこれまでに経験してきたことが、どのような場面で役に立つか分かりません。いろいろな経験をしておくことをお勧めします。

嶋本さん流! 壁を突き破るための3つのポイント

1.サロンでは常にアンテナを張り、お客さまの動向をチェック。

2.情報は一人で抱え込まず、レセプショニスト全員で共有する。

3.ただ指示をするのではなく「理由」もきちんと説明すること。

撮影/森 浩司


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kakimoto arms銀座二丁目店
住所:東京都中央区銀座2-6-12 Okura House 6F
電話:03-5761-7766
Instagram:@kakimotoarms_official

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