育休から復帰後の再挑戦。学び続けチャレンジする姿勢をスタッフにも見せていきたい【ザボディショップ 中川千里さん】#2

スポーツ用品の販売員からコスメ業界の販売員に転身した中川さん。「美容知識ゼロ」からコツコツと勉強し、アルバイトから正社員にキャリアアップ。現在はストアマネージャーとして働くかたわら、公式SNSの発信などさまざまな業務に意欲的に取り組んでいます。

後編では、出産・育児で一旦ストアマネージャーとしてのキャリアを中断するものの、そこから一念発起。さまざまな努力をして、再びストアマネージャーに昇進。仕事と育児の両立の大変さや、今取り組んでいるあらたな業務について伺います。(撮影店舗:ザボディショップ新宿店)

お話を伺ったのは…

ザボディショップ

イオンモール成田店 ストアマネージャー

中川千里さん

高校卒業後、スポーツ用品店でのスタッフを経たのちにザボディショップの販売員となる。アルバイトで入社し、3年後に正社員にキャリアアップ。現在はイオンモール成田店のストアマネージャーとして、スタッフの指導をしながら店頭にも立ち続けている。

上下関係のないフラットな職場づくりを心がけています

「いま流行りのMBTI診断を取り入れることで、若いスタッフとのコミュニケーションをはかっています」

――店舗運営を円滑にするために、店長として心がけていることはありますか。

日頃からスタッフとのコミュニケーションを心がけています。とはいえみんなの前で話せないこともあります。そんな時は、定期的に面談をするなど、話を聞く時間をもうけています。

――中川さんの明るい人柄は、スタッフの方も安心して接しやすそうですね。

そうですね。なるべく壁を作らないために、最近はMBTI診断を取り入れたりしています。もちろんそれがすべてではないですが、MBTI診断をもとに一人ひとりのスタッフの個性を把握します。「この人はこういう傾向があるんだな」とか「こういった状況に弱いんだな」とか。あらかじめスタッフ間で共有できていると、小さな摩擦が防げるんじゃないかと思うんですよね。

――コミュニケーションのとっかかりにもなりそうですね。

そうなんです。私自身は職位とか上下とか関係なく、スタッフとフラットに接したいと思っています。若いスタッフも思ったことを気兼ねなく話せるような環境を作ることを心がけていますね。

――それは中川さんがアルバイトから経験されているということも関係しているのでしょうか。

そう思います。アルバイト時代に、先輩が本当に丁寧に教えてくれました。あと、その先輩は「自分がいいなと思ったことは、どんどんやっていこう」というのが口癖で。その考えがすごく好きなので、まずはやってみよう精神を私も大切にしています。

育児との両立に悩みモヤモヤしたことも

――ストアマネージャーになられた後、出産・育児で休業しています。戻ってきた時はいかがでしたか?

復職して一(いち)スタッフとして時短で勤務を再開しました。最初は正直受け入れるのに苦労しました。これからどうしていけばいいんだろうとか、自分の存在価値ってどこにあるんだろうとか。初めての育児もすごく大変だし、でも仕事も今まで通りバリバリしたい自分もいる。そんなどうしようもない状況の中、一人で葛藤する日々が続きました。

――多くの働く女性の悩みに通じるものを感じます。

そうやってモヤモヤしている中、思ったんです。「私はどんな状況でも、挑戦し続ける人でありたい」と。それで今の自分ができることは何かを、常に意識するようにしました。昨年はお店が入っているイオンモールの代表として「接客ロールプレイングコンテスト大会」に出場。敢闘賞を受賞しました。あとは、化粧品の知識をさらに高めるために化粧品検定一級を取得。コスメコンシェルジュの資格も取りました。

――育児と仕事をこなしながら、資格も取得するなんてすごいですね。

時間の使い方を変えたんです。子供が生まれるまでは、やらなくてもいいことをしていたり、ひとつの業務をダラダラとしていることがよくありました。時短勤務となると、そんな暇はまったくありません。効率よくやらないと仕事が終わらない。

まずは無駄な仕事を削って、変形労働で今日は長く働けるという日は思いっきり仕事に集中。緩急をつけて仕事に取り組むようになりました。

接客で気をつけているのは「感じのいい店員さん」であること

――中川さんなりの接客術はありますか。

非言語コミュニケーションと言われる、表情や身振り手振りによるコミュニケーションを重視しています。簡単にいうと「感じのいい店員さん」であること。お店はショッピングモールの中にあり、さまざまな世代の人や地元の人が集まるので、気軽に立ち寄りやすい空気作りを心がけています。

――具体的にはどのようなことをしていますか。

私の場合は、「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」というようにしています。あとはお店の外の通路を歩いている人と目が合った時に、ニコッとしてみたり。

接客に関しては、口で説明するだけでなく、実際に商品に触れてもらうようにしています。先輩から教わった、「手先口後(てさきくちあと)」というのを実践しています。

――実際に商品に触るのは、店舗に行かないとできない経験ですよね。

はい。SNSの普及とともにお客様の消費行動も変わってきました。SNSで気になる商品を見つけてから、実際に触りに来るというお客様が増えましたね。

リピーターを増やす工夫としては、これはスタッフのアイデアなんですが、「お客様ノート」というものを作って、スタッフ間で共有しています。内容は、お買い上げいただいた商品の簡単なメモのようなもの。それがあると、次にお越しいただいた時に、「前回のあれと合わせるならこの商品がおすすめです」といった提案ができます。

常連のお客様だったら、複数人のスタッフでわいわいと接客したり。楽しかったな、また来たいなと思ってもらえるように日々考えながら接客しています。

SNSの発信を今は頑張っています

――現在は、公式インスタグラムの発信もされていると伺いました。

私やスタッフが撮影した動画を、本社のチームが編集して、ブランドの公式インスタグラムにアップしています。いいねやコメントがつきやすいのはどんなものなのか、お客様の知りたいことに沿った内容になっているかなど、さまざまな工夫をしています。今はこの業務がとても楽しいですね。

ザボディショップ公式インスタグラム

――最後に美容の販売員を目指している人にメッセージをお願いします。

なんでもオンラインで買えるようになった時代で、販売員は不要なんじゃないかという声もあると思いますが、私はやっぱり「お店」は必要だと思っています。実際働いていて、「試してから買いたい」とお越しくださるお客様はたくさんいますから。

また私のような育児中の人の中には、仕事との両立に悩んでスキルアップを諦めている人もいるかもしれません。私は負けず嫌いな性格なので、努力と仕事の成果を出すことで乗り越えました。時短でもフルタイムでも、周囲のサポートも得ながら自分に合った働き方が見つかるといいなと思います。

中川さんの仕事におけるモットー

1.迷ったらヤバいほうを選べ!

尊敬する格闘家・高阪剛氏の言葉。挑戦することは自分の成長に繋がります。やったことのない新しいことや、人がやりたがらないことに挑戦して目立つことを考えています。

2.オーバー アンド オーバー アゲイン

何度も何度も戦い続ける、這い上がる。結果が出せず苦しいときもくじけず諦めず続けることで、必ずチャンスは巡ってきます。

3. ハッピースマイルー笑う門には福来る

「あなた、すてきな笑顔ね」とお客様に言われ、救われることがありました。接客業の基本ですが、笑顔には良い影響がたくさんあると思っています。

取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ


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