誰もが足を止めて話を聞いてくれた。岐阜の温かい県民性に支えられたアシスタント時代「eim」marinaさん
日本各地のさまざまな場所で独自の道を切り拓く人に注目し、その多彩なキャリアを紹介する本企画。今回ご登場いただくのは、東京出身でありながら、岐阜県・岐阜市のヘアサロン「eim」で働くmarinaさんです。前編では、岐阜という土地の特徴や働くことになった経緯について伺います。
岐阜ではお客様が「お店につく」というよりも、「人につく」という感覚が強いというmarinaさん。そのため、一度信頼関係を築ければ、自然とリピートにつながるケースが多いそうです
また、marinaさんは専門学校に通いながら働くために岐阜のヘアサロンに就職しました。3年が経ったタイミングで東京の支店に異動もできたそうですが、すでに出会っていた尊敬できる先輩や仲間との関係を重視して岐阜に残ることを決めたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「eim」ディレクター
marinaさん
東京都出身。4年制大学を卒業後、岐阜県内に本社を置くヘアサロンに入社。ベルフォートアカデミーオブビューティに通いながらアシスタントに従事。スタイリストデビューを経て、2021年に独立して「eim」をオープン。現在はサロンの経営などに関わるディレクターを務めながら、プレイヤーとしても活躍する。
岐阜はお客様が「店」よりも「人」につく土地
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――まずは、現在の働き方について教えてください。
いまは、岐阜県岐阜市にあるヘアサロン「eim」でディレクターとして働いています。「eim」は、前社時代から親交のあった3名で立ち上げたヘアサロンです。気心の知れた仲間とともに、日々サロンワークに向き合っています。
――ディレクターとしてのお仕事内容は?
サロンワークを中心に、半期に1度のルック撮影のディレクションや、スタッフ1人ひとりとの面談などを担当しています。プレイヤーとしても現場に立っていて、最近は「自宅でも簡単にスタイリングできて、それでいておしゃれに見えるパーマスタイル」をテーマに発信を続けています。
――岐阜で働くなかで、どんなことを感じていますか。
前社時代から岐阜で働いているのですが、この土地はいわゆる車社会です。そのため、多少お店が遠くなっても、車で通える範囲であれば足を運んでくださるお客様が多いと感じています。
――車社会ならではの特徴ですね。
はい。それに加えて、岐阜ではお客様が「お店につく」というよりも、「人につく」という感覚が強いように思います。この業界ではお店を転々とする流動客の話もよく耳にしますが、岐阜では一度信頼関係が築ければ、自然とリピートにつながるケースが多い。結果として、生涯顧客を育てやすい環境だと感じています。
家族も友だちもいない環境だったからこそ磨けたキャリア
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――東京出身とのことですが、岐阜で働こうと思ったきっかけは?
専門学校に通いながら働けるサロンを探したことがきっかけでした。
もともとは高校卒業後、すぐに美容師を目指して専門学校へ進むつもりだったんです。ですが、美容師として働く両親から「大学を卒業してからでも遅くない」と背中を押されて、東京の4年制大学へ進みました。
――大学に進まれたんですね。
はい。そして卒業後、やはり早く現場に立ちたいという思いが強くなり、美容師免許がなくても働けるサロンを探しました。ただ、実際にはそのような環境はほとんどなくて。
そんな中で出合ったのが、岐阜に本社を置き、東京にも支店を展開しているヘアサロンでした。
――それが理想に近い環境だった?
そうですね。詳しく話を聞いてみると、岐阜の店舗であれば、専門学校に通いながら働くことができると知り、入社を決めました。岐阜で働くことは想定外でしたが、結果的にはその選択がいまにつながっています。
――地元を離れて働くことに不安はありませんでしたか?
ありました。家族や親戚もいなければ、友だちもいない。地縁がない状態での挑戦だったので、働き始めた当初はモデルハントにも少し苦労しました。頼れる人がいない環境は、やはり簡単ではなかったですね。
――ゼロからのスタートですもんね。
そうです。でも、いま振り返ると、そうした環境だったからこそよかったとも思います。遊ぶ相手がいなかった分、自然と休日はセミナーに参加したり、技術の練習をしたりと、キャリアを磨くことに時間を充てられていました。
もし地元にいたら、友人との時間を優先してしまっていたかもしれないです。そう考えると、当時の何もない環境が、いまの自分を作ってくれたのだと思います。
キャリアを左右するのはエリアではなく誰と働くか。岐阜で変化した価値観
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――実際に働き始めて、どんなことを感じましたか?
最初に就職したサロンは、カット、カラー、パーマといったすべてのジャンルにおいて、老若男女どんなお客様にも対応できる技術と知識を学べる環境でした。美容師としての土台を築くには、これ以上ない場所だったと思います。
働き始めて約3年が経ち、国家資格を取得しました。そのタイミングで東京支店への異動という選択肢もありました。ただ、私は岐阜に残ることを選んだんです。
――東京に戻らなかったのはどうしてですか?
美容師としての価値観が変わったからです。
もともとは「東京=トレンド」というイメージが強く、美容師として働くなら東京だと思っていました。でも3年間働くなかで、キャリアを左右するのはエリアではなく、誰と働くかだと気づいたんです。東京にいるから成長できるわけではない。レベルの高い方と関わり、刺激を受け続けられるかどうかのほうが、よほど大切だと感じました。
――価値観の変化があったからこそ、岐阜を選んだんですね。
そうなんです。岐阜ですでに尊敬できる先輩や仲間に出会えていましたし、素敵なお客様にも囲まれていました。だからこそ、あえて東京に戻る必要はないと判断し、この土地で働き続けることを決めました。
――これまでどんな壁にぶつかってきましたか?
先ほど少し触れましたが、モデル集めには苦労しました。地縁がない状態からのスタートだったので、岐阜出身の同期と比べると、最初はモデル練習の数をなかなか重ねられませんでした。その分、自分から動くしかないと思い、私は駅前で声をかけてモデルハントをしていました。
――モデルハントも大変だと耳にします。
そうですね。東京で働く同期の話を聞くと、声をかけた瞬間に強く断られたり、怖い思いをしたりするケースもあったそうです。その点、岐阜の方々はとても温かく、足を止めて話を聞いてくださる方がほとんどでした。実際にモデルを引き受けてくださる方も多く、地域の人の優しさに何度も救われましたね。
モデル集め自体は簡単ではありませんでしたが、そうした支えがあったからこそ、遅れを取り戻すこともでき、カリキュラムをやり切ることができたと思っています。
後編では、独立という大きな決断を経てオープンした「eim」でのキャリアについて伺います。岐阜では、技術力だけでなく、人としての魅力も自然と見られるというmarinaさん。だからこそ、美容師の仕事が好きという気持ちと、目標に挑み続ける姿勢が大切だそうです。
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eim
住所:岐阜県岐阜市茜部本郷3-74
TEL:058-201-5332
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