どんな壁でも諦めなければ絶対に突破できる。その先にあるのはやりがいにあふれた毎日「 ico」竹谷美乃里さん

LA発祥のケラチントリートメントを導入しており、「自分史上一番の髪質を叶える」サロンとして話題を集める美容室「ico」。さらにハイトーンやインナーカラー、ブリーチなしのグレージュカラーなど、デザインカラーの幅広さも強みのサロンです。

今回お話しを伺うのは、美容師歴12年、「ico」に入社して4年目となるスタイリストの竹谷美乃里さん。前編では美容師を目指したきっかけや前職での新人時代について伺いました。

後編では、「ico」へ転職してさらに充実した日々を送る竹谷さんに、仕事のやりがいについてお聞きします。新人時代に大きな壁を経験した竹谷さんだからこそ語れる、「諦めない」ことの大切さについても伺いました。

お話を伺ったのは…

竹谷美乃里さん

「ico」スタイリスト

東京都出身。国際文化理美容専門学校を経て美容師免許を取得。原宿のサロンで経験を積み、2021年に「ico」に入社。外国人のような地毛風くすみベージュで人気を集める。現在は5歳の子どもを育てながら、時短勤務で活躍している。

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信頼していた先輩の声掛けで新天地へ

――「ico」に転職された経緯は？

私が産休に入っている間にコロナ禍となり、以前所属していたサロンが解体状態になってしまいました。美容師として働き続けたい気持ちがあったので、転職活動を始め、自宅の近くのサロンで内定をもらうことができたんです。本音を言えば原宿が好きだったので、そのエリアで働きたい気持ちもありました。ただ当時はまだ子どもも小さかったため、入れてくれるサロンであればどこでもいいという気持ちもあったんです。

そんなとき、「ico」のオーナーで、前社の先輩だった畑中に会う機会がありました。前社のサロンが解体したあと、畑中はスタッフを露頭に迷わせないようにと「ico」を立ち上げたんです。新しいお店で働くことが決まったと告げると「そのサロンで働くことは、本当にやりたいことなの？」と聞かれて。

言葉に詰まっていると「だったら『ico』で働いてみない？」と声をかけてくれました。前社時代もよくご飯に連れていってもらったりと何かと面倒を見てもらっていた信頼感もあって、転職を決めたんです。

――「ico」に入ってからどんなことを感じましたか？

畑中が子育て中の私の状況を配慮してくれるので、とても働きやすくなりました。たとえば時短勤務にさせてくれたり、朝の掃除を免除してくれたり。また有給もきちんと付与してくれているため、子どもが熱を出したときにも安心して休むことができ、本当に助かっています。

――「ico」に入ってから、壁に感じたことはありましたか？

壁というほどではありませんでしたが、お客様がまったくいない状態でこちらに入ったので、最初は集客の点で苦労をしました。ただそれもお店がInstagramの広告を出してくれたことで徐々にお客様が増え、不安もなくなりました。

現在の「ico」はケラチントリートメントがとくに好評で「髪がとてもきれいになり、その状態が1ヶ月半ほど続く」と喜んでいただけます。お客様が定着してくださったのも、この強みが大きかったと思います。

彼女ができた報告も。お客様の日常に関われる喜び

――竹谷さんが、美容師としてのやりがいを感じる瞬間は？

やはりお客様が喜んでくださる姿を直接見られることです。集客サイトの口コミやインスタのDMなどで「今日はありがとうございました」とメッセージをいただいたときも、とても励みになります。

また、成人式や結婚式など大切なイベントに携われるのも大きなやりがいです。以前、「ここで髪を整えてもらったおかげで彼女ができた」と言ってくださったお客様もいて、こんなに人の人生に寄り添える仕事はほかにないと実感しました。

今は子育てと仕事の両立で毎日バタバタですが、お客様と話す時間は私にとってかけがえのない時間です。かつてはヘアメイクの道と迷った時期もありましたが、お客様の日常に寄り添い、人生の節目にも関われる美容師の仕事が本当に楽しくて仕方ありません。

新人時代を乗り越える鍵は「諦めない心」

――竹谷さんにとって新人時代の経験はどのような学びになりましたか？

諦めないことの大切さを学んだ時期だったと思います。入社直後は何度も「辞めたい」と思った私ですが、周囲の助けもあって続けてきたからこそ、今こうして楽しく仕事ができています。まさに「継続は力なり」だと感じていますね。

――諦めずに継続するというのはなかなか大変なことだと思いますが、コツはありますでしょうか？

周囲の人との人間関係を大切にすることです。壁にぶつかったときや辞めたいと思ったときには、友達や先輩に相談して自分の気持ちを素直に話すことがとても大事だと思います。

私は1社目のサロンに入社した当初、体力的に辛く、友達に誘われても断ってしまうことが多かったんです。でも美容専門学校時代の友達など、自分と同じ境遇の人と会って話すと、「大変なのは自分だけじゃない」と気づき、またがんばろうと思えました。

もちろん次の日の仕事に備えて体の休息をとることも大切ですが、ときには息抜きをして心をリセットする時間を持つことも必要だと思います。それがきっと明日への糧になるはずです。

――最後にこれから美容師を目指す人へ、新人時代の過ごし方のアドバイスをお願いします。

新人時代に大事なのは、先輩に言われたことを素直に実践し、続けることだと思います。先輩の言葉には新人時代を乗り越えるヒントが隠されていると思うんです。

できないことが多くて苦しい時期もあると思いますが、諦めずに続けていれば、きっと仕事を楽しめる日が来るはずです。

竹谷さんが新人時代を乗り越えた３つのポイント

1.不安なときは先輩や仲間に相談し、支えを受けた

2.お客様との交流で、モチベーションを保った

3.信頼できる先輩の言葉を素直に受け止め、継続して取り組んだ

新人時代に道を諦めかけた経験を持ちながら、今は美容師の仕事を心から楽しんでいる竹谷さん。だからこそ語られる「諦めない大切さ」は、ひときわ強く響きます。一歩ずつ積み重ねた日々が、確かな自信と大きなやりがいへと変わっていくことを教えてくれました。