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タパ 純子 デヴィ interview:アロマの奥深さの虜となって、流れに身を任せて、夢が実現した

「特別なことは何もしていないです」と語りながらも、多くの要人や著名人を虜にする施術を行うタパ 純子 デヴィさん。”癒し”だけではなく、もっと深くアロマを知ってほしい、もっと広く伝わってほしい、と願うタパさんの言葉は、夢をもつ全てのセラピストの心に深く染みわたるに違いありません。

大学時代、アロマの魅力に気づき夢中に

タパ 純子 デヴィさん

「学生時代はコンピューターグラフィックをやりたくて、美術大学に進学したんです。でも、実際に学んでみると、周りの人たちはすごく才能があって、夢だけでは食べていけない世界だと目の当たりにし、私はこれを仕事にすることはできない…と感じていました。そんな時、アロマセラピーとの出会いがあったんです。

最初はプレゼントで精油とアロマポットをいただいて、そこで興味を持って精油を買いそろえました。ちょうどその時期に、旅行で泊ったホテルのアロマトリートメントを生まれて初めて受け、セラピストという職業を知ったんです。華やかで穏やかで、とても素敵なお仕事に思えて、憧れたのが最初のきっかけですね。それからスクールで『化粧水を作る』という体験コースを経験してすっかりアロマの神秘性に魅せられ、次々に受講を進めていきました。学校の勉強はあまり好きではありませんでしたが、アロマの勉強だけは楽しくて、どんどんのめりこんで行きました」

採用が決まったのも束の間、すぐに閉店へ

「最初は苦手だった解剖生理学の授業なども、知ってみると人間の身体は面白いですし、精油ひとつとっても香りの中にたくさんの力があり、それが身体に作用することが本当に面白くて、今までの学生時代とは比べ物にならないほど勉強しました。

大学を卒業してからは2年ほどコールセンターで現場業務に携わっていました。これは一時的なものと考えていて、その間に別の学校へ通い、イギリスの資格を取りました。さあ、セラピストとして働きたい! と、いろいろなサロンに応募しましたが、やはり技術職ですから実務経験を問われることが多く、お断りされることが続きました。熱意はあったもののどうやって働き始めたらいいんだろう…と思っていた矢先、たまたま受けた会社の社長さんが、私が最初に通ったスクールの卒業者だったんです。そのご縁で採用になりました。どうしてもホテルで働きたいと思っていましたが、採用していただけたことに感謝してそこで働くことに決めたんです。

まず配属されたのは、某専門学校が運営しているサロンでした。ところが、私が働き始めて1年経たないうちに、学校が運営から手を引くことになってしまい、サロンを閉店することになってしまったのです」

なんとホテルへ異動! 夢が実現した瞬間

タパ 純子 デヴィさん

「それで会社が経営している別のサロンに行くことになるのですが、なんと『フォーシーズンズホテル』内のサロン! 偶然にもフォーシーズンズホテルは私が一番好きなホテルだったので、すごくいい形で夢が叶ってしまいました。

このことからも、たとえ最初に希望通りにいかなくても、もしご縁があったらその流れに身をまかせて、そこで一生懸命頑張ることで次のステップに繋がっていくんだな、とは、常々考えていることですね。もちろんその時その時、ひとつひとつ起こることは本人にとっては悩ましいんですが、振り返ってみると以前描いていた理想がその通りになっている実感はあります。

ホテルに異動になってからすぐに、サロンのメンバーが一斉に辞めてしまいました。私の知人のセラピストを社長に紹介したりして、信頼できるチームを新しく作りあげたのですが、私も入ったばかりだったのに一番古株みたいになってしまって(笑)、必然的に私がホテルの人たちとミーティングなどを行うことが多くなり、他のセラピストたちを管理したりもして、いつの間にかリーダーのような立ち位置になってしまいました。前職でもリーダー経験はありましたから、これも流れだったのでしょうね」

様々な経験ができたホテル内サロンでの勤務

「私が勤務していたのは、フォーシーズンズホテルの中でも規模の小さいホテルだったので、スタッフはみんな顔見知りでアットホームな雰囲気でした。ホテルの従業員さんもすごくいい方ばかりだったし、小さいがゆえにいろいろな仕事をしなくちゃいけなかった。レストランに行きたいお客さんがスパに来てしまったりするとレストランへご案内したりとか、フロントをお探しのお客さまをチェックインにまわしたりなど、セラピストの仕事だけに集中する、という環境ではなかったんですが、私はそれがすごく楽しかったんです。ホテルマンみたいな感じで働けたし、いろいろな経験をさせていただいて、とても感謝しているんですよ。

ホテルならではの難しさは、イレギュラーなオーダーが頻発することでしょうか。VIPのお客さまの時間外の予約や、急なキャンセルなども多く、体力面やリズムの整え方など、大変と言えば大変でしたが、接客について辛かった思い出はあまりありません。セラピストとしての大変さは、どこのサロンさんでも同じかと思いますが、一人ひとりのお客さまに新しい気持ちで入ること。忙しい現場の中でいかに流れ作業にならないか、ということは常に意識しています」

副支配人から素敵なプレゼントをいただく

タパ 純子 デヴィさん

「ホテル客室には、フィードバックカードというものがあります。そのホテルのサービスについて『大変良い』『良い』『普通』などの中からチェックするものですが、チェック以外のコメント欄に私の名前を書いて『スパのトリートメントが良かった』とコメントを残してくれたお客さまが何人かいらっしゃいました。そういうことはそのホテルのセラピストでは初めてだったらしいんです。

ある日、同日に2件そういうことがあって、ホテル側の方たちもすごく喜んでくださり、副支配人から素敵なフラワーアレンジメントをプレゼントしていただきました。お客さまが喜んでくださるのが私たちにとって一番の喜びなんですが、やはりそういう形で返ってくると励みになります。また、お客さまのご期待以上のことを提供させていただきたい気持ちで一杯になります」

単なる『いい匂いのするもの』ではない、アロマ活用法

「私はお客さまには『キレイになった』と言われるよりも、『不調が改善した』と言われることの方が良い仕事をしたと思うんです。元気になっていただくために、一人ひとりのお客さまに対して丁寧なカウンセリングを行って、オーダーメイドでトリートメントができるサロンを目指しました。このサロンはプライベートサロンなので、広告はおろか看板も出していませんし、ほとんどは紹介・口コミでのお客さまです。ただ、今までの経験の中で爆発的に成功したことは一度もなく、地道に地道にやってきました。これからも、自分なりに真摯に施術を行っていきたいと思っています。

今は、身体の不調が当たり前すぎてご自分の不調を気づかれていないお客さまも多いです。頭のマッサージを施すと『頭が軽くなりすぎて立つのが難しい』と仰られるお客さまもいらっしゃるんですよ。元の軽さに戻って初めて、本来はこんなに軽かったんだ! と気付かれるんですね。『アロマセラピー』という言葉自体はある程度一般的になっていますが、それはまだまだ『いい香りのするもの』という程度のイメージでしかないでしょう。精油の正しい使い方や正しい知識がもっと広がって、予防医学に繋がっていくといいと思っています」

触るだけで感情も分かるフェイシャル

タパ 純子 デヴィさん

「いま私のサロンでいちばん人気のあるトリートメントは『ソレンセン式フェイシャルリフレクソロジー』というもの。足に多い『反射区』という考え方の顔バージョンなんです。お顔を触ることにより、身体の不調がどこにあるか分かるトリートメントです。中医学には、全身のエネルギーを作っている経絡の不調により体調が悪くなる、という理論があるんですが、面白いのは、経絡は感情によっても害されるという考え方。もちろん内臓の不調にも反応するのですが、一番弱っている経絡が分かれば今までどんな感情に傷つけられてきたかも分かるんです。

何も言われなくても、例えば誰か大切な人を亡くした経験があるかどうか伺うと、実際にその通りだったりします。それは、スピリチュアル的な見えないものを見る能力が私にあるわけではなくて、『悲しみ』という確かな指触りがあるからなんです。ストレスが身体に悪いことはよく知られていますが、感情も身体と密接に繋がっているんですよ」

知識を持つことで、奥深い『幸せな人生』を

「私がスクールに通っていた頃からの感覚として、アロマセラピストになりたい、と希望される方は、実際に自分がアロマで癒された体験をして、その素晴らしさを伝えていきたいと考えている方が多い印象です。それはとても素晴らしいことですし、私にもその気持ちはありますが、『癒してさしあげる事』そのものを生きがいにしてしまうと難しい仕事かもしれません。セラピストはすごく面白いし奥が深い仕事です。ですからこれから勉強をされる方は、知識一辺倒ではなく、トリートメント一辺倒でもなく、人間を形づくっているものを深く理解して施術していただきたい。そうすることによってお客さまの満足度も高くなりますし、自分でも携ることがとても面白くなってきます。

私もまだまだ勉強中で、自分で構築したいトリートメントもあり、やりたいことがいっぱいあります。近年では“認知症に効果的なアロマ”がメディアで紹介され、私のサロンにも問い合わせが来たことがあります。まだ期待が持てるという段階の分野だと思いますが、新しい発見はまだまだあるということ。ですから、受け身ではなく知ることに貪欲になってほしいです。どの仕事でも言えることですが、そういう好奇心の強さと知識への欲求が仕事の完成度を高め、自分を幸せにするのだと思います。ただの癒しではなく、本当の意味で自分も人も幸せにしてあげられるようなお仕事ができれば、可能性はどんどん広がっていきますよ!」

Profile

タパ 純子 デヴィさん

タパ 純子 デヴィ(タパ じゅんこ デヴィ)さん

イギリス IFPA認定アロマセラピスト
スペイン IR認定フェイシャルリフレクソロジスト
コスモフェイシャリスト資格所得

日本におけるアロマセラピー界のパイオニア栗崎小太郎氏のもとで学び、その後海外を中心に、数多くの研修を経る。

フォーシーズンズホテル丸の内 東京のスパセラピストを経て、2008年自身のサロンを立ち上げる。確かな技術と心のこもった施術で外国要人や著名人などから多くの指名があり、現在のサロンでは90%以上がリピーターという驚異の数字を誇る。

Company

Lobli

コズミックビューティサロン Lobli

タパさんがオーナーを務めるサロン。
サロン名は、”Lovely Brilliant Life”から造られた造語で、素敵で輝いた人生を送りたい全ての女性のために編み出された手技がメインのトリートメントを中心に行う。
フェイシャル・ボディの他、タパさんによる『風邪に、掃除に役立つアロマ』など、身近なアロマオイル活用法のセミナーなども行っている。

最寄駅:池尻大橋駅
※完全プライベートサロンのため、所在地詳細はご予約時にお知らせいたします。
お問い合わせ・ご予約はサイトのメールフォームから。
HP:http://lobli.jp/

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