セラピストをするうえで大切な「保険」選びのコツは?

セラピストの仕事は一見華やかに見えますが、お客様に施術をすれば良いということだけではありません。あってはならないことですが、例えば施設内でのケガや、預かり品を無くしたり汚してしまったり、オイルが合わずに肌が荒れてしまったなど、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。そして多くの現場では、施術中にも実際にトラブルが起こっているという現実があります。トラブルが起こらないように万全の配慮をすることはもちろんですが、前もってこのような事態に備えるにはどうすればいいのでしょうか?

セラピストには、リラクゼーション業界専門の保険機構があり、さまざまな事態に対応できる補償があります。仕事上のトラブルについては他人事ではないことを肝に銘じて、いざというときのために保険について理解しておきたいものです。セラピストのための個人で入ることができる保険について知り、自分に合った保険機構に入会することで安心して楽しく働くことを目指しましょう。

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セラピストの保険の種類には、どんなものがあるの?

セラピストには、車の自賠責保険のような強制保険はありません。任意保険も、セラピスト個人が賠償責任保険と契約できないのです。勤務しているサロンなどの店舗が加入している保険でも、店舗からの請求のみ有効で、セラピスト個人からの請求には対象にならないものもあるとのことです。このような制限があるので、誰もが自由に利用できる制度として「施術保証制度」があるのです。これは、制度を運用している団体と損害保険会社が契約を交わし、その団体に加入した会員が自動的に被保険者になるというものです。

セラピストなど、リラクゼーション業界で仕事をしている人のための主な保険には、手技セラピスト協会、日本治療協会、手技治療家協会、国際コ・メディカルアンドヘルスケア協会によるものなどがあります。これらの保険機構について知っておきましょう。

手技セラピスト協会には、幅広い補償(施術トラブル、サロンでのケガ、名誉棄損の訴えなど)があり、保険加入者が負担する免責額は一律3万円です。補償は最大で5,000万円。入会金はなく、年間の保険料は12,000円で一日にすると33円と、4つの機構のなかでは最もリーズナブルです。補償のバックアップは、大手の損害保険株式会社なので安心できます。

日本治療協会は、施術トラブル、サロンでのケガ、預かり品トラブルに、最大で1億円までの補償(例外有り)があります。年会費は、民間資格者としては18,000円です。また、所得保障(保険料に上乗せすると仕事、プライベート、国内外を問わず全て保険の対象)という、魅力的な保障があります。

手技治療家協会は、手技セラピスト協会と同様の幅広い補償と免責額で、年会費は18,000円です。

国際コ・メディカルアンドヘルスケア協会は、免責額8,000円~1万円、ICHA資格者の年会費12,000円、民間資格者15,750円で、年会費は一括払いのみです。相談をすると、示談交渉の手続きやアドバイスをするシステムがあります。

なお、入会の手続きや申し込みの流れは機構ごとに異なるため、それぞれに確認が必要です。手技セラピスト協会では、申し込み後に入会審査があり、10日ほどかかるとのことです。ほかの機構でも、申し込み後すぐに補償されるという訳ではないので、手続きにかかる期日も考慮しておきたいものです。

これらの保険は、個人で加入でき車の保険のように掛け捨てのものです。また、補償額は掛け金が上がるほど充実します。

個人営業をしたいけど保険には入ることができる?

大きなサロンで働くことは、経験を積み技術を磨くためには必要です。しかし、実技の技術を十分身につけたので自宅でサロンを開きたいけれど、保険は入ることができるのか心配、という人もいるでしょう。また、宿泊施設など、さまざまな場所での施術をする個人営業では、セラピストの保険に入ることができるのでしょうか?それぞれの保険について調べてみました。

結論からいえば、保険機関の保険は施術を仕事にしている個人が加入するものなので、個人営業でもOKとのことです。日本治療協会の入会資格には、手技療法を仕事として行っている施術家が個人で加入、と明記されています。補償の対象は、日本国内であれば施設や場所を問わず、個人であれば業務委託や宿泊施設などでも補償する、としています。手技治療家協会も個人補償として、個人で働く人を対象にしています。また、国際コ・メディカルアンドヘルスケア協会でも、仕事として施術をしている人ならOKとあり、あくまで個人で入る保険ということが分かります。手技セラピスト協会では、経営者のための雇用相談なども行なっているようなので、個人営業として役立つ情報も得られそうです。

これらの協会に入会し会員になることで補償制度が自動で付くため、ほかには料金が発生しないなど個人営業をするセラピストにも大きな安心材料になりそうです。ただ、当たり前のようですが、自宅をサロンなどにしている場合の、日常生活に起因する漏水などには対応しない、などの注意事項もあるようなので、契約内容をよく確認しておきましょう。

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セラピストのための保険おすすめの保険機関は?

主なセラピストのための保険として、ここまで4つの協会の保証内容について挙げてみました。では、セラピストにとってどの保険がいいのでしょうか?それぞれの特徴を挙げて比較検討してみましょう。

手技セラピスト協会では補償だけではなく、6年以上にわたる運営で判明したヒューマントラブルを分析し、より良い解決のために弁護士との提携を始めています。そして、多くの事例に基づく対応のノウハウなどの公開をしています。会費がリーズナブルなのもうれしいですね。

会員数が多い一般社団法人日本治療協会には、病気やケガで働くことができなくなったときに、保険料にプラスしておくと所得を補償してくれるという、所得補償制度があります。これは仕事以外の時間でも、また国内外どちらでも補償されるという制度で、カバーできる範囲が大きいのが特徴的です。ほかにも、無料の電話相談があってアドバイスしてくれるので、会員になることで安心感も得られそうです。民事訴訟を起こされてしまった場合の弁護士費用も、対象になります。

手技治療家協会は施設内だけではなく、看板が落ちてケガをしたなどの、施設に起因するものなどへの補償もあります。入会は資格不問で、手技治療師などの教育機関の学生や入学確定者もOKとのことです。開業や業務に対するアドバイスもあるのは、仕事をするうえで助かりますね。

国際コ・メディカルアンドヘルスケア協会の施術者賠償責任補償制度では、補償額が最大1億円と大きいのが特徴です。また、ほかの団体に加入していても入会できるそうです。

これらの保険機構は示談交渉をするものではなく、あくまでその金額を負担する窓口になるものです。示談交渉の代行などはしませんが、もし何かあれば初期対応から示談書の締結までアドバイスをしてくれるので、指示に従えば大丈夫です。これは、車にも事故のリスクがあり保険に入りますが、「リスクに備える」という意味では似ているといえそうです。事故は起こさないのが前提であり、気を付けることが一番大切なことですが、不慮の事態というものへの備えをしておくことは必要な事です。ですから、仕事をする際には保険機構の団体に入会して、補償を受けることができるようにしておくことをおすすめします。

どの保険機構も、入会金はなく会費を納入することで自動的に保証が適用されます。入会の方法も、簡単なフォームの入力でできます。どの保険が良いのかを考えるときには、それぞれの保険機構の特徴を踏まえたうえで、個々に必要な補償を判断することです。自分がどんな仕事をするのか総合的な判断をすることで、自分に合った保険を選ぶことができます。セラピストとしての仕事を一生懸命にしていくことも大事ですが、リスクについても忘れずに、不測の事態にも対応できる保険に入っておくことは必要不可欠といえます。その安心感はリラクゼーションの仕事に反映されて、より余裕のある施術につながり、お客様へと伝わることになるでしょう。

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