コラム・特集 2017-06-02

理容師・美容師の出産にまつわる医療費の現状！全日本理美容健康保険組合

その他

働いている人ならだれもが加入している社会保険。ですが、その事業内容について詳しく知っている人は少ないかもしれません。「全日本理美容健康保険組合」（略称：理美けんぽ）は、平成19年に設立された健康保険組合で、理容業・美容業・その他の美容関連業を営む事業所を対象としています。
そんな「理美けんぽ」の加入者の6割は女性。「理美けんぽ」のプレママ・子育て家庭支援事業や、従業員の健康を支える取り組みについてお話をうかがいました。

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社会情勢の変化もあり、理美けんぽの加入者数は年々増加している

――理美けんぽの加入者数はどのくらいですか？
「会社としては、360社ほどが加盟されており、加入者は約2万人となります。10年前の設立当時の加入者数は3,000人ほど。時代の流れとして『理容・美容業界も社会保険に入りなさい』となってきていて、加入者は年々増えています。」

――健康保険組合の違いは何でしょうか。また、加入の基準はありますか。
「まず通常会社で加入するのは、『協会けんぽ（旧政府管掌健康保険）』です。理美けんぽは、理容・美容関係の事業所であることなど、いくつかの審査内容をクリアしていただくことでご加入いただける健康保険です。」

理容師・美容師の出産にまつわる医療費は、他業種と比べて大きな違いがある

――理美けんぽでは、出産にまつわる医療費が「他業種に比べて約3倍」というデータがあり、たいへん驚きました。
「健康保険組合では、医療費の適正化を目的とした分析を行います。分析方法の一例を挙げると、医療費とその内容（たとえば心臓病やガンなど）を全健康保険組合の平均と比較するといったものです。そこで、理美けんぽの周産期の医療費（流産、妊娠中毒症など）を平均と比較し、どのくらい差があるかという分析をしたところ、総医療費に占める妊娠・出産関連の医療費の割合は、平均が1.87%に対して理美けんぽでは5.91%と明らかな違いがでました。」

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理美容業界の産前産後休業は、他業種に比べて短い傾向にある

――他業種と比べて流産や妊娠中毒症など、妊娠期間におけるリスクが高く、産前休業が平均よりも少ないのですね
「とくに問題視しているのは、産前休業が30日未満という方が53％もいるということです。なかには全く休まないという人もいます。お客さまから指名があると、その責任感から仕事を休めないということも多いようです。」

美容業界は女性が多く活躍しているため、理美けんぽの加入者も6割を女性が占めています。
ただ、その加入者、つまり、美容業界にたずさわる女性の多くが、妊娠時に流産や妊娠中毒症のリスクを負いやすいことが浮き彫りになりました。
また、お客さまの指名を受けている場合など、その責任感から産前休業もきちんと取れていない女性も多いようです。

理美けんぽでは、このような業界を支えている女性たちが安心して働けるような情報提供や、子育て事業支援を行っています。