安心して出産するため知りたいサロンワークの工夫 全日本理美容健康保険組合
働いている人ならだれもが加入している社会保険。ですが、その事業内容について詳しく知っている人は少ないかもしれません。
「全日本理美容健康保険組合」(略称:理美けんぽ)は、平成19年に設立された健康保険組合で、理容業・美容業・その他の美容関連業を営む事業所を対象としています。
現在「理美けんぽ」への加盟社は360社ほど、加入者は約2万人。10年前の設立当時の加入者数は3,000人で、時代とともに理容・美容業界の社会保険への認識が高まっていることがわかります。加入者の増加とともに、理容・美容業界の医療費の使われ方にはある特徴があることがわかってきました。それは、妊娠・出産に関わる意外な事実。「理美けんぽ」ご担当者さまに詳しくお話しを伺いました。
美容業界の仕事は妊婦にはツライ作業が多い
理美けんぽに加入されている方の妊娠・出産に関する医療費は、その他の業種に比べて約3倍というデータがあります。
一般財団法人 女性労働協会の「美容業界で働く妊娠中の人にとって身体的負担が大きい業務」の調査によると、約80%の方が妊娠前と同じ業務を行い、そのなかでもシャンプーなど前かがみになる作業がつらかったと答えたのが約65%。
長時間の立ち作業もむくみにつながります。これらの影響で、お腹の張りを感じたり、出血をしたりする人も多数。切迫流産や切迫早産につながってしまうので注意が必要です。
また、つわり中は、パーマ剤・カラー剤の匂いで気持ちが悪くなることも多いといいます。妊娠中は肌が敏感になる人もいるので、手袋をしてかぶれないように工夫したという声も聞かれました。
施術中につらいと感じたら休憩を取ったり、他のスタッフに代わってもらったりするなど、無理をしないようにしたいものです。
安心して出産するために。工夫したいサロンワーク
美容業界で多いのが、長時間にわたる立ち作業。座ってできる作業はイスに座って行い、足腰に負担がかからないようにしましょう。
自分のお客さんがついていないときは事務作業などの軽作業をしたり、重い洗濯物を持ったりしないなど、体にかかる負担を減らしたいですね。
そして、妊娠中毒症を防ぐために気を付けたい食事。忙しくて食事の時間を取ることもままならないことも多いと思いますが、カップラーメンなどのインスタント品にはできるだけ頼らず、バランスの良い食事を心がけたいものです。
美容業界では、責任感の強さから出産直前まで働く人が多いといいます。
妊婦本人が気を付けるのはもちろんですが、周りのサポートなしでは難しいことも多いのが現実です。安心して出産するためには、経営者や他のスタッフの共通理解も求められています。
このような実態を受けて理美けんぽでは「プレママ・子育て家庭支援事業」を推進しています。健康保険の給付金や制度、その他公的支援制度の紹介に加え、育児誌の配付など支援の幅を広げています。
Information
全日本理美容健康保険組合(略称:理美けんぽ)
理容業・美容業・その他美容関連業を営む事業所を対象とした健康保険組合
設立:平成19年4月
お問い合わせ:03-6661-6106(平日8:30-17:00)
URL:http://www.ribi-kenpo.com/
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