読者の質問に若松先生がアドバイス! 苦手な人とつきあう方法とは? #2

サロンの仕事は技術的なものだけでなく、接客する、スタッフミーティングや先輩と話し合うなど、コミュニケーションが必要になることが多いもの。中には、仕事は好きだけれど、人と話すのは苦手、なんて思っている人もいるはずです。

そこで、サロンで働く人たちの、コミュニケーションの悩みを聞いてみました。
ご実家が美容院を経営されていたという、心理カウンセラーの若松美穂先生が、皆さんの悩みにアドバイス。「どの悩みも、仕事を頑張りたいという思いのあふれたものばかり。悩み解消のお手伝いができればと思います」と、若松先生からのエールをいただきました。

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悩みケース1
東京・ヘアサロンスタッフ・24歳

「職場の先輩に苦手なタイプがいて悩んでいます。その人がいると緊張してしまうのか、よく失敗をして怒られます。怒られれば、ますます苦手意識が強くなり、また失敗をしてしまうのです。毎日がつらいので、最近では転職も考えています。その先輩以外は何も問題がないので悔しい。どうしたら良いでしょうか?」

木と空

自分が変われば、仕事がもっと楽しくなる

少し厳しい言い方をすれば、仕事で失敗すれば、先輩に叱られるのは仕方のないことです。その失敗は、「先輩が厳しいから失敗する」のか、「自分の技術が未熟だから失敗する」のか、どちらでしょうか。また、「あの人さえやめてくれれば・いなければ」と思うのは自由なのですが、実際に、先輩にやめてもらうことは不可能です。

ではどうすればいいのでしょうか? あなたにとって残念なことかもしれませんが、「人を変えることができない」のです。
「私は今のままでいるので、先輩に変わってもらおう」は、あり得ません。自分で変えることができるのは、自分だけです。自分自身の行動や考え方を変えることしかできないのです。「失敗するのは先輩が厳しいから。先輩さえいなければ」と思うか、「失敗は私の技術が未熟だから。もっと向上するように頑張ろう」と思うか。同じ出来事でも捉え方の違いで、その後の仕事によい影響を与えるかどうかが違ってきます。

あなたの技術が向上すれば失敗も減り、先輩に怒られることも減るはずです。

相手に対して苦手だなと感じていると、相手も同じように感じていることが多いものです。それは、知らず知らずにうちに、相手に対してよそよそしい態度をとってしまっているから。職場では、苦手な人をできるだけ作らないほうが、仕事がしやすいです。今らかでも遅くないので、明日職場に行ったら、先輩に明るく挨拶をして、元気に話しかけてみましょう。こちらの態度が変われば、相手の態度も変わってくるはずです。

池の鳥

選択肢がたくさんあることに目を向ける

もちろん、最後の手段として、転職を考えるのもいいと思います。環境を変えて、心と体の健康を取り戻すことができるのならば、結果的には、「転職=良い選択」になります。
大切なのは、選択肢の幅を狭めないことです。「ここにいなくちゃ!」「やめられない」と思うと苦しくなります。あなたにとって、仕事をこのまま続ける・他の職場に転職する・やめて他の道を進む・一旦休むなど、いろいろな選択肢があります。そして、どの道を選ぶかはあなた自身で決められるのです。

心がラクになる、もう一つの方法は、「仕事とは何か」を改めて考えてみることです。職場は、人と仲良くするためにあるのではなく、技術を提供して、お客さまに満足してもらい、お金を支払っていただく場所。あなたの「あの人嫌だな~」という気持ちは、お客さまには関係ありません。仕事の目的は、「人と仲良くする・気に入られる」ではなく、「仕事を覚える・給料を得る・人として成長する」だと考えると、仕事に向き合う意識が変わるはずです。

木

悩みケース2
埼玉・ネイルスタッフ・26歳

「常連のお客さまの応対で困っています。おしゃべりでちょっと下品。店長と仲良しなので、スタッフの私もうまくおつきあいしないといけないのですが、どうしても話しについていけません。相槌を打つのも疲れるのです。仕事なので、どんなタイプのお客さまにも対応しないとプロと言えないと思うのですが、その人がくるとつい顔に出てしまいそう。これからもいろんなお客さまがいると思うので、何とか克服したいのです」

サロンはサービス業だと、忘れないで

この相談を読んで、まず思ったのは、お客さま対して「下品」は失礼だわ~。どこから目線かしら!? なんだか私までざっくばらんになってしまいました(笑) お店は、お客様のおかげで営業を続けることができ、従業員のお給料が出ることを忘れてはいないでしょうか。私の家は美容院だったのですが、母はよく「お客さまは神様」と言っていました。
数ある美容院の中から選んで来てくれて、お金を払ってくださるお客さまには、常に感謝をしていました。サロンはサービス業なので、お客さまを大切に思う気持ちは忘れないようにしたいですね。

あなたが「どうしても話についていけない。相槌を打つのは疲れる。その人が来るとつい顔に出てしまいそう」と思っていることは、誰でも感じることではなく、あなたが選択した結果なのです。つまり、あなた自身が「話についていきたくない。相槌なんて打ちたくない。嫌な顔をすることで、私が嫌だと思っていると、(店長やお客様に)気がついて欲しい」という選択をしています。試しに、サロンの他のスタッフに、そのお客様のことを聞いてみてください。違う答えが返ってくるはずです。「明るくて面白い人だよ」とあなたと全く逆に印象を持っている人がいたり、あなた以上に悪く言う人もいるかもしれません。

夕日

お客さまとの関係を見直し、行動してみよう

考えるべきことは「お客様と今後、どうなりたいか」です。仲良くなりたいのか、現状維持でよいのか、できれば関わりたくないのか……など、選択するのは、あなたです。
ただ、その結果、ついてくるお客様や店長さんの反応、お店の雰囲気、仕事へのモチベーションなど、影響を受けるのもあなた自身です。

もし、本気で「どんなタイプのお客様にも対応しないとプロとは言えないから、何とか克服したい」と思ったら、行動あるのみです。今日からすぐにできることを4つ紹介します。お客様との関係が良い方向に向かうように、心から応援しています。

  • 1、接客業を続けるのであれば、「これからもいろんなお客さまがいる。そのときのための訓練や勉強をするチャンスが今」と考える。
  • 2、長い間お付き合いを続けている店長さんや先輩に、対応のコツ・受け止め方など教えてもらう。
  • 3、話についていけるかどうかは別にして、お客様に心地よく過ごしていただけるよう、聴く、相槌はうつ(接客業のお給料は技術料だけではないはず)。
  • 4、相手は対応がどうであれ、笑顔で接客する(接客業の基本ですよね)。

取材・文/大橋史子(ペンギン企画室)
撮影/AJHAJHA

Profile

若松美穂さん

若松美穂さん

心理カウンセラー、エッセイスト。生活情報誌「サンキュ!」や「ESSE」のカリスマ主婦として、家事、料理、節約などのアイデアを紹介して圧倒的な指示を集める。2011年心理カウンセラーの資格を取得し、現在は「心の整理術」をテーマに、講演、講座、雑誌、書籍などで活躍中。著書は「主婦が幸せになる60の方法」(双葉文庫)、「理想と違う自分を好きになる」(双葉社)など多数。
若松美穂の暮らしHAPPY STYLE
http://39.benesse.ne.jp/blog/wakamatsumiho/2
若松美穂のおいしい生活
https://esse-online.jp/57069
てのひらの幸せ
http://40s-style-happy.blogspot.jp

Information

理想と違う自分を好きになる

若松美穂さんの著書「理想と違う自分を好きになる」

¥1,296/双葉社

「理想の家庭」「理想の子育て」など、自分でつくりだした「理想」にしばられて苦しんでいる女性たちに届けたい心の処方箋。今の自分のいいところを認めて、気持ちを楽にして生きていける道を、一緒に探ってみませんか? 40’s style magazineの連載ブログ「てのひらの幸せ」に大幅加筆を加えた一冊です。

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