多忙な環境での成長に苦戦。加藤純一さんの配信を支えに乗り越えた新人時代「CUT純」馬場さん

ゲーム実況を中心に世界的な人気を誇る、加藤純一さんがプロデュースするヘアサロン「CUT純」。「格好悪いやつを、格好よく」をコンセプトに、東京・青山と渋谷に2店舗を展開する人気のサロンです。

今回は、入社3年目でスタイリストを務めている馬場さんにお話しを伺いました。美容師として働く兄がいる馬場さん。高校2年生のとき、お兄さんに髪を切ってもらったことをきっかけに美容師の道を志したそうです。

専門学校で理容師免許を取得した馬場さんは、都内の理容室に新卒で入社しました。理容師として習得した技術のなかでも、とくに顔剃りと刈り上げが今の活躍に活きているといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「CUT純」スタイリスト

馬場さん

鹿児島県出身。鹿児島理美容専門学校を卒業後、都内サロンを1社挟み、「CUT純」にアシスタントとして入社。現在3年目でスタイリストを務める。

インスタグラム

きっかけは兄のカット。髪型の変化に感動して美容師の道へ

――美容師を目指そうと思ったきっかけから教えてください。

美容師である兄の影響が大きいです。もともと僕は美容にあまり興味がなく、適当な髪型で生活を送っていました。そんな僕をみかねて、高校2年生のときに兄が髪を切ってくれたんです。

髪を切るだけでこんなにも見た目、気持ちが変わるんだと感動しました。それから髪と美容に興味を持ち始めて、美容師の道を進むことを決めたんです。

――専門学生時代はどのように過ごしていましたか？

知らないことや新しい知識に対して好奇心旺盛な生徒でした。わからないことがあったらすぐに調べたり、先生に聞いたりと学びに対する行動も積極的だったと思います。とくに技術練習はとても楽しく、自ら放課後に残って同級生とシャンプーやワインディングなどさまざまな練習に取り組むこともありました。

2年生のときには、コンテストにも2回参加しました。そのうちのひとつでは優勝することができて、自分の実力を知れたいい経験だったと思います。

――素晴らしいですね！いい成果を残せた秘訣を教えていただけませんか。

SNSや雑誌、ヘアカタログなどで、練習の見本を見つけるようにしていました。とくに雑誌やヘアカタログで紹介されているものは、実力のあるスタイリストが作る完成度の高いスタイルがほとんどですので参考になると思います。

そこで見つけたスタイルは形を覚える、可能であれば画像を保存する。そして、それを参考にしながら練習に取り組むと効率よく成長できます。練習に使用しなくても、質のいいスタイルを見ることは美容師としてのセンスにもつながると思いますね。

ちなみに当時の僕は、これを意識したうえで週に4〜5日は放課後に残って練習に取り組んでいました。

美容師としての個性を生み出した理容師免許

――専門学校卒業後、入社されたのはどのようなサロンでしたか？

僕は専門学校で理容師免許を取得したので、東京都内の理容室に就職しました。そのサロンは理容室にしては珍しく、SNSに力が入っていたと思います。

スタッフそれぞれがパーマやフェードカットなど異なる技術を武器としていたので、「このサロンに入ればあらゆる技術を高いレベルで学ぶことができる」と強く思い、応募したんです。

――美容師免許ではなく、理容師免許を選ばれた理由は何ですか。

当時はとくに深く考えていなくて、単純に美容師である兄と少し違うことがしたいという思いから理容師免許を選びました。いまは美容師経験も取得して働いています。

――いまの活躍に活きている、理容師時代の経験は？

たくさんあるのですが、とくに顔剃りと刈り上げの技術が大きいです。顔剃りは美容師免許のみでできる施術範囲に制限が設けられています。ですから、メンズスタイルの提案の幅が比較的広く、美容師としての個性につながりました。また、眉カットのメニューが自信を持って展開できるので、集客にも活きていると思います。

カリキュラム進行が辛かった新人時代。加藤純一さんの配信が原動力に

――1社目の新人時代で辛かったことは何ですか。

新人時代は新しく学ぶことや取り組むことが多く、体力的にも精神的にも大変な時期です。そのなかでカリキュラムを進めていかなければならないということが辛かったです。技術試験に合格できず、次のステップへ進めなかったときは挫折しそうになりました。

――それはどのように乗り越えましたか？

お客様の表情やお声をモチベーションにして乗り越えていました。先輩スタイリストのアシスタントとして働いていると、「ありがとう」などと褒めていただけることがあって。お客様のなかには、顔や名前を覚えてくださる方もいらっしゃいました。そのような場面が訪れるたびに自分の取り組みに価値を見出すことができ、それを原動力に変えてここまで乗り越えてきました。

それでも辛いときには「CUT純」のプロデュースを務める加藤純一さんの配信を見て、元気をもらっていましたね。

後編では、「CUT純」に転職したあとの馬場さんのキャリアについて伺います。ロングヘアのお客様の施術を行った際、苦手意識を覚えたという馬場さん。お客様のどんな要望にも自信をもって応えられる技術者になりたいと思い、美容室への転職を考えるようになったそうです。後編もお楽しみに！