人気のヘア&メイク・小田切ヒロさんストーリー #1 生意気盛り編

現在、女性誌・イベントで大人気のヘア&メイクアップアーティスト、小田切ヒロさん。あの藤原美智子さん率いる「ラ・ドンナ」に所属し、その美容知識は美容関係者の間でも「エベレスト級」と言われています。また、一方で編集者やライターの間では「言葉が強い人」と言われるほど、表現力が豊富で“小田切ポエム”がUPされるインスタグラムも注目を集めています。また女性誌各紙で話題となった小顔術が詰まった初著書『小田切流小顔道』(講談社)も発売後すぐに重版という話題作。
そんな小田切さんですが、つい数年前まで自信過剰で実に生意気な小僧だったとか(笑)! 現在のように一人前になるまで、みっともないくらい格好つけたり、生意気だったと小田切さんは振り返ります。今まで語ったことのない“しくじり”と現在までの歩みを語っていただきました!

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ちょっと変わった編み物好きの小学生

「ベアミネラル」の広告ムービーの現場
「ベアミネラル」の広告ムービーの現場にて。

小田切さんは、1982年2月12日千葉県生まれ。事業を営む父親とピアノ教師をしていた母、そして3人の姉がいる家庭の末っ子として生まれました。

「小さい頃から、髪をいじるのが大好きで、よく姉たちの髪をいじらせてもらっていました。母はメイクが大好きな人で、彼女のメイク用品を見るのが好きでしたね」

そんな小田切さん、小学校に上がると学童の編み物クラブに入ります。

「とにかく手先を動かすことが好きで、編み物クラブに入部したんです。結果、編み物コンテストで3年連続優勝するほどの腕前に。だから5年生から入る、本格的な小学校の部活も手芸クラブに入部。もちろん男子1人です(笑)。ぼくは“自分が好きなこと”をやりたかったので、そのことで周囲にからかわれても、『じゃ、みんながいるサッカー部にしよう』とはならなかったですね。こういう頑固さは今も変わってないです」

でも思春期に入り、小田切さんの中にもデリケートな気持ちが生まれます。

「中学に入った頃です。いじめにもあい、家族からも『もっと男らしくしろ!』と言われて、仕方なくスポーツ系の部活に入ることにしたんです。団体競技に向いていないのは自分でも重々承知してましたので、個人競技ができる卓球部に入部しました。最後は部長もやって、“1つのことを成し遂げる忍耐力”が初めて鍛えられたと思っています。でもいくら卓球部に入っても、“自分の好き”って抑えられないんですよ。やっぱり髪いじりが好きで、クラスメイトの女子の髪を編んであげてましたね」

そんなちょっと“変わり者”だった小田切さん、学校生活では苦労したこともあったようで……。

「当時の学校生活って、みんな一緒であることが大切でした。だから先生方も変わっていることをネガティブに捉える人が多い。ぼくは図工なんかでもちょっとひとクセある作品を作る生徒だったんですね。でも、それは“個性”として捉えられるのではなく、『何で人と違うものを作るんだ!?』と糾弾されてしまう。今ならそれが学校というものだって理解できるんですが、当時はもうそれがイヤでイヤで……(笑)。とにかく早く社会に出たかったですね」

高校卒業後、地元の美容室へ

モデルのスミス楓さんと
初自著「小田切流小顔道」(講談社)出版イベントにて。モデルのスミス楓さんと。

高校を卒業し、とにかく“髪を触りたい”衝動から美容室に就職。その傍ら、通信制の美容学校にも通い、ジュニアスタイリストからスタイリストへ昇格します。
美容室で働くうちに小田切さんはあることに気づきはじめます。

「よくお客さんが雑誌のキリヌキを持ってきて、『この髪型にしてください』って言うでしょう?いくら髪型似せたって顔が違うんだから、それがその人に似合う髪型だとは限らなかったわけです。。でも、その“違う顔”をメイクで作れるんじゃない?って思いメイクスクールに行こう、と。とはいえ、ぼくが通ったのはたった半年間の短期スクールでした。漠然とメイクのことは知ったけれど、これじゃ仕事にならないと若いながらにも感じました。そこで、まずはメイクテクニックの基礎というよりも、その道具となる化粧品の基礎を徹底的に学ぼうと決意したんです。これには理由があって、美容室に入ったとき、あまりの物知らずさに先輩たちに怒られまくったんですね。『おまえは基礎を知らなさすぎる!』と。だから髪にしても、メイクにしても、すべては基礎を知らない限りどうにもならないと思ったので、基礎にこだわったんです」

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難関を突破し、外資系化粧品会社へ

イラスト
新製品を試すときは自分の肌はもちろん、イラストを興してどんな風に使うのがいちばんベストか考えます。そのくらい真剣に商品に向かい合いますね。

「化粧品のことを学ぶのだから、じゃ、化粧品会社に入ってそこの美容販売部員になろうと考えました」

そして蓋をあけてみれば、200人中7人合格という難関を突破します。何か対策はしたのでしょうか?

「入社したかったら、まず“その会社”の商品を知ること。ぼくなんて、美容販売部員になるには、化粧品会社を受けるんじゃなくて、デパートの入社試験を受けるのかと思っていたくらい世間知らずでしたが、とにかくその会社を知ろうとそこのコスメを買い、実際に使ってみて、さらにそのカウンターで、現役の美容販売部員の人に『ここで働くにはどうしたらいいですか?』『どうやって試験に受かりましたか?』と聞きました。今、ネットを検索すればどんな情報だって得られます。でも、やはりネットから得られる情報って、薄いと思うんですね。体を動かし、自分で体感して得た情報は深みが違う。自分がこうなりたいという人と話し、空気を知る。自分の直感で感じる。これ、どんなに世の中がデジタル化しても変わらないと思います」

組織に属して働くこととは

コントァリングメイク
小田切さんが得意とする「コントァリングメイク」は、陰影をつけて立体感を出し、小顔に見せるメイク法。「VOCE」(講談社・2016年11月号)でも大人気企画。

「化粧品会社の前に働いていた美容室での接客は、とくにルールなどはなく、自由にやっていたんですね。自分では自分の個性こそ大事!と、それを最大限に出していたんですが、思えば、なにもわかっていなかったし、僕が提供できたサービスの質は低かったですね。そもそも、名のあるブランドの看板をもつ化粧品会社では、ぼくの個性など関係ないんです。大切なのは、その会社が掲げるブランドのイメージ。だからこそ組織の中、マニュアルをきちんと守り、チームワークの一員として和を保たなければなりませんでした。最初は『マニュアルどおりかよ~!』なんて生意気にも思っていました(笑)。でも、ここで初めて型にハマることの大切さを学んだんですね。だって1つのブランドの中、社員1人1人が好き勝手個性爆発でやっていては、そのブランドイメージは崩れてしまいます。だからこそ、マニュアルというのは存在する。でもその決められたマニュアルの中、いかにして自分の個性を出しつつ接客するかが段々とおもしろくなってきて……。まさに頭を使うゲームのようでした」

接客を通して見えてくる人間性

小田切ヒロさん
本を出すということは初めての経験でしたが、自分の美の信念を表現できたことは楽しかったです。

小田切さんがいた売り場は、日本一の売り上げを誇る場所。素人からプロまで多くの人が買いに来たといいます。

「このとき、たくさんのお客様の相手をすることで、人間性というものを学びました。売り場へ来るプロのヘアメイクさんの中には、“美容販売部員”をバカにする人もいたんです。一方ですごく素敵なヘアメイクさんもいました。僕たちの話を熱心に聞いてくださり、時には質問をしてくださったり。そういう方は、立場は違えど相手のことをちゃんとリスペクトしている。でも、このときはぼくも他人のことは言えないくらい未熟で『素敵だな~、このヘアメイクさん』と思うばかりで、自分の人間性はまったくできていなかったんですけどね(笑)。ぼくが本当の人間性について学ぶのは、このあと師匠(藤原美智子氏)に出会ってからです。それは次回のお楽しみ!」

取材・文/児玉響子
画像提供/ラ・ドンナ、講談社

Profile

小田切ヒロさん

小田切ヒロさん

ヘア&メイクアップアーティスト。藤原美智子さん率いる「ラ・ドンナ」所属。ナチュラルメイクからハイファッションメイクまで幅広く得意とし、美容知識の豊富さにも定評がある。とくに自身が変化した、別人級に変化する「小顔矯正メソッド」は世の女性たちをとりこにした。初めての著書「小田切流小顔道」(講談社)が好評発売中。

Information

小田切流小顔道

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