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コラム・特集 2017-06-13

人気のヘア&メイク・小田切ヒロさんストーリー #2 黒歴史編

現在、女性誌・イベントで大人気のヘア&メイクアップアーティスト、小田切ヒロさん。あの藤原美智子さん率いる「ラ・ドンナ」に所属し、その美容知識は美容関係者の間でも「エベレスト級」と言われています。また、一方で編集者やライターの間では「言葉が強い人」と言われるほど、表現力が豊富で“小田切ポエム”がUPされるインスタグラムも注目を集めています。また女性誌各紙で話題となった小顔術が詰まった初著書『小田切流小顔道』(講談社)も発売後すぐに重版という話題作。
そんな小田切さんですが、つい数年前まで自信過剰で実に生意気な小僧だったとか(笑)! 現在のように一人前になるまで、みっともないくらい格好つけたり、生意気だったと小田切さんは振り返ります。今まで語ったことのない“しくじり”と現在までの歩みを語っていただきました!

売り上げトップの美容販売員からヘアメイクアシスタントへ

自著「小田切流 小顔道」(講談社)
自著「小田切流 小顔道」(講談社)より。メイクでは小田切さんが得意とする30%減見せ小顔メイクも紹介。

外資系化粧品会社に入ってから、日本一の売り場でトップ美容販売部員にになるまで、そう時間はかからなかった小田切さん。

「この頃からですね。いつかヘア&メイクアップアーティストになりたいと思い始めたのは。なりたかったのは、ファッションショーのヘア&メイクアップアーティスト。でもあるずば抜けた才能を持つアーティストに出会ってしまい、好きと得意っていうのは違うということを痛感しました。確かにぼくは、ファッションショーのとんがったメイクが好きだけれど、ではそれが得意かと言われるとそうじゃない。仕事というのは、働いてお金をいただくもの。だから“好き”は大事だけれど、それだけではやっていけません。だからぼくは“得意”を選択したんですね。自分の中でのこの線引きは、働きながら生きていくのであればとても大事なことだと思います」

とはいえ、いち美容販売員が、なぜあの藤原美智子さんにアシスタント入りできたのでしょうか?

「これも、直感なんです。ある日、売り場でお客さまに化粧品のリーフレットを配っているとき、目の前に師匠(藤原さん)のポスターが貼ってあったのが目に入ったんです。もうその瞬間でした。『この人だ!』と思って、事務所に履歴書を送ったんです。藤原さんの事務所は1年中アシスタントを募集しているわけではありません。3~5年に1度しか募集しないのですが、ぼくが履歴書を送ったとき、ちょうど“その時期”だったんです。それで拾ってもらった。本当に運がよかったと思います。とはいえ、転職にあたっては迷いがゼロだったわけではありません。何しろ売り上げトップの販売員ですから、それなりの収入がある。ヘアメイクのアシスタントになるということは収入も下がります。当時、ぼくは27歳。20代後半って、仕事を一通り覚えるから、変なプライドを持つようになる年齢なんです。でもね、そのプライドは捨てました。アシスタント採用されなかったときはそれまで。ダメだったらバイトでもして食いつなごう!そのくらいの気概で応募しました。キャリアの上に培った正統なプライドならともかく、小さなプライドなんて捨てることで、次のステップへの道が拓けるんです。だってまだ20代ですよ。20代は苦労していいんです。苦労って、決してダサいことじゃないとぼくは思います」

27歳。遅すぎるアシスタントデビュー。大反省時代のはじまり

アシスタント時代
アシスタント時代。正しい美容知識を身に着けていなかったため、塗り込むことだけをやっていた“大顔”時代。

藤原さんの事務所は、とても時間をかけて丁寧にアシスタントを育てるといいます。

「デビューさせるまでに3~5年、みっちりと指導してくれる事務所でした。とはいえ、ぼくがアシスタントに入ったのは27歳。みんな20代前半で入ってくるのに、すでに出遅れ感があって。でも僕は美容室→化粧品会社と社会人経験はつんでいるから、いっぱしの大人だと思っていたんですね。今考えると当時のぼくはただの“器用貧乏”。何しろ、変に気が利くからアシスタントとしてのサポートは完璧だけど、相手の心が読めていなかったんです。今だからわかるのですが、ヘアメイクの現場において、“心”って本当に大切なこと。そのうえ自己顕示欲が強かったから『できます』アピールが激しくて(笑)。さぞや先輩方はやりにくかっただろうと思います。そんなある日、事件はおきました」

その日は日中、炎天下の撮影。その後、夜の打ち上げでのことだったといいます。

「朝からのアシスタント業務で疲労していた中、お酒を飲み、そこである失態を侵してしまったんです。とうとう先輩に言われてしまいました。『自分が大したことない人間だってことに早く気づきなさい』って。それもみんなの前で言われて、もう、大泣きしました! 自分ではできていると思っていたのに、こんなこと言われるなんて!って。でも、それも奢りでしたね。
この1件で鼻をへし折られ、自分の立ち位置を理解したものですから、もはや怖くて、以前のように自信をもってべらべらと話せない。出しゃばれない。そうなんです、自分の立ち位置を理解していないアシスタントほど自信満々でおしゃべりだし、出しゃばるんです。以前のぼくは、まさに“それ”でした。
それから、ただただ黙って先輩たちの背中を見てすごす日々が続き……弱さを自覚しながら、アシスタントとしての仕事を試行錯誤する日々は本当につらかったです」

今、大反省時代を振り返って

新製品お試しのためのイラスト
#1でもお見せした新製品お試しのためのイラスト。描くことで、イメージというのは具体的に迫ってきます。

現在の小田切さんは、仕事が終わったら自宅に直帰。パーティや会合にもあまり参加しません。

「でも、アシスタント時代は仕事が終わったらとにかく飲んで遊んでいましたね。クラブも大好き!社交的だし、誰とでもすぐに友達になれちゃう。そんな自分がイケてると思っていたし、飲んだり騒いだりすることがストレス発散だったんです。でもこれって、仕事に自信もプライドもないことの裏返しの行動なんですよ。
だから当時は自己啓発本もめちゃくちゃ読んでいましたし、しょっちゅう誰かとつるんでは愚痴をこぼしていました。でも、恐ろしいことに“類は友を呼ぶ”んです。友達というのは、自分のマインドに近い人が寄ってくるもの。ネガティブなマインドのときは、ネガティブな人間しか寄ってこないんです。だからこそ、どこかで気づいて断ち切らないといけない。自分にもそういう時代があったからこそ、今、アシスタントには『ちょっとだけ背伸びすることが大切』と伝えています。自分自身が素敵にならない限り、素敵な人が寄ってこないし、ましてや素敵な仕事も人生もやってこない。与えられた環境ではなく、すべてはまず自分次第なんです」

取材・文/児玉響子
画像提供/ラ・ドンナ、講談社

Profile

小田切ヒロさん

小田切ヒロさん

ヘア&メイクアップアーティスト。藤原美智子さん率いる「ラ・ドンナ」所属。ナチュラルメイクからハイファッションメイクまで幅広く得意とし、美容知識の豊富さにも定評がある。とくに自身が変化した、別人級に変化する「小顔矯正メソッド」は世の女性たちをとりこにした。初めての著書「小田切流小顔道」(講談社)が好評発売中。

Information

小田切流小顔道

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人気のヘア&メイク・小田切ヒロさんストーリー #3 現在編>>

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