優勝者kazuが語る! #1 “カットコンテストの必要性”

美容師、理容師の世界に昔からあるカットコンテスト。積極的に参加しているお店もあれば、そうじゃないところもたくさんあります。出場しない理由としてあげられるのが「非現実的なスタイルで競っても、お客さまへの技術や売り上げには直結しない」という言葉。

去る5月16日に『DA Grand-Prix Final』というコンテストが行われました。リアルとクリエイティブを合わせた造語“リアリティブ”をテーマにした、お客さまに提案できるヘアスタイルを競う大会です。今まではナンバー1を決めない個性を重視したコンテストでしたが、今年から1番を決めるものに変わりました。初代チャンピオンに輝いたのはkazuさん(CARNIVAL)。そんな彼にカットコンテストに出場する意義をお聞きしました。そこにあるのは、自分のためだけという単純な理由ばかりではないようです。

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努力は報われることを分かってもらいたい

――改めて優勝おめでとうございます。いきなり本題に入りますが、kazuさんはカットコンテストに出場する意味合いをどのように考えておられますか?
「僕は、今は美容師ですが、もともと理容師なんです。専門学校を卒業して最初に就職したところがコンテストで有名な理容室でした。そこはカットの基礎を覚えていくにあたって、必ず全員がコンテストに取り組んでいくというシステムだったんです。実際に教えてくださる先輩は世界チャンピオン、アジアチャンピオン、日本チャンピオンで、そういう方たちに指導していただきながら基礎を学んでいくというのが練習方法でした。いつも日常の中にコンテストがあったので、出場する意味合いといわれると、当時は出て当たり前という感覚でした」

kazuさん

――サロンワークの技術とコンテスト用の技術は別物だと聞いたことがあるのですが。
「確かにお客さま用のカット技術と、コンテスト用の切り方は別だったりします。だけど、その2つには共通点がたくさんあり、そこを学んでいくわけです。コンテストの技術をきちんと勉強していけば、通常のカットスキルも上がっていくという仕組みです」

――kazuさんは5月に行われた『DA Grand-Prix Final』の優勝インタビューにおいて、「悔しい思いをいっぱいした」ということを言われていました。美容師ならずとも、仕事を持つ人なら誰でも抱く感情だと思います。あの真意はなんだったのでしょうか?
「都心の有名店ではないところに勤めている子って、モチベーションが割と低いというか。無茶なことには挑戦しない人が多いんです。僕は努力した人がちゃんと報われてほしいと思っているので、江古田という場所にいても努力をすれば報われるんだということを証明したかったんです。特にうちのスタッフに。結果が出ないと、人って努力に対して疑いを持つじゃないですか。そうなる気持ちも分かるんですけど、『そこで諦めたら終わりじゃん』って思うんです。今、店長兼ディレクターという役職をいただき、自分の下で毎日頑張ってくれているスタッフがいて、そんな彼らにやればできるということを形として示したかったんです。先ほど『コンテストに出る意味合い』をたずねられましたけど、今回に限ってはそういう理由でした」

表彰式
東京ミッドタウン内ビルボードライブ東京で行われた表彰式。「名前を呼ばれた瞬間の記憶がない」とkazuさんは語る。

――とはいえ、日本一になるということは並大抵なことではないと思います。
「そもそもCARNIVALはコンテストには取り組んでいなかったですし、有名店さんがみんな出ている大会でトロフィーをもらうなんて夢みたいな話だったと思います。そんな中で仲間内から『本気で優勝できると思っているんですか』『無理でしょ』と真顔で言われたことがあったんです。建前では『頑張ります』と言うんですが、これが素直な気持ちなんだと思ったとき、心が折れそうになりました。だけど、正直にそう思っているのであれば、そう思わないようにしなくてはならないと感じたのも事実です。そういう経験があって『悔しい思い』と口から出たんだと思います」

――心が折れそうになったとき、つなぎ止めたものはなんだったのですか?
「意地だけです(笑)。そう言われて、本当にやめたら負けだと思ったので、続けるしかなかったんです。僕はズバ抜けたセンスの持ち主でもなく、器用なわけでもなく、普通なんです。有名サロンのいい感性を持った人たちに、いつか勝ちたいと思っていたんですけど、どうしたらいいかと考えると、結局、努力を続けるしかないんですよね」

kazuさん

――理容室時代にコンテストのために練習する先輩たちを見てきたことが今につながっているんでしょうか?
「それはあると思います。自分の想像を超えて努力をしている人がいっぱいいたんです。この人はいつ家に帰っているんだろうなって(笑)。そういう方たちは決まって売り上げがトップレベルでした。だから僕もサロンワークをしっかりとこなしながら、同時にコンテストの練習もめちゃくちゃしました。こういう先人たちがあとに続く人たちのお手本となったように、僕も後輩たちの先々を照らしてあげることができたらと思います」

#2では、カットコンテスト優勝によって起こった変化について語っていただきました。次回をお楽しみに!

取材・文/滝沢ヤス英
撮影/福島陽太、CARNIVAL(表彰式)

profile

kazuさん

CARNIVAL
店長兼ディレクター
kazuさん

座右の銘:詮方尽くれども望みは失わず!

1987年10月4日生まれ。仙台理容美容専門学校卒業後、都内の理容室に入社。スタイリストとして活躍しながら美容師の免許を通信で取得する。都内有名美容室へ移ったのち、Flamingo by carnivalの立ち上げとともにCARNIVALへと入社。現在は、店長兼ディレクターとしてお店をまとめると同時に、ヘアイベントの参加や美容師向けセミナー講師としても活動中。

Salon DATA

CARNIVAL(カーニバル)

住所/東京都練馬区栄町2-7 フローラ21
電話/03-3557-2232
営業/平日10:00~22:00、土日祝10:00~20:00
定休日/無休

江古田に店をかまえ、15年以上続くヘアサロン。relax & luxury をコンセプトに、抜け感のあるナチュラルスタイルを提案する。Flamingo by carnival、Waltz eye&nailなど系列店もある。
http://carnival-tokyo.com/

優勝者がkazuが語る! #2 “カットコンテストのその後”>>

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